- JTBC『医師チャ・ジョンスク』がライバルの、SBSドラマ『浪漫ドクターキム・サブ3』。
- 視聴率の不振が囁かれているが、ある区分で調査された視聴率では、同時間帯及び同曜日に放送された全番組で1位に!
- それは“2049視聴率”。この数字に、製作陣が思わずにやけてしまう理由が隠されている。
視聴率の不振が囁かれている、SBSの金土ドラマ『浪漫ドクターキム・サブ3(以下、キム・サブ3)』。
視聴率調査会社ニールセンコリアによると、6月3日に放送された第12話は、全国世帯14.4%、瞬間最高17.1%と、自己最高の視聴率を記録したという。
『キム・サブ3』は、4月28日から放送がスタート。視聴率が3%を超えれば“まずまず”と言われる現在の韓ドラ界において、第1話では12.7%を記録、第2話も13.8%という好調な滑り出しを見せた。
しかし世間の評価は「前作2作の輝かしい実績に比べるとまだまだ‥」という反応。
2016年11月に放送開始となったシーズン1は、平均視聴率が20.4%、最高視聴率は27.6%と高い数字。続くシーズン2も、平均18.3%、最高27.1%と前作の人気に次ぐ実績を残しているからだ。
前出の通り、現在放送中のシーズン3は、最新話で自己最高記録を更新しても14.4%止まり。平均視聴率も13.3%と前作の実績には及ばない。
苦戦の理由は、JTBC『医師チャ・ジョンスク』という強力なライバルの存在が挙げられる。
本ドラマは土日の放送で、金土ドラマ『キム・サブ3』とは放送枠が1日被っている。そのため『医師チャ・ジョンスク』に視聴者を奪われてしまっていると言われているのだ。
しかし、自己最高を記録した『キム・サブ3』最新話の視聴率において、注目するべき数字も出ているよう。それは、“2049視聴率”である。
“2049視聴率”とは、全体世帯視聴率の中で、20~49歳の年齢帯視聴率を別途算定した数値。韓国メディアによると、チャンネル競争力と話題性を計る上で核心となる指標だという。
一般的に視聴率は老若男女の視聴率を意味するが、一般視聴率が高いからといって、“2049視聴率”も無条件に高くなる訳ではない。
例えば、一般視聴率と“2049視聴率”の差が小さければ、その番組は20代から40代までが好んで見る番組と解釈でき、逆に一般視聴率との差が大きければ、50代以上などその他の世代の視聴率が高いと解釈できる。
では、なぜ“2049視聴率”に注目する必要があるのか?
それは、放送局の主要収入源である広告を出す広告主が、購買力の高い年齢層である20歳から49歳までの男女が多く見る番組を好むからだ。
10代未満は、お小遣いでの生活のため購買力は低く、50代以上は購買のパターンを頻繁には変えないため広告の効果が落ちる。60代以上や、年金などで生活する70代以上の場合も購買力が急減するので、やはり広告効果は見込めない。
そのため、広告主のターゲットとなる世代の“2049視聴率”が、一つの指標として重要視されるようになったのである。
2010年代初めまでは、tvNのようなケーブル放送局が優先する指標だったが、最近はKBS、MBC、SBSの地上波3社でも、視聴率報告をする際に“2049視聴率”を合わせて提示するという。
“2049視聴率”は、広告主や製作側が重要視する数字なのである。
では、『キム・サブ3』の“2049視聴率”はどうかというと、最新話で5.1%。
実はこの数字、同時間帯および土曜日に放送された全ての番組の中でなんと1位! 視聴率不振が囁かれているが、製作陣が思わずニヤッとしてしまう嬉しい数字をしっかりと出しているのだ。
最新話の第12話では、シーズン1に出演していたキム・サブの弟子、ユ・ヨンソク扮するカン先生が帰還。シリーズファンの喜びを誘い、視聴率も上昇した。
そして、最強のライバルドラマ『医師チャ・ジョンスク』は、6月4日に最終回を迎えている。
『キム・サブ3』は残り4話。果たして、「チャ・ジョンスク」に奪われていた視聴者を取り戻すことができるか?
そして、広告主と製作陣が、今度は大きなガッツポーズを出してしまうくらいの“2049視聴率”を叩き出せるのだろうか?
多くの視聴者に愛されてきたシリーズ作品の追い上げが期待される。
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