K-POP界には、かつて”グループ内で日本人は多くても3人を越えない”という暗黙の了解があったそう。だが、最近このようなルールが破られ、日本人メンバーたちが韓国歌謡界で活躍を見せている。果たしてこのような動きを見せている理由とは‥。
K-POPの海外市場を狙った戦略として、アイドルグループの中に外国人メンバーが加わることはすでに1つのトレンドになっている。
だが、韓国人メンバーと海外メンバーとの混成に着手し始めた当初、業界内では”日本人は多くても3人を越えない”という暗黙のルールがあったようだ。
TWICE(トゥワイス)やIZ*ONE(アイズワン)も、それぞれ9人と12人のメンバーの中で日本人が3人。しかし、彼女たちの成功によって日本市場でのK-POP戦略が一層果敢になり、最近では”暗黙のルール”が破られメンバー構成に変化が訪れているという。

TWICEやIZ*ONEの活躍でメンバー構成に変化が?(画像出典:Mcountdown公式FaceBook)
先月、韓国メディア・東亜日報は、「3人の暗黙のルールを破った‥新人K-POPグループ、日本市場攻略が加速」というタイトルの記事を掲載。
公開された記事には、「昨年デビューしたYGエンターテインメントのTREASURE(トレジャー)、今年1月にデビューしたMLDエンターテインメントのT1419(ティーイチヨンイチキュウ)が、それぞれ12人と9人のメンバーの中で4人が日本人だ」とし「特にT1419のYoutube(ユーチューブ)に投稿されているコンテンツの会話や字幕は日本語で構成されており、まるで日本の番組を見ているようだ」と伝えている。

12人組ボーイズグループTREASURE(画像出典:TREASURE公式Twitter)

9人組ボーイズグループT1419(画像出典:T1419公式Twitter)
日本の韓流市場の推移
日本の韓流市場は、2012年にイ・ミョンバク前大統領の竹島訪問と、当時K-POPを牽引した東方神起(TVXQ)やKARAなど、所属事務所との専属契約論争が連日報道されたことで、韓国に対する親近感が下落。ブームに冷や水を浴びせることになった。
政治面での日韓関係の悪化と、中韓関係の改善により、韓流は日本から中国へと活動の場所を移したが、2016年に韓国がTHAADミサイルの配備決定を公表して以降、韓国への報復措置として、韓流コンテンツや韓国企業への圧力である”限韓令”を下し、韓国芸能人の中国進出が行き詰まったことで再び日本に活動の場所を移すことに。
その間、日本のティーンエージャーたちの音楽受容のスタイルがツイッターやYoutube、TikTok(ティックトック)など新たなメディアへと移り変わり、2017年に日本人メンバーが在籍するTWICEの人気が日本での韓流ブーム復活の契機となり、”政治と文化は別モノ”として韓国コンテンツに対する日本人の関心はかつてないほど高まった。
彼女たちの華やかな成功によって、K-POPアイドルを目指す若者も増え、現在では”K-POPの日本版”とも言うべき、JO1(ジェイオーワン)とNiziU(ニジユー)のグループが大ヒットを遂げ、日本企業とのコラボも増えている。

“K-POPの日本版”大ヒットを遂げているNiziU(画像出典:NiziU Twitter)
なぜ”暗黙のルール”が破られたのか
なぜ、”3人”というの暗黙のルールを破り、日本人がK-POP界で活躍するシーンが増えたのか。
前出のT1419を輩出させたMLDの関係者は言う。「多国籍グループ、多国籍のファンが増え、K-POP文化の開放性がいつの時よりも拡大している。日本人練習生が特有の誠実さで短期間でK-POPのスタンダードに到達し、正式メンバーとして一挙にあがってきたためである」と。まさに、これは日本人の誠実さや生真面目さ、完璧を追求する姿勢が韓国でも買われているという証拠だろう。
そして、アメリカに次いで世界第2の音楽市場を持つ日本。韓国では「日本進出に溶け込むことができてこそ、世界の市場で勝ち取ることが出来る」とも言われており、そのためには日本人メンバーたちの存在が必要不可欠であると言える。
NiziU
JYPエンターテインメントとソニーミュージックによる共同グローバル・オーディション『Nizi Project(虹プロ)』から誕生した9人組ガールズグループ。
メンバーは、マコ、リオ、マヤ、リク、アヤカ、マユカ、リマ、ミイヒ、ニナ。
6月30日に、プレデビュー曲『Make you happy』を発表、12月2日に『Step and a step』で正式デビューした。
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