- ENHYPENのニキとaespaのカリナが謝罪を行った。
- ニキは韓国の祝日である三一節に対する軽視な表現を、カリナは自身の交際に対して謝罪。
- 2人の謝罪から「世間の話題に上がる事=グループへ迷惑」という実情が垣間見える。
先日、2人のアイドルが謝罪文を掲載した。
1人は、日本の岡山県出身で2020年に韓国で正式デビューを果たしたアイドル。もう1人は、韓国ガールズグループの次世代クイーンと称されるアイドル。
2人のアイドルとは、ENHYPEN(エンハイプン)所属の日本人アイドルニキ(本名 西村力)と、aespa(エスパ)のリーダーカリナである。
謝罪をしたにはそれなりの理由があるはず。これから2人が謝罪した理由を紹介したいと思う。
謝罪の理由と背景について、ぜひ考察していただきたい。
ニキ「韓国の祝日に対して軽率だった」
まず、ニキ。
発端は2月29日、ファンコミュニティに「明日(3月1日/金曜日)だけ耐えれば、明後日からは週末ですねー」というファンへの励ましの投稿だった。
実は、3月1日は「三一節」。日本統治時代の1919年3月1日に起きた抗日運動を記念するために作られた祝日である。後にそれに気づいたニキが「明日祝日ですか?羨ましい」とコメントすると、これが議論を呼んだのである。
一部の韓国メディアやネットユーザーは、「韓国デビュー4年目で祝日を知らないなんてがっかりした」「韓国に対する尊重が足りない」と批判。さらに「羨ましい」という表現に対してもなぜか批判が殺到。
一方「海外で長い期間生活しても、祝日まで全部覚える事は難しい」「アイドルという仕事をする以上、一般人のような休み感覚を持つのは難しい」と擁護する声もあったが、批判世論が圧倒的に多い。
結局ニキ側は3月1日に「重要な祝日である三一節について軽率な表現をした事をお詫びする」と謝罪文を掲載したのだ。
韓国で芸能活動する上で、議論につながりかねない一般知識を備える事はとても大事である。
が、韓国デビューから3年3カ月経った18歳の日本人アイドルが、年間15日に及ぶ祝日をすべて暗記する事は簡単ではないかもしれない。
カリナ「交際して申し訳ない」
2月27日、韓国だけでなく海外でもビッグカップルの誕生が報道され、世間をざわつかせた。
人気ガールズグループaespaのメンバーと、次世代韓流スターと評される俳優イ・ジェウクが交際を認めたのである。
トップアイドルが交際をあっさり認めた事に対して「アイドル界の新しい風」「象徴的な出来事」と驚きの声が上がった一方で、一部ファンがSMエンターテインメントの社屋の前でLEDトラックデモを敢行するなど、抗議の構えを見せる展開に。
ファンからの抗議文を見てみると「ファンの愛だけでは足りないの?」「なぜファンを裏切る道を選んだ?」「謝罪しないとアルバム売上の激減と、がらんとするコンサート会場が経験する」と、抗議と警告で溢れていた。
結局カリナ側は「驚かせた事をお詫びする。どれだけがっかりしたか、心を焦がしているかよく知っている」と謝罪文を掲載した。
もちろん、芸能人の交際が批判される風潮は今に始まった事ではない。とはいえ、若い男女の交際が謝罪に及ぶ事案なのか、違和感を覚える人も多いだろう。
」自ら罪人になるしかないK-POPアイドル
2人の謝罪から見えたものは、アイドルたちが置かれている惨めな境遇である。
謝罪に至った背景に巡っては、様々な意見がある。
もちろん、その真意は本人と所属事務所のみぞ知るものだが、「世間の話題に上がる事=グループへ迷惑」という実情が垣間見える。
ニキの場合、日本人であるため、なおさら批判の的になりやすい側面を持つ。
ENHYPENの一部ファンは世間の風評被害を恐れるため、発言の是非を判断するよりは“迷惑者”認定を急いでしまう。
ファンは、自分が応援する前途有望なアイドルグループに、不本意なレッテルを貼られたくないという感情だけが先走り、理解と共感能力を失ってしまうのである。
カリナも同じ。aespaのファンは女性の比率が高いとされ、交際を認める事による被害は大きくないと見方もあったはず(だから素早く認めたのかもしれない)。
しかし、逆風は予想より大きく、第2四半期にカムバックを予告しているのにもかかわらず、ネットの話題は“カリナの熱愛”に埋め尽くされている。
一部ファンにとっては、し烈な第4世代ガールズグループの争いの雌雄を決すタイミングで、aespaの活躍より、カリナのプライベートが注目される事は宜しくない、まさに“迷惑”として受け入れてしまう。
残念ながら、議論の余地が十分あるにもかかわず、アイドルたちは自分の非を認めざるを得ないのである。世間の話題に上がってしまえば、それは“迷惑行為”になってしまうから。
その“非”が、本当に“非”なのかは重要ではない。最も手っ取り早い火消しは、彼・彼女にとって謝罪しかないのだ。
さらに残念なのは、謝罪をしたら本当に“罪人”になるという事だ。
世論の賛否や議論の余地は関係ない。まずは謝罪をして自ら“罪人”になる道を選んでしまうのである。
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