東京2020オリンピックで韓国に初の金メダルをもたらせた、男子アーチェリーのキム・ジェドク選手。最年少メダリストという歴史的な快挙を遂げた彼の活躍を受け、人々の心の中には音楽界に誕生したK-POPの帝王が召喚されている。メダリストの活躍で韓国ファンが感慨にふけた理由とは。
7月23日より開幕した『東京2020オリンピック競技大会』(以下、東京2020オリンピック)。後半戦がスタートした現在も、各国の選手たちが熱い戦いを繰り広げている。
世界中が金メダルの行方と選手たちの活躍を見守る中、韓国では、圧倒的な強さを誇る男子アーチェリーで2冠を達成した若きエース、キム・ジェドク選手に注目が集まっている。
キム・ジェドク選手のことはアーチェリーの試合をご覧になった方なら印象に残っているであろう。彼は競技中に「ファイティン!」と”雄叫び”をあげ、自分自身に気合を入れていた選手だ。
凄まじい気合と完璧な試合運びを見せたキム・ジェドク選手。彼は2004年4月生まれの17歳(日本年齢)で、韓国の慶北一高等学校に通う学生だ。
高校生という若い年齢にして韓国の代表入りを果たし、今回の東京2020オリンピックでは混合団体戦、男子団体戦ともに金メダルを獲得し2冠に輝いている。
彼が韓国で話題を集めた理由は、韓国男子アーチェリーにおいて最年少のオリンピックメダリストであることと、彼が生まれた年に韓国の音楽界に歴史的な快挙がもたらされたという点だ。
キム・ジェドク選手が生まれた2004年、韓国では1つのボーイズグループが誕生した。彼らが音楽界に新しい風を吹かせ、K-POP全盛期をリードすることになる。
そのグループの名前は、”東方神起(TVXQ)”。2004年1月14日にシングル『HUG』でCDデビューを果たした東方神起は、この年の音楽界を代表する顔となった。
東方神起がデビューした頃、1990年代後半から続いていた”第1次アイドル”ブームが下火となり、それに代わってソロシンガーたちが全盛期を迎えていた。完全なるアウェイムードが漂っていたため、彼らの活躍もそれほど期待はされていなかった。
しかし、東方神起のデビュー曲は音楽番組で話題となり、この年の4月、つまりキム・ジェドク選手が誕生した頃はトップの座を射止め続けていた。さらに、同年の年末に開催された音楽祭でも数々の賞を受賞するという快挙を遂げている。
当時、韓国音楽界で人気を示すものと言えば、CD販売数と音楽番組という2つしかなかった。現在のように複数のデジタル音源も無ければ、ほかのランキングも存在しない時代。
さらに、その頃は新人歌手やネームバリューの無い人が音楽番組に出演することも難しく、ましてやランキングのトップを飾ることも難しいとされていた。
そのような中、東方神起はこれまでのアイドル概念を覆すかのような活躍を見せ、人々を魅了していく。
彼らの登場によりボーイズグループが再び注目を集め始めると共に、K-POP全盛期が幕を開けた。現在、世界中で巻き起こっている空前のK-POPブームは、東方神起がスタートを飾ったと言っても過言ではないだろう。
K-POPの金字塔とも言える東方神起がデビューし、音楽界に歴史的な1ページを刻んだ年に誕生した、キム・ジェドク選手。彼は東京2020オリンピックで韓国代表チーム初の金メダルを獲得し、さらに2冠を達成した。両者の活躍する世界が違うとはいえ、まるでスターのバトンを受け渡したかのように見える。
彼の素晴らしい活躍とともに当時に想いを馳せる音楽ファンも多く、K-POPファンにとっては”あの時に誕生した子が世界で活躍を見せ、さらに金メダルを獲得するとは‥”という快挙に感無量となっているようだ。
東方神起『Hug』MV(動画出典:YouTube SMTOWN)
東方神起
東方神起(TVXQ)は、チャンミン、ユンホによる韓国出身の男性デュオ。
レコード会社兼芸能事務所のSMエンターテインメントに所属し、韓国や日本を中心に活動している。
2010年までは5人組ボーカルグループで活動していたが、2009年7月メンバーのうちジェジュン、ユチョン、ジュンスの3人が所属事務所に対する専属契約効力停止の訴訟を起こし、5人での活動が無期限休止され、翌2011年1月のカムバック以降はユンホ、チャンミン2人で活動している。
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