- 韓国ドラマ『アイランド』で、ミホの執事である“チャン執事”を演じる俳優オ・グァンロク。
- 今回『アイランド』での好演により、次期作『サムシングおじさん』での活躍も期待を集めている。
- 彼の精力的な演技活動の裏には「あれ?復帰したの?」「あの騒動はどうなったの?」と、不思議がられる声も。

キム・ナムギル、チャウヌ主演の2023年人気韓国ドラマ『アイランド』(画像出典:TVING)
キム・ナムギル、チャ・ウヌ主演の韓国ドラマ『アイランド』には、ユニークなキャラクターが多い。
中でも目を引く人が、ミホ(イ・ダヒ扮)の執事である“チャン執事”。

チャン執事役の俳優オ・グァンロク(画像出典:TVING)
チャン執事は本作で、過去の悲劇を知る、ストーリーの鍵を持つ人物として描かれている。
このキャラクターを演じているのは、韓国の中堅俳優で、個性豊かな演技で好評のオ・グァンロク(60)。
ドラマより映画界で活躍
韓国が誇る映画監督、パク・チャヌクの『復讐3部作』すべてに出演するほど、ドラマより映画界での活躍が評価される役者である。
*復讐3部作:『復讐者に憐れみを(2002)』、『オールド・ボーイ(2004)』、『親切なクムジャさん(2005)』

韓国映画の全盛期をけん引した中堅俳優オ・グァンロク(画像出典:IHQ)
韓国国内では、今回『アイランド』での好演により、次期作(ドラマ)『サムシングおじさん』での活躍も期待を集めている。
しかし、彼の精力的な演技活動の裏には「あれ?復帰したの?」「あの騒動はどうなったの?」と、不思議がられる声も聞こえている。
Me too暴露に襲われた過去
なぜなら彼は、2018年に韓国芸能界を襲った“Me too騒動”に、加害者としてその名が挙がっていたため。
Me too(ミートゥー)とは、SNSでセクハラなどの性犯罪被害の被害を告白し、加害者を告発する書き込みに用いられるハッシュタグの事。2018年前後に、全世界で巻き起こった。
当時オンラインでは「オ・グァンロクがセクハラを暴露された」といったデマが広まり、一時騒然となったのだとか。

俳優オ・ダルス(写真提供:©TOPSTAR NEWS)
実は、別の韓国俳優、オ・ダルスがMe tooに巻き込まれたのだが、それが名前と雰囲気が似ているオ・グァンロクに飛び火して起きたハプニングだったのだ。
韓国のポータルサイトでは、オ・グァンロクの名前で検索すると、サジェストキーワードで“Me too”が一番目に登場するほどだったという。
オ・グァンロク本人は、悔しい思いを募らせる出来事だったが、過去の薬物事件(大麻吸引)が足かせになったのか、積極的な釈明をしなかったようだ。
2009年の大麻吸引事件
2009年7月、検察の麻薬検査で陽性反応が出て、懲役8カ月(執行猶予2年)を言い渡されたオ・グァンロク。
しかし、国立科学捜査研究所の検査では陰性判定を受ける。この結果にオ・グァンロクは、名誉を取り戻すために控訴を勧めるも、当時の裁判所は「犯行動機や状況を考慮した上、判決の妥当である」と棄却。
結局オ・グァンロクは、薬物犯罪者として刑が確定してしまうのだった。
そのような前歴があったせいか、Me too騒動に巻き込まれた時も、ハプニングで終わった時も、彼は“無言”だった。
またオ・グァンロクは2007年、「大物スターになると、他人をひどく無視する傾向がある」と発言したが、それが共演俳優A氏への陰口と捉えられ、ネット上で大きなバッシングを受けた事がある。
当時、オ・グァンロクの事務所関係者は「A氏の事を悪く言ったわけではない。最近、急にスターダムにのし上がった俳優たちへの一喝」と鎮火を試みるも、ネット上の中傷は収まらないまま。
もしかしたら、過去の麻薬事件やネット上のバッシングで痛感した“無力感”が、彼の口を閉ざしたのかもしれない。
そして、未だに大衆の大半は「オ・グァンロクは、Me too食らった俳優」「過去、何度も不祥事を起こした俳優」と認識されているのだ。
平和のある自由が恋しい
麻薬事件から1年後の2010年、舞台に復帰したオ・グァンロクは、韓国メディアとのインタビューでこう語っている。
「(麻薬事件については)甲論乙駁の余地を残したくないので、コメントを控えさせていただきたい。またいつか、もっと時間が経つと、その時は話せるでしょう・・」
無名時代には味わう事のなかった、大衆の厳しい批判。そして、反論する力まで失ってしまう“ありもしないデマ”の数々。
だからなのか、真の平和と自由を手に入れるため、オ・グァンロクは“沈黙”を選んだのかもしれない。
「平和が恋しい・・平和のある自由が恋しい(オ・グァンロク)」
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