• tvN『イルタ・スキャンダル 〜恋は特訓コースで〜』が大成功を収め、韓国にスター講師ブームを巻き起こしている。
  • そんな中、本作と物語や登場人物に共通点のある昨年放送されたKBS2『クレイジーラブ』が注目を浴びることに。
  • 内容が酷似した作品であったにもかかわらず、酷評を受けるなど視聴率、話題性ともに惨敗した理由をご紹介。
tvN『イルタ・スキャンダル 〜恋は特訓コースで〜』は、大成功を収めた

大成功を収めたtvN『イルタ・スキャンダル 〜恋は特訓コースで〜』(画像出典:tvN)

tvN『イルタ・スキャンダル 〜恋は特訓コースで〜(以下、イルタ・スキャンダル)』が、大成功を収めました。

予備校で働く数学のスター講師を題材に、ロマンスとミステリー要素をミックスさせたストーリーで視聴者を楽しませた本作。

視聴率が3%を超えればまずまずと言われる近年の韓国ドラ界において、なんと最終話で最高視聴率17%を記録、最近ではあまり見ない高い数字を叩き出しています。

『イルタ・スキャンダル』のヒットで注目されるドラマ

そしてその影響は実社会にまで及び、韓国に空前のスター講師ブームをもたらすことに。

このため塾の人気講師は現在、芸能人に匹敵するほど大衆から関心を得ており、収入や華やかな暮らしぶりが話題に。テレビ番組に出演することもしばしばです。

また、TikTok(ティックトック)やYouTube(ユーチューブ)には彼ら彼女らの金言が溢れ、多くの人に視聴されています。

そんな中『イルタ・スキャンダル』のヒットにより、注目を浴びることになったドラマが。

それは本作よりも以前に、世間の動きをいち早くキャッチし制作、放送された『クレイジーラブ』(KBS2/2022)。

『クレイジーラブ』は、『イルタ・スキャンダル』よりも以前に世間の動きをいち早くキャッチし制作、放送されたドラマ

『イルタ・スキャンダル』よりも以前に、世間の動きをいち早くキャッチし制作、放送された『クレイジーラブ』(画像出典:KBS)

『彼女の私生活』(2019)などで活躍したキム・ジェウクと、アイドルグループf(x)のメンバーで女優のチョン・スジョン(クリスタル)が主演を務めた作品です。

物語は、予備校の人気数学教師を題材に、ラブストーリーとスリラーで構成されたストーリー。また主人公は神経質という設定においても、『イルタ・スキャンダル』と類似点の多い作品でした。

『クレイジーラブ』は、『イルタ・スキャンダル』と類似点が多かった

『イルタ・スキャンダル』と類似点の多かった『クレイジーラブ』(画像出典:ARC MEDIA)

しかし最高視聴率は4.6%で悪くはないものの、大成功を収めた『イルタ・スキャンダル』とは歴然とした差が。

先見の明はあったようですが、当時は“大誤算”だったのか残念な結果を残しています。

しかも、両作のモチーフとなったスター講師はどうやら同一人物。

『クレイジーラブ』はモデルにした人物を明らかにしていませんが、主人公の設定から実在する人気数学教師のヒョン・ウジン氏ではないかと言われており、役名も彼の名前を意識したのか響きが似たノ・ゴジンでした。一方、『イルタ・スキャンダル』は彼からアドバイスを受けたことを明かしています。

キム・ジェウクは、スター講師ノ・ゴジンに扮した

スター講師ノ・ゴジンに扮したキム・ジェウク(画像出典:KBS2『クレイジーラブ』)

共通点が多く同じスター講師の物語であるにもかかわらず、大きな差が生まれてしまった『クレイジーラブ』は、まさに惨敗と言わざるを得ない状況です。

『クレイジーラブ』がヒットしなかった理由

では気になるその理由ですが、1つ目には競争相手が強すぎたことが挙げられます。

『クレイジーラブ』は、爆発的人気を博したSBS『社内お見合い』と、放送回を追うごとに視聴率を獲得していったtvN『軍検事ドーベルマン』が、同曜日の同時間帯に放送されていたのです。

そして2つ目は、視聴者から不満の声が上がった演出と演技が原因。

主人公が記憶喪失になるなど、人によってはやや稚拙とも感じられる設定が酷評を受け、役者陣もそれをカバーするだけの好演を披露できなかった評価されました。

***

モチーフにした人物や物語の構成を同じくしても、結果に大きな差が生じた両作。

大成功するドラマの裏には、様々な条件が複雑に絡み合っているようです。

西谷瀬里

韓国ドラマが大好きな西谷です。現在はK-POP関連の記事を主に投稿しておりますが、韓ドラの魅力や、俳優&女優さんの活躍も随時紹介していきたいと思います。あらゆる年代の読者の方に、楽しんでいただける記事が届けられたらなという思いです。

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