- 最近韓国では、子役出身女優が活躍を見せ、韓国ドラマ界を盛り上げている。
- 中でも、天才子役として注目されてきたのが、キム・ユジョンとキム・セロン。
- 2人はライバルと思われていたが、実は親友。しかし共に成長してきた2人は今、少し異なる歩みを見せている。
最近の韓国芸能界では、子役出身の女優が数多く活躍している。
例えば、昨年(2022年)大ヒットとなったENA(Netflix)ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌(邦題)』の主演パク・ウンビンを筆頭に、MBC『赤い袖先(原題/邦題:袖先赤いクットン)』のイ・セヨン、KBS2『ノクドゥ伝~花に降る月明り~(邦題)』のキム・ソヒョン、KBS『雲が描いた月明かり』のキム・ユジョン、など。
ここで挙げた女優陣の芸歴はもはやベテラン級、子役時代からの豊富な演技経験が、今の高い演技力につながっている。
「“〇〇の子役”を演じた子」と言われてきた彼女たちが今、韓国ドラマ界を盛り上げている。
かつて“〇〇の子役”として引っ張りだったキム・ユジョンは、現在23歳(2023年2月現在)。
2003年に子役デビューした彼女は芸歴20年の経験と実力を誇り、今や主演を務める立派な女優に成長を遂げた。
2008年には、SBS『イルジメ~一枝梅~』『風の絵師』、2009年のMBC『善徳女王』、2010年のMBC『トンイ』、2012年のMBC『太陽を抱く月』など、時代劇のヒットドラマに立て続けに出演。
ハン・ヒョジュ、ムン・グニョンなど名だたる女優陣の子役時代を演じた彼女は、SBS、KBS、MBCと韓国の地上波3社で、“子役賞”を受賞する快挙を成し遂げた。
そんな人気子役だった彼女の最大のライバルとされていたのが、キム・セロンである。
キム・セロンは、キム・ユジョンよりもひとつ年下の22歳(2023年2月現在)。彼女は、9歳で子役活動を始めた。
2009年に映画初出演で主演を務めた映画『旅人(原題/邦題:冬の小鳥)』では、孤児院に捨てられた少女役を熱演。優れた演技力が絶賛され、カンヌ国際映画祭に招待された彼女は、当時レッドカーペットを踏んだ韓国の最年少俳優として広く知られるように。
2010年には、ウォンビンと共演した映画『アジョシ』が、韓国で国内動員数630万人と大ヒット。彼女は“天才子役”と話題となり、“大韓民国映画大賞・新人女優賞”を史上最年少で受賞した。
その後は映画だけではなく、ドラマにも出演。2013年のMBC『女王の教室』では、『MBC演技大賞』の子役賞を受賞。その他にも、数々の新人俳優賞や子役俳優賞を獲得している。
同時期に子役として活躍した、キム・ユジョンとキム・セロン。世間は、彼女らを天才子役として注目しながらも、「2人はキャスティングを取り合うライバル」と見ていた。しかし、実際2人は仲の良い親友だという。
キム・セロンは、過去のインタビューで「キム・ユジョンとは子供の頃から子役生活を共にした。知らない人から見るとライバルに見えるかもしれないが、私たちは最も長くお互いを見守ってきた仲間であり、ファンであり、親友のような存在」と伝えている。
同じ環境で共に成長してきた彼女たちは、今後も共に歩む、良き仲間のようだ。
ところが昨年(2022年)、キム・セロンの活躍を阻むスキャンダルが報じられる。それは同年5月18日、彼女が飲酒運転の疑いで警察の調査を受けているという衝撃な内容だった。
韓国警察によると、彼女は同日の午前8時頃、ソウル江南区鶴洞交差点付近でガードレール、街路樹、変圧器などに3回以上衝突し、逃走を図ったという。
翌19日、彼女はインスタグラムに自筆の謝罪文を掲載し、出演予定だったSBSドラマ『トロリー』を降板。
大きく報道された一連の騒動は、彼女の子役イメージを破る、成熟した演技を期待していた人々をがっかりさせる結果を招いてしまった。
一方、キム・ユジョンの近況はというと、最近は活躍のステージを広げ、演劇に初挑戦している。
子役出身者は、子役時代のイメージをなかなか払拭できない、視聴者が当時のイメージを引きずっている、など多くのジレンマを抱えている。
おそらく彼女は、これまでのイメージの脱却や演技の幅を広げるために、初舞台に挑んだのではないだろうか。
彼女が出演する舞台は『恋におちたシェイクスピア』。同作は、2014年にイギリスのウエスト・エンドで初演されたもので、『ロミオとジュリエット』の初演を背景とし、大文豪のウィリアム・シェイクスピアと、彼を信奉する上流階級の娘ヴァイオラとの恋愛を描いた悲喜劇。
キム・ユジョンは、チョン・ソミン、チェ・スビンと共に、ヴァイオラ役にキャスティングされた。
舞台は「出演俳優たちのハーモニーが良い」と好評。中でも初舞台のキム・ユジョンの演技の実力が光っているという。
彼女は劇中、ヴァイオラ役とジュリエット役を忙しく行き来するものの、全く乱れることがなく、彼女特有の愛らしさが劇に対する没入度を高めてくれるようだ。
さらには観劇した人から「チケット代が惜しくない」という反応も。これは、韓国でよく使われる称賛の表現。少々高いチケット代を払ってでも、その価値が十分にあることが伝わってくる。
子役出身女優ではなく、舞台女優という新たな道を切り拓いたキム・ユジョン。彼女は次世代を担う女優として期待されている。
一方、共に成長してきた彼女の親友、キム・セロンの女優復帰は、まだもう少し時間がかかりそうだ。
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