- SUPER JUNIORのソンミンがトロット歌手として新たな道を歩み始めた。
- 韓国ではトロット市場が急成長し、若い世代やアイドル出身者の参入が相次いでいる。
- 今後もキャリア転向の選択肢として、トロットを目指すアイドルはさらに増えると見られている。

ソンミン 画像出典=ソンミン インスタグラム
SUPER JUNIORメンバーでグループ活動を中断していたソンミンが、SMエンタテインメントとの契約を終了し、新たにトロット歌手としての道を歩み始めたという。
ソンミンは、TV朝鮮の人気番組『ミスタートロット2』に出演(2022年)し、すでにトロット界への布石を打っていたようだが、2023年にはシングル『Lovesick(原題:愛はひりひり)』を発表し、本格的な活動をスタートさせている。
トロットは、韓国の大衆音楽ジャンルで、主に男女の情愛や家族愛を歌う情緒的なスタイルの音楽。日本では「韓国風演歌」「韓国伝統歌謡」とも知られている。
ソンミンの移籍先はトータルセットエンターテインメント。パク・グンやホンジャといった著名なトロット歌手が所属しており、ソンミンもその一員として新たなステージに立つようだ。
一見、完全に異なるフィールドでの新たな挑戦と、首を傾げてしまう。
実はこのような動きーーアイドルのトロット歌手への転向は、今に始まった事ではない。近年、アイドル出身者が次々とトロットへ転向する事例が相次いでいる。
EXIDのカン・ヘヨンは、年間10億ウォン(約1億円)を超える収益を上げており、NATURE出身のソヒも「ミスタートロット2」でTOP6に進出し注目を集めた。ロメオのファン・ユンソンやカン・イェスルといった名前も、今やトロットの舞台で光を放っている。
その背後には無視できない「市場の変化」があるとされている。
実際、韓国におけるトロット市場は、ここ数年で急成長を遂げてきた。
アーティストのブランド評判を分析するビッグデータの指標では、2025年初頭からわずか数ヶ月で10~17%以上の伸びを示しており、トロットに対する関心の高さが数字として表れている。韓国における大衆音楽の主流のひとつとして位置づけられつつあるようだ。
この急成長を支えているのが、イム・ヨンウンやパク・ジヒョン、イ・チャンウォンといった人気アーティストたちである。
彼らは高いブランド評判指数を維持し続けており、メディア露出やファン層の拡大を通じて市場の牽引役を果たしている。収益面においても、ロイヤリティやイベント出演料、広告収入などが増加し、人気K-POPアイドルと肩を並べるように存在になっている。
さらに注目すべきは、トロットがもはや“中高年のための音楽”ではなくなってきている点である。
かつては特定の年齢層に限定されたジャンルと見なされていたが、現在では若年層までをも巻き込み、世代横断的な支持を得るに至っている。
またYouTubeやSNSといったオンラインメディアを活用し、トロットはグローバルなファンとの接点も拡大中である。ポップやEDM、ロックといった他ジャンルとの融合を図りながら、新しい音楽の可能性が模索されているようだ。
トロットという音楽ジャンルが、人気・経済性・グローバル性の全てを備え、韓国音楽市場において極めて魅力的な選択肢となっていることを示している。この流れの中で、今後もアイドル出身者のトロット界への転向はさらに増えていくと見られている。
ソンミン『Lovesick』
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