6月9日に華々しくカムバックを果たしたTWICE(トゥワイス)。しかし、カムバックする度に歌唱力議論に発展してしまう彼女たち。それを引き起こすのは、インターネット上にある”MR消去映像”なるものが原因のようだ。
今月9日に、10枚目のアルバム『Taste of Love』のタイトル曲『Alcohol-Free』でカムバックを果たした、人気ガールズグループのTWICE(トゥワイス)。南米の海辺を思わせるロマンチックなサマーソングを引っさげ、韓国の音楽番組ではかわいらしいパフォーマンスを披露している。
カムバックすると、テレビ局の音楽番組に出演し、多くのステージをこなしているTWICEだが、カムバックを待ち望んでいたファンを楽しませる一方で、ステージがTWICEメンバーを苦しめる一因ともなっているようだ。その理由は、インターネットを中心に拡散される”MR消去動画”という存在があるから。
“MR消去”とは、歌の映像や音声ファイルから、既に録音された歌やコーラス、伴奏部分(MR:Music Recorded)を取り除き、ボーカルを強調させる技法である。
この技術自体はかなり前からあったものだが、数年前にあるネットユーザーが、この技法を用いて、ライブでの実力が劣る歌手をあぶり出すことに成功(?)する。それ以来、Youtube(ユーチューブ)を中心に、”MR消去動画”が急速に広まっていく。
しかし、完璧なMR消去というものは存在せず、この技法自体も使用する人によって大きく変わることもあるようだ。というのも、この作業をする過程で悪意的に編集することがあり得るため「盲信してはならない」と、音楽技術専門家たちは口を揃える。
また、華麗なパフォーマンスを優先するため、本来の歌唱力を発揮せず、MRに頼って歌を疎かにするアイドルも少なくない。激しいパフォーマンスをこなすアイドルの中では、口パクが容認されるケースだってある。
にもかかわらず、韓国のネット上では盛り上がりを見せている”MR消去映像”。実際に、この言葉をネット検索してみると『TWICEのMR消去』と名付けられた複数の動画がヒットする。それほどTWICEメンバーは、酷評の対象になっており、もはや”歌唱力のないアイドル”というレッテルが貼られているのだ。
K-POPを代表するトップアイドルはなぜ、ここまで酷評に泣かされているのだろうか。
2020年『MORE & MORE』でカムバックした際、音楽番組に出演した彼女たちだが、アンコールステージを披露した時の歌唱力が、ネットユーザーの間で問題視されたことに起因すると見られる。
しかし、番組のエンディングとともに、慌ただしく始まったリクエストステージで、本来の歌唱力を出すことは到底難しい・・さらに、メンバーたちがイヤモニに触れている姿も見られることから、せわしないステージ上で音を正確にキャッチできていなかった可能性が大いにある。
このような理由がありながらも、YoutubeやSNSでは「これがプロか?」と、叱責や嘲笑に満ちたコメントが溢れるように・・。
もう1つ、”歌唱力議論”にという火に油が注がれる原因は、彼女たちが披露するパフォーマンスの中にも隠されている。
まずは、激しいダンスパフォーマンス。
9人が調和をなす振付は、少し踊るだけでも、すぐ息が上がってしまうほど激しいダンスばかり。CDのような、終始安定した音程を維持することは至難の業なのだ。
次に、JYPの総合プロデューサーであるパク・ジニョン(J.Y. Park)の「空気半分、声半分」という、特有の歌唱法にも原因がある。
この歌唱法は、パク・ジニョンが『Nizi Project』の韓国合宿当時、NiziUのAYAKA(アヤカ)に対して指導しているので、知っている人も多いだろう。「空気を胸にためながら歌うから、歌声が不安定になります。空気が全部下腹部にいくようにするべきです」と、下腹部に力を入れて、声を空気と一緒に出すことで、歌声が豊かになるというアドバイスを送っている。
つまり、軽やかに歌っているように見えて、実は上手く歌うための技術が必要なのが、JYPの楽曲という訳だ。
それでも、インターネット上では重箱の隅をつつくような指摘が相次ぎ、まるで”魔女狩り”のようにさらされているTWICE。
ファンにとっては待ち遠しく、楽しみにしているカムバックだが、その度に、一部の心無いネットユーザーにより、”悪夢”のようなアンコールステージが繰り返されている。TWICEメンバーにとっても、不本意な話題で溢れてしまう現状が不憫でならない。
TWICE
TWICE (トゥワイス / ハングル 트와이스)は、2015年に韓国の音楽専門チャンネルMnetで放送されたサバイバルオーディション番組「SIXTEEN」を通して選ばれた9人のメンバーによって結成された。
グループ名の「TWICE(トゥワイス)」には、「良い音楽で一度、素敵なパフォーマンスでもう一度感動をプレゼントする」という意味が込められている。
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