- 2024年上半期最高のドラマは、『涙の女王』(tvN/2024)と『ソンジェ背負って走れ』(tvN/2024)だ。
- 『涙の女王』は高視聴率を獲得し世界的ブームを巻き起こし、『ソンジェ背負って走れ』は圧倒的な話題性で世界中の韓ドラファンを夢中にさせた。
- 魅力がたっぷり詰まった両作を比較して、それぞれの特徴を紹介する。
今年上半期最高のドラマといえば、『涙の女王』(tvN/2024)と『ソンジェ背負って走れ』(tvN/2024)。
前者は離婚寸前の夫婦に再び愛が芽生える過程を描き、名作『愛の不時着』(tvN/2019)を超える視聴率を獲得、Netflix(ネットフリックス)のグローバルTOP10で1位を記録するなど、世界的ブームを巻き起こした。
一方、推しとファンの恋がテーマのタイムスリップロマンス物語で韓ドラファンをうならせた後者は、視聴率こそさほど高くなかったものの、圧倒的な話題性を得て世界中で熱い視線を浴び、作品終了後も人気を持続している。
両作がここまでヒットしたのには、きっと理由があるはず。そこで本記事では、それぞれの特徴を出演者や物語の設定、話題となったシーンから比較してみた。
出演者
まずは、ドラマを観るうえで最も注目されることの多い出演者をみてみる。両作ともに豪華俳優陣が名を連ねていることにかわりはないがタイプが異なるのが特徴だ。
『涙の女王』は、韓ドラヒット歴のあるキム・スヒョンとキム・ジウォンがW主演を務め、パク・ソンフンやクァク・ドンヨン、キム・ガプス、イ・ミスク、ナ・ヨンヒなど錚錚たる顔ぶれが一同に勢揃い。
安定感ある演技を披露することで知られていることから前評判がよく、放送スタート後は期待以上の熱演で物語を盛り上げた。
対して『ソンジェ背負って走れ』は、フレッシュな面々が大活躍して成功した作品。主人公のソンジェ役に扮したピョン・ウソクは、本作をきかっけに人気と知名度をアップし、一躍ライジングスターとして脚光を浴びることに。
また相手役のソルを演じたキム・へユンは、以前から高い演技力を持つことで知られているが、劇を先頭に立ってけん引し女優としての地位を強固なものにしたという評価。脇役を務めた役者陣にも若手の名前が目立っている。
物語の設定
次に比較したのは、物語の設定。いずれも韓国ドラマであることから、随所に韓ドラならではの鉄板要素が盛り込まれているものの、実は少々異なる部分が。
まず『涙の女王』は、財閥や余命宣告、血族争い、復しゅうなど定番要素のオンパレード。未婚男女の恋愛を描いた作品ではなく、離婚寸前の夫婦が再び愛し合うという点において新しいと一部メディアに評価されているが、それ以外はザ・王道をいく設定を思う存分満喫できるドラマだ。
使い古されたパターンだが、主演2人をはじめ各役者陣の好演により洗練された作品に仕上がっている。
一方『ソンジェ背負って走れ』は、韓ドラの鉄板で醍醐味とされる胸キュン展開は残しつつも、“推しとの恋”やタイムスリップするというファンタジー要素で斬新さをプラス。10代から30代までの恋模様を盛り込んだ点においても、ロマンスものとしては比較的センセーショナルな仕上がりだ。
「どうせ青春ものでしょ」という予想を大きく裏切る面白さがあり、タイムループものだからこその謎解き要素は、2週目も新たな発見があり楽しめると言われている。
話題を呼んだ涙の演技
最後は、両作の見どころの1つとして話題となった涙のシーンを比較。涙腺が崩壊するのではないかと思うほど泣き、視聴者を魅了したのはキム・スヒョンとキム・へユンだった。
キム・スヒョンが涙を流したのは合計40回にもなるという。なかでも妻が手術室に行くのを見送って泣き崩れるシーンや、記憶を失うかもしれないことに絶望する妻を前に共に涙するシーンは印象的。
そうかと思えば、『サム、マイウェイ~恋の一発逆転!~』(KBS/2017)で披露したキム・ジウォンのセリフをオマージュ。泥酔して涙を流しながら愛嬌たっぷりに笑いを誘うなど、多彩な涙で物語を盛り上げた。
キム・へユンもほぼ毎話泣き顔をみせており、放送開始早々、事故で歩行困難となったソルの挫折や痛み、先の見えない苦しみを表現して視聴者を一気にドラマに引き込んだ。
また、ソンジェの死に関する事実を知ったシーンは名場面の1つ。その他、各シーンでも複雑な感情を涙で見事に表現して立体的なキャラクターを作り上げ、多くの共感を呼んだと言われている。
同じtvN作品だが、それぞれの魅力を放ち愛された『涙の女王』と『ソンジェ背負って走れ』。
前者は韓ドラの王道をいくストーリー好きで大人のロマンチックラブストーリーを楽しみたい人に、後者はファンタジーものに抵抗がなくキラキラとしたロマンスを満喫したい人におすすめだ。
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