俳優のナムグン・ミンが、SBSの新作ドラマ『1000ウォン弁護士』に出演するとして、注目を集めている。今でこそ、”信じて見る俳優”となった彼だが、これまでの道のりは長かったようだ。そんな俳優人生を振り返る。
俳優のナムグン・ミンが、SBSドラマ『1000ウォン弁護士』で帰ってくる。
9月23日に初回放送を控え、ドラマファンの期待は早くも高まっている状況だ。
それもそのはず、ナムグン・ミンは”信じて見る俳優”と呼ばれる役者の1人。高い演技力はもちろん、出演作は必ずと言ってもよいほど作品のクオリティーが高く、ヒット作を生み出してきた。”ナムグン・ミンが出ているドラマは面白い”という評価を得ている。
しかしこの地位を獲得するまでの道のりは長く、苦労があったようだ。それは役者を志望した時から始まる。
彼の父親は、息子には就職しやすい学科に進学し、大企業への就職か研究員になって欲しいと思っていたのだとか。
ところが当の本人は、大学で学んだ機械工学が自分に合わないと感じ、当時テレビに出ていたMBCの公開採用タレント募集広告を見て、直感で「役者になろう」と思ったという。
一方、母親は「やってみたら?」と呆れたように笑っていたそうだ。許しは得たものの、両手を挙げて賛成というわけではなかった。
そんな中、書類での1次審査を通過、しかし2次審査で演技を披露したところ面接官が半笑いで、その反応通り結果は不合格に。今の活躍からは想像もできない過去だ。
こうして出だしから少々つまずくのだが、彼はこの時、演じながら生きているような感覚を得て、本格的に俳優の道に進む決心をする。
そして2001年に公開された俳優イ・ビョンホン主演の映画『バンジージャンプする』で、端役から役者人生がスタートしたのだった。
その頃の彼は、現在のワイルドな姿に反し、メガネをかけ、知的で柔らかな印象を持つ役者としてデビュー。
当時人気の高かった俳優ペ・ヨンジュンに容姿が似ていたことから、”リトル ペ・ヨンジュン”と呼ばれるように。
彼の所属事務所が意識してイメージコンセプトを作り上げたのだろうか、無名の役者が芸能界に足を踏み入れるのにはキャッチーな要素となった。
事実その後、ナムグン・ミンが各作品で良い結果を残す度に、多くのメディアが”リトル ペ・ヨンジュン”というタイトルで彼を紹介している。
以降、2006年にはMBC『ある素敵な日』や、映画『卑劣な街』で主演を務める俳優にまで成長。その後、国防の義務を果たし、お茶の間にカムバックしてからは、2011年のMBC『私の心が聞こえる?』で視聴者の人気を得て知名度をアップする。
ところが、”リトル ペ・ヨンジュン”という優しく純粋なイメージからなかなか抜け出せなかったのもあってか少々伸び悩んでいたようで、スターと呼ばれる位置にまではなかなか到達できないでいた。
本人も、「(リトル ペ・ヨンジュンと呼ばれるのは)うれしい一方で、「このイメージーー”爽やかなメガネ男子”を抜け出さないと演技者として飛躍できない」と考えていたそうだ。
そんな彼に訪れたのが、2015年のSBSドラマ『匂いを見る少女』。明るい笑顔を持った恐ろしい連続殺人犯を完璧に演じきったのだ。トレードマークだったメガネを果敢に外し、役者としての突破口を見つけ出す。
以降、『リメンバー~記憶の彼方へ~(SBS/2015)』、『野獣の美女コンシム(SBS/2016)』で次第に存在感を高め、2017年に『キム課長とソ理事~Bravo! Your life~(KBS2)』を大ヒットさせると、一躍トップスターへの仲間入りを果たすことに。
その年だけでも、なんとドラマ4作と映画1作に携わり、年末の『2017 SBS演技大賞』では『操作~隠された真実(SBS/2017)』を通して、月火ドラマ部門男性最優秀演技賞を。
『2017 KBS演技大賞』では、『キム課長とソ理事~Bravo! Your life~』で、男性最優秀賞を手にし、”最優秀”を同時受賞するという前代未聞の快挙を成し遂げた。
そして、『ドクター・プリズナー(KBS/2019)』、『ストーブリーグ(SBS/2019)』で、さらなる大ブレイクを果たし、韓国を代表する俳優として確固たる地位と人気を得ることに。
こうして長い時間をかけて”信じて見る俳優”というタイトルを得たナムグン・ミン。
新作ドラマ『1000ウォン弁護士』に、既に世間の熱い視線が注がれているのにも頷けるのではないだろうか。
しかも本作で彼は、デビュー後初めて弁護士役に挑戦する。
『匂いを見る少女』で新たな役柄に挑戦し、俳優としての突破口を見つけた過去があるだけに、また新たな一面を披露してくれるのではないかと期待してしまう。
(構成:西谷瀬里)
ご意見を自由にコメントしてください!
記事に関するご意見や情報提供はこちらのフォームをご利用ください。