- ここ最近、ヒット作がなく不振と囁かれていた韓ドラ時代劇に、明るい兆しが見えている。
- それは、10年ぶりに時代劇に戻って来た、人気俳優ナムグン・ミンの存在が大きい。
- しかし、実は彼には、時代劇に対する“良くない記憶”があったという。
ここ最近「ヒット作なし」と囁かれていた韓ドラ時代劇。今その復興を牽引する活躍を見せているのが、俳優ナムグン・ミンだ。
10月13日、彼が主演を務めるMBC時代劇『恋人』の放送が再び始まった。
本作は、丙子の乱の世を生きる恋人たちの切ない愛と、たくましく生きる民の姿を描いたヒューマン歴史ドラマで、2部構成のパート制となっている。
ナムグン・ミンは、心に暗い本音を抱えるミステリアスな男、イ・ジャンヒョン役を熱演。幸せだった過去と、寂しさがまとう現在の姿を対比させる繊細な表情演技を披露している。
ヒロインのギルチェを演じる女優アン・ウンジンとのすれ違いロマンスは大きな注目を集め、パート1の最終回である第10話の視聴率は、12.2%まで跳ね上がった。
そして、視聴者待望の続編がスタート。パート2の初回視聴率は9.3%と、同時間帯の全チャンネル及び金土ドラマで1位となった。
瞬間最高視聴率は2桁を突破し11.3%を記録。ドラマ+OTT統合プログラムの話題性でも1位を占め、放送初週と比べると4倍以上も上昇した。
韓ドラ時代劇は、多くの視聴者に愛された、2011年放送の『赤い袖先(MBC)』以降、不振が続いている。
韓国の視聴者は、歴史上の人物が登場する作品の場合、時代背景や設定、ストーリーに対して「歴史歪曲だ」と批判の声を上げることもしばしば。
また以前には、ある作品で、馬の足にワイヤーを縛り強制的に倒して落馬シーンを撮影したところ、その馬が1週間後に亡くなってしまい、動物虐待議論が浮上した。
特に世間の監視の目が厳しくなっている時代劇は、議論に巻き込まれることが多く、制作側が敬遠しがちとも言われている。
さらに、その厳しい視線は、俳優にも向けられる。
時代劇は、独特のセリフまわしや発声が必要とされるため、視聴者は役者陣の滑舌に敏感に反応。台詞が聞き取りにくいと、酷評されてしまうケースもある。
難しいセリフが多いからこそ、演技力が試されてしまうという点で、俳優には精神的な負担が大きく、出演自体を避ける俳優も多いのである。
実はナムグン・ミンも、時代劇に出演するのは“10年ぶり”。『恋人』で成功的な活躍を見せている彼でさえ、時代劇には苦い思い出があったようだ。
10年前、ナムグン・ミンは、MBC『ホジュン~伝説の心医~(2013)』に出演し、主人公ホ・ジュン(キム・ジュヒョク扮)のライバル、ユ・ドジ役を演じた。
その当時の思いを、彼は今年(2023年)7月に出演した、tvNの人気バラエティー番組『ユ・クイズ ON THE BLOCK』で語った。
まず「時代劇に良くない記憶がある」と打ち明けた彼は、「初めて時代劇をやった時、あまりにも新人で、時代劇の言葉遣いや演技がとても不十分だった。約6カ月~1年近く撮影したが、慣れてきたかなというところで終わった」と振り返る。
しかし、自ら実力不足を認めたナムグン・ミンは、「いつかはまた時代劇をやってみる」という思いを長年抱えていたという。
そして「10年ぶりに時代劇をやって、話し方、雰囲気、行動が不慣れに感じた」としながらも、「様々なポイントを私だけのスタイルに合わせていくために努力した」と話す。
彼は『恋人』への出演を通じて、時代劇に対するトラウマを克服することになったのである。
新作時代劇『恋人』は、人気の演技派俳優ナムグン・ミンの主演作として放送前から話題を集めた。
しかし一方で、世間一般的に都会的なイメージが強い彼の時代劇という点で、あまり馴染みがないことや、最近の時代劇は目立ったヒット作がないことから不安の声も聞こえていた。
ところが、放送が始まるやいなや、その声は払拭される。「信じて見る俳優」ナムグン・ミンが、改めてその力を立証したのである。
プレッシャーもあったに違いない、10年ぶりの時代劇出演。しかし「いつか時代劇をやる」と胸に秘めていたナムグン・ミン。
その“いつか”が、10年後の『恋人』だった。
韓ドラ時代劇に戻ってきた彼は、年末に行われる『MBC 演技大賞』の有力な大賞候補に挙がっている。
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