【韓流20周年企画-あの女優の今】2022年は、日韓同時開催が話題となったFIFAサッカーワールドカップから20年を迎える年となる。振り返ると日本の韓流ブームの歩みも、同じようなタイミングだったのではないだろうか。そこで今回は韓流20周年、懐かしい”あのドラマ”の女優の今を追ってみたい。
期待の新ドラマが続々とスタートした韓国。
日本でも、Netflix(ネットフリックス)をはじめ、さまざまなVODサービスでの配信により、ほぼオンタイムで新作ドラマを楽しめるようになった。
もはや市民権を得た韓国ドラマ。このコンテンツこそが、日本で巻き起こった韓流ブームをさらに盛り上げる”追い風”となったのは周知の事実だろう。
日本で一大ムーブメントを巻き起こした韓国ドラマはその後、令和となった現在でも多くの人に愛されている。
その中でも、現在も衰えぬ人気を誇示している作品は、俳優ヒョンビンがブレイクを果たした『私の名前はキム・サムスン』だ。
このドラマは、ヒョンビンと女優のキム・ソナが主演を務め、ダサい名前とぽっちゃり体型にコンプレックスを持ちながらも、パティシエとして堂々と生きていく30代の独身女性キム・サムスンが、傲慢な年下のイケメン御曹司ヒョン・ジノンと恋に落ちるラブコメディー。
笑いあり涙ありで展開していくストーリーは女性視聴者の共感を呼び、韓国では最高視聴率50%を超えるシンドローム級の大ヒットとなった。
このストーリーを語る上で欠かせないのは、ヒョンビン扮するヒョン・ジノンの母親、ナ・ヒョンスクの存在だろう。
この役を演じたのは、韓国の大御所女優ナ・ムニ。
彼女もまた、韓流ブームを語る上で欠かすことのできない、ドラマファンにはお馴染みの女優である。
去る19日、ナ・ムニの母親が逝去されたというニュースが報じられた。
彼女はこれまでに放送を通して、母親への深い愛情を露にしてきた。
2019年10月頃、映画『全く同じである彼女』の制作発表会で「映画の中で着た衣装は母親の服。いつもきれいにしている」と愛情を込めて語ったというエピソードがあるほど。
ナ・ムニは撮影スケジュールが入ってるが、悲しみを抑えながら別れを準備しているという。
80歳(日本年齢)という高齢でありながら、現在も尚、現役女優として数々の作品に出演している彼女。実は、芸能界入りしたのは俳優でななく、”声優”だったそうだ。
1961年にMBCラジオの声優として芸能界入りし、テレビの普及とともに俳優へと転向した。テレビ開局当初は俳優の需要が増えたため、多くの声優が俳優を兼業したり転業したりしたという。
声優時代は洋画の吹き替えをメインに活躍し、米国女優マリリン・モンローの専担声優だったそうだ。
しかし、華やかな声優時代を経て俳優となったのだが、演劇やドラマ、映画など様々なジャンルで活動したにもかかわらず、なかなか注目を集めることができなかった。
長い無名生活の末、本格的な人気俳優に仲間入りしたのは50歳以後のこと。
54歳となった1995年、作家ムン・ヨンナムの『風は吹いても(原題)』で、北朝鮮の方言を使う80代のおばあさんとして出演し、助演にもかかわらず『KBS演技大賞』を受賞。この作品で、1996年『第32回百想芸術大賞』の人気賞、1996年『第23回韓国放送大賞』の女子タレント賞を受賞しブレイクを迎えた。
その後、1997年にMBC『私が生きる理由』を筆頭に、MBC『私の名前はキム・サムスン』、tvN『ディア・マイ・フレンズ(2016)』と、韓国だけでなく日本でも愛される作品に出演。これらの作品で人々の記憶に残る名演を披露したナ・ムニは、大衆から「名高い俳優だという事実をはっきりと教えてくれた」と称賛されている。
最近では、ソン・ガン主演のtvN(Netflix)『ナビレラ -それでも蝶は舞う-』で、バレエに夢を見出した70歳の老人の妻役として名演を披露している。
また、人生経験が豊富な”人生の先輩”でもあるナ・ムニは、女優キム・ヨンオクとともに新バラエティー番組『進撃のおばあちゃん』にMCとしても出演するという。デビュー60年目にして初めてMCを務める彼女は、意欲的に新たな分野に挑戦している。
ドラマや映画を通じて数多くの賞を受賞し、半世紀以上に渡って韓国芸能界で活躍を続けてきたナ・ムニ。これからも現役女優として、ファンを魅了する名演を披露していくに違いない。
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