北京冬季オリンピックでの摩擦もあり、さらに反中感情が高まってしまった韓国。殺伐とした空気が流れる中、韓国のインターネット上では中国人メンバーらの過去の言動が蒸し返されている。そこから見えたのは、K-POP界で活躍する外国人メンバーへの配慮に欠けた言葉だった。
韓国で高まっている、反中感情。
最近、中国がキムチや韓服、高句麗など、韓国の文化や歴史を奪うような印象を与える言動を繰り返したことや、北京冬季オリンピック開会式での演出などもあり、韓国国民の反発が広まっている。
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このような不穏な空気が流れる中、韓国のインターネット上ではK-POPアイドルの中国人メンバーの過去の言動が蒸し返されていた。
韓国のあるオンラインコミュニティーに、「中国の風習でお辞儀をする中国人メンバーたち」という書き込みが掲載された。
ここに登場したのは、ガールズグループEVERGLOW(エバーグロー)のメンバーイロンと、SEVENTEEN(セブンティーン)のメンバー、ジュンとTHE 8。
EVERGLOWのイロンは、先日行われたファンミーティングで、ほかのメンバーが韓国式のお辞儀(クンジョル)をしている間、片手でもう一方の手を包む中国式の挨拶をしていた様子が掲載されている。
*クンジョツ(큰절):큰(クン/大きい)+절(ジョル/お辞儀)という言葉。日本人の目から見ると”土下座”のように見えると度々話題となる。
また、SEVENTEENのジュンとTHE 8についても、ほかのメンバーと違って立ったまま挨拶をするシーンが盛り込まれていた。彼らがなぜ立ったままの挨拶になったかというと、中国人は天と地、親にだけ跪くという伝統があるからだ。
この投稿を見た韓国ネットユーザーからは「お金は韓国で稼ぎ、他国の文化を尊重しない」「自尊心を持ちたいのか」「韓国にいたら韓国文化を尊重する姿を見せてほしい」という批判的なコメントが並んでいた。
このような批判を受けたのは、K-POP界で活躍する中国人メンバーだけではない。
これ以前、TWICE(トゥワイス)の日本人メンバー サナもSNSでの発言で多くのバッシングを受けたことがある。
サナの場合、日本の年号が”平成”から”令和”へと変わった際、平成生まれである自身の年号が終わり、新たな年号がスタートすることへの気持ちをSNSに綴ったことから。
当時「日本人にとっては意義深い出来事であり、日本人の彼女が感想を綴るのは当たり前のこと」とサナを擁護する声も聞かれる一方で、「(TWICEの)公式SNSに歴史・外交問題で揉めている日本の行事を祝う行為は軽率だ」といった批判が多くを占めていた。
日本人メンバーも、中国人メンバーも、”韓国”という異国の地で、ファンである韓国国民に寄り添いながら活動を頑張っている。
活動の場は”韓国”であるが、それ以前に、母国である日本や中国の文化を誇らしく思う気持ちはあるはず。
アイドル以前に1人の人間であり、彼女たちが”自国”の文化や風習の尊重するのは当たり前のことではないだろうか。
外国人メンバーらは、活動の場である韓国の文化も尊重するのと同じくらい、自国を愛する気持ちがあるはずだ。それと同じように、大衆も国外からやってきた彼女たちの文化を尊重すべきではないだろうか。
しかし最近、韓国のインターネット上では、それを忘れてしまっているかのような言動が目立つ。外国人メンバーへの配慮の気持ちが欠けているように見え、残念でならない。
人を思いやる気持ちに長け、情に厚いお国柄である”韓国”だからこそ、外国人メンバーも楽しく活動できているはずだ。アイドルとファン、国民が、お互いを尊重し合える関係になれば、さらに素敵な時間を共有することができるのではないだろうか。
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