- 現在韓国の芸能界は、チェ・ミンシクやソン・ガンホなどそうそうたる映画俳優のドラマ復帰がラッシュを迎えている状況だ。
- その背景には、韓国映画界が直面している深刻な問題と、韓国ドラマの世界的人気が関係している。
- 本記事では気になる映画界の現状に触れ、お茶の間への帰還で注目を浴びる銀幕スターをご紹介。

映画『THE FIRST SLAM DUNK』(画像出典:韓国映画製作・配給会社 NEW)
今、韓国の映画界は深刻な不振に陥っている。
今年上半期に公開された主要作品は7作あったが、なんと損益分岐点を超えたものは1作もないのだとか。国民的人気スター、ヒョンビン主演の『交渉』ですら172万人という観客動員数に留まった。
その一方で驚異的な支持を得たのが日本のアニメ。
4月1日時点で『THE FIRST SLAM DUNK』は観客動員数約435万人を、『すずめの戸締まり』は約328万人という数字を叩き出し、韓国映画は惨敗。
12日からは『かがみの狐城』がこの勢いを繋いでいくと予想される。どうやら今年上半期の大不況の裏には、日本アニメ人気が関係しているようだ。
しかしそれ以前からも不調で、その大きな理由の1つが映画のチケット代と作品の質。10年前と比較すると価格が約2倍になったことで“観るなら絶対に満足できるもの”と、観客がハイクオリティーのものを求めるように。
しかしそのニーズにまだ応えられていない様子の韓国映画界。ドラマの世界的人気と相まって、銀幕スターが活躍の場をお茶の間に移している。
事実ハ・ジョンウが『ナルコの神』(Netflix/2022)で15年ぶりに、ファン・ジョンミンが『ハッシュ~沈黙注意報~』(JTBC/2020)で8年ぶりに帰還済み、ドラマ界を盛り上げた。

(左から)ファン・ジョンミン、ハン・ジョンウはドラマ界に復帰した(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)
そこで本記事では、ドラマへの出演が注目を浴びている映画俳優5人をご紹介。
演技力の高さが折り紙付きのそうそうたるラインアップに、彼らの新作を観たくなること間違いなし。
チェ・ミンシク
『シュリ』(1999)や『オールド・ボーイ』(2003)、『親切なクムジャさん』(2005)、『バトル・オーシャン 海上決戦』(2014)など数々の作品で驚異的な好成績を残し、韓国芸能界のトップに君臨し続けているベテラン中のベテラン、チェ・ミンシク。

チェ・ミンシク(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)
彼は昨年、なんと25年ぶりにドラマに出演、『カジノ』(Disney+/2022)でカジノ王役を熱演した。
序盤で披露したふてぶてしい演技はチェ・ミンシクファンを一気に魅了、1人の人間の栄枯盛衰を描きながら最終話まで先頭に立って物語を盛り上げ、チェ・ミンシク劇場は盛況裏に幕を閉じた。
そして今年はパート2が2月15日から配信がスタートし、好演を繰り広げる彼に再び熱い視線が注がれている。
ソン・ガンホ
『JSA』(2000)や『グエムル-漢江の怪物-』(2006)、『タクシー運転手 約束は海を越えて』(2018)など多くの作品を確かな演技力でヒットに導き、『パラサイト 半地下の家族』(2019)ではグローバルスターの名をほしいままにしたソン・ガンホ。

ソン・ガンホ(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)
彼は映画にしか出演しなかった俳優だ。しかし今年は、役者人生32年で初めてお茶の間に登場する。
記念すべきドラマ初出演作品は「サムシクおじさん」。1960年代序盤、激動の時代を生きてきたサムシクおじさんとキム・サンという2人の男の、欲望とブロマンスを描いた物語だ。
もちろん主役を演じるのはソン・ガンホで、圧倒的なカリスマを披露してくれるのではないかと世界中から注目視されている。
カン・ドンウォン
カン・ドンウォンは、新作ドラマ『北極星』(仮題)の出演を前向きに検討中。出演が確定すれば『マジック』(SBS/2004)以来、約19年ぶりのお茶の間復帰となる。
チョン・ジヒョンもオファーを受けており、2人の共演と彼の帰還に熱い視線が注がれている状況だ。

カン・ドンウォン(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)
2003年に『威風堂々な彼女』(MBC/2003)でデビューして、続けて『1%の奇跡』(MBC/2003)で脚光を浴びるとすぐにスクリーンに活躍の場を移したカン・ドンウォン。
果たして『北極星』は彼のドラマ3作目となるのだろうか。今後の行方が注視されている。
チョン・ウソン
チョン・ウソンは、日本の大ヒットドラマ『愛してると言ってくれ』(TBS/1995)の韓国リメイク版でお茶の間に戻ってくる。
彼が担当するのは豊川悦司が熱演し感動を呼んだ聴覚に障がいのある画家役だ。

チョン・ウソン(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)
約3年前に『熱血弁護士 パク・テヨン~飛べ、小川の竜~』(邦題/SBS/2020)にも*出演しているため久々だというイメージを抱かないかもしれないが、長年主に映画界で活動を繰り広げてきた。
*サムス役のベ・ソンウが、飲酒運転で降板。チョン・ウソンは代打で出演
中でも日本では『頭の中の消しゴム』(2004)が大ヒット、いまだ本作での彼の活躍を覚えている人は多いだろう。
ヒロイン、ソン・イェジンとの切ないロマンスで観客を感動の渦に巻き込んだチョン・ウソン。新作ドラマがラブストーリーだけに、どのような演技を披露してくれるのか期待される。
チョ・ジヌン
『バトル・オーシャン 海上決戦』、『暗殺』(2014)、『お嬢さん』(2016)、『最後まで行く』(2014)、『毒戦 BELIEVER』シリーズなど、様々な役柄で圧倒的な演技披露してきたチョ・ジヌン。

チョ・ジヌン(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)
今年は、JTBC『良くも、悪くも、だって母親』でドラマファンを楽しませる予定だ。
2016年に大ヒットした『シグナル』(tvN/2016)に続き、『アントラージュ ~スターの華麗なる人生~』(tvN/2016)から、一時ドラマに出演していなかったチョ・ジヌン。
約7年ぶりとなる『良くも、悪くも、だって母親』は特別出演のため、登場シーンは短い可能性が。
しかしどんなキャラクターも見事に描き出してきた彼なら、少ない出演量で視聴者に深い印象を残し、物語をより一層盛り上げてくれることが期待される。
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