- 好調な滑り出しとなったドラマ『離婚弁護士シン・ソンハン』の視聴率が下がった。
- ドラマの設定やストーリーに、様々な要素を取り入れすぎたがための影響と予想されている。
- 韓国メディアは「具材と調味料が多すぎる」と指摘。今後ドラマは、多くの視聴者が好む味を提供できるだろうか。
2023年の話題作と注目のJTBCドラマ『離婚弁護士シン・ソンハン』の人気が、早くも下降?
初回の視聴率(ニールセンコリア有料世帯基準)が全国7.3%、首都圏8.1%と、JTBCドラマの初回放送視聴率の歴代1位となった本作。
好スタートを切ったはずだったのだが‥、3月11日に放送された第3話の視聴率は、全国4.8%と下落。
この状況について韓国メディアは「外的要因もあり得るが、ドラマが持つ“ジレンマ(悩み)”のせいではないか」と指摘している。
ドラマの主軸は何?
日本では、Netflix(ネットフリックス)で配信されている『離婚弁護士シン・ソンハン』。3月17日現在の国内ランキング(TV番組部門)では、5位につける人気を見せている。
韓国では、2022年に大ヒットしたENA(Netflix)ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』に次ぐ新しい法廷ドラマとして、期待が寄せられていた。
しかし、第4話までの放送が終わった今、ドラマの感想を求められた視聴者は、どうやら返答に困っている様子。
その理由は「ドラマの魅力はこれ!」と一言で表現するのが難しいから。視聴者は「ドラマのメインの軸は何なのだろう?」と首をかしげている。
素材盛り込みすぎでお腹いっぱい
ドラマは、ピアニスト出身の離婚専門弁護士シン・ハンソン(チョ・スンウ扮)が、型破りな方法で様々な依頼を解決していく波乱万丈なストーリー。
法廷ドラマではあるものの、親友との友情などヒューマンドラマの要素も盛り込まれている。
また、登場人物のキャラクターもユニークだ。シン・ハンソンはクラシックを扱ったピアニストだったが、今はトロットに夢中の弁護士。ワイングラスに焼酎を入れて飲むなど、一風変わった好みを持つ。
そんな変わり者の主人公の親友として、ハンソンの弁護士事務所の事務長を務めるチャン・ヒョングン(キム・ソンギュン扮)と、不動産の代表を務めるチョ・ギョンシク(チョン・ムンソン扮)が出演している。
彼らは、キムチ1株を分けて食べるほど親しい関係。この親友3人組の賑やかなシーンは、視聴者が放送前から楽しみにしていた部分でもあった。
ところが、主人公を取り巻く盛りだくさんの要素が、早くも視聴者に満腹感を与えてしまったよう‥。
法廷ドラマという程、訴訟がメインになっている訳ではなく、ヒューマンドラマと言えるかというと、まだそこまでではない。
そんな曖昧な設定の中に追加されるユーモアシーン。視聴者が単純にドラマを楽しむには、ちょっと具材を詰め込み過ぎたようだ。
味付けも濃厚? 突拍子もないストーリー展開
しかし、ドラマの味付けとなる演出やストーリー展開も、視聴者の好みを分ける結果を招いてしまった。
普段は比較的優しい口調で有名なメディアも、今回ばかりは少し辛辣に評価をしている。
それは、第1~第2話で離婚訴訟の主人公となるイ・ソジン(ハン・ヘジン扮)のストーリーを受けてのこと。
イ・ソジンは人気のDJだったが浮気をし、夫から離婚と親権放棄を求められる。劇中では、息子の親権を守るために、いきなりソンハンの弁護士事務所を訪ね、働かせてくれと要請する。
また、子どものために初めて酢豚を作っただけでも恥ずかしそうにしていた彼女が、問題のあった事務所のドアを直してしまうといったプロのような腕前を披露する場面が出てくる。
これには視聴者もびっくり。意外性のある展開は、視聴者の興味を引きつける場合もあるが、すでに色んな具材が詰め込まれたドラマにとっては、良いスパイスにならなかったよう。
そのため、メディアは「具材と調味料が多すぎる」と指摘。イ・ソジンのキャラクター設定と、突拍子もない展開が、ドラマへの関心を下げる結果となってしまった。
チョ・スンウの旨味を引き出せるか?
第3話の視聴率が落ちてしまったのは、第1~第2話を見た視聴者の一部が離れてしまったと推測されている。
事前注目が高いドラマだっただけに、視聴者のがっかり感を強めたとも考えられる。
しかし、主演を務めているのはチョ・スンウ。
「彼が主演だから」という理由でドラマを見た人も少なくない。もちろん他にも、味のある俳優陣が出演している。
ところが、彼らの魅力を十分に活かしきれていないのが残念。中には、ドラマの味に深みが足りないという指摘も。
メディアは「続く期待が失望に変わらないことを願う」と伝えている。
今後『離婚弁護士シン・ソンハン』は、視聴者を納得させる、旨味のある内容を提供できるだろうか。
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