- キム・ソヒョンの新作ドラマ『紙の月』が、4月12日から『Lemino』で日本同時配信される。
- 彼女といえば日本では、『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』で有名だが、本国ではそれ以前に出演した『妻の誘惑』での悪女ぶりで脚光を浴びた女優だ。
- 現在は強い女性を演じ各作品で好評を得ているキム・ソヒョンの女優人生を一部振り返る。
ドコモの新しい映像配信サービス『Lemino』が、4月12日から提供される。
韓国ドラマもラインナップに入っており、中には本国と同時配信されるものも。
その1つでイチオシ作品がENA『紙の月』。『第25回 柴田錬三郎賞』を受賞した角田光代の同名の小説が原作で、4月12日にスタートする韓国の月火ドラマだ。
主演を務めるのはキム・ソヒョン。
『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』(邦題/JTBC/2018/以下、SKYキャッスル)での活躍により、それまでにも増して知名度をアップした女優だ。
秘密を抱えた冷酷な受験コーディネーター、という難しい役を熱演した彼女に魅了された韓ドラファンも多かったのではないだろうか。
本作をはじめ各出演作で、必ずと言ってもよいほど演技力の高さが話題となる役者の1人だ。
しかしそんな彼女には、“官能女優”だと認識されていた時代が。1994年に芸能界デビューし、まだ目立った活躍が見られなかった頃のこと。
過激な性的描写が大半を占めイシューとなった主演映画『欲望 Lovers』(邦題/2003)で、肌の露出ばかりが強調された広報や、意図的にエロティシズムを前面に押し出したメディアの報道が世間の誤解を生んだのだ。
ちなみに翌年には大ヒット作『パリの恋人』(SBS/2004)に出演、主演パク・シニャンの元妻役として出演したが、これといって注目されることはなかった。
そんな彼女に訪れた転機が、2008年に放送されたSBS『妻の誘惑』。
夫に不倫された妻の強烈な復讐を描いた泥沼劇で、不倫相手のシン・エリ役を好演。衝撃的な悪女演技は物語をより一層ドラマチックにした。
それだけに、視聴者の中にはフィクションであると分かっていながらもキム・ソヒョンに対する怒りを抑えられず、テレビ局に抗議の電話をする人も。彼女は後ろ指をさされたのだとか。
こうして本作を通して“キム・ソヒョン=悪女”というイメージが定着、一躍世間に名を知らせるとともに、『2009年 SBS演技大賞』では連続ドラマ部門の女性演技賞を受賞。
メディアなどで“悪女特集”が組まれるといまだに彼女が取り上げられ、史上最悪の女を描き出した女優として韓ドラ史に名を刻んでいる。
以降、数多くの作品に出演しながら2013年には『奇皇后』(MBC)で、なんとしても皇室の実権を握ろうと策略を練る皇太后役を。2018年には『偉大な誘惑者』(MBC)で、病院の院長兼財団の理事長でプライドが高い女性に扮するなど、タフな女性役で視聴者に強い印象を残すように。
一部ドラマファンの間からは、“センケ”(센캐:強いキャラクターを意味する韓国語の略)が得意な女優という声が上がるようになった。
そして冒頭で触れた『SKYキャッスル』で、冷たく残酷な悪女を見事に描きだした彼女は、韓国を代表する女優へとステップアップする。
どうやら強い女性というキャラクターは、彼女にとってハマり役のようだ。
しかしキム・ソヒョンが演じるのはただ単に気の強い役柄ではない。どこかもろさや隠したい事情と過去があるのが特徴だ。前出の『奇皇后』や、『偉大な誘惑者』、『SKYキャッスル』に加え『Mine』(tvN/2021)もそうだった。
強烈な強さの中に、どこか影があり弱さが垣間見える“訳あり女役”を縄張りにして活躍している。
そんな彼女、新作ドラマ『紙の月』では、息苦しい日常を過ごしていた専業主婦で、銀行員として働きはじめVIP顧客のお金を横領するユ・イファ役で登場する。
受動的だった人生から本能に導かれ徐々に変化していく様子を描いて、視聴者を楽しませる予定だ。
『紙の月』60秒ティザー映像
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