新型コロナウイルスの新規感染者の人数が増え、“第2波襲来の兆候”と懸念の声があがっている日本。だが、韓国では感染の拡大が停滞しており全体的に自粛ムードが弱まりつつあるという。そのためなのか、ピーク時に社会的風潮の一つとして問題視されていた“自粛警察”の数も減少傾向を見せている。

全世界で新型コロナウイルス感染症の累積感染者数が1800万人を越えた中、日本でも連日のように新規感染者の人数が更新され、“第2波襲来の兆候”と懸念する声もあがっている。

だが、韓国国内では今月1日~7日正午までの平均新規感染者数は26.1人という水準で、再び拡散されている兆しは今のところ見られない。

コロナの感染が停滞している韓国では、全体的に自粛をする雰囲気が弱まりつつあり、映画などの大衆文化に視線を向ける市民も徐々に増えている。7月15日には俳優カン・ドンウォン主演の新作映画『半島』が公開され、1席ずつ客席の間をあけて防疫を遵守しながら鑑賞するなど、コロナの事態でフリーズしていた映画産業が息を吹き返している。

映画『半島』公開

映画『半島』公開(写真提供:©スポーツ韓国 画像出典:NEW)

また、SNSなどではマスクをしてない芸能人も徐々に増えているが、その中で一つ気になるのは、コロナのピーク時にパトロールをしていた“自粛警察”たちだ。

“自粛警察”とは、コロナによる自粛期間中に、偏った正義感や嫉妬心、不安感などから私的に取り締まりや攻撃を行う人々のことで、社会的風潮のひとつとして日本で問題になったが、それは韓国でも同じだ。

今年3月に、俳優パク・ソジュンがSNSを通じて「天気は良くても社会的に距離を置くこと」という文と写真を掲載した際、マスクをしていなかったことから「“社会的に距離を置くこと”というメッセージに何の説得力もない」「なぜマスクをしないのか」と威嚇する“マスク警察”が多く出現し、ヒステリックな行動が散見されたが、コロナの感染が落ち着いている現在では、このような“自粛警察”や“マスク警察”の姿は見られなくなった。

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韓国では、コロナの事態でも防疫上の注意を順守しながら、ドラマや映画などの撮影を継続し、飲食店などの閉鎖や移動制限で極端に経済を止めることなく、ウイルスの拡散を防ぐことに努めてきた。これは、早期で陽性患者の確定・隔離措置を行った“K-防疫システム”が効果を示した結果でもあり、これにより韓国国民に“安心感”をもたらし、“自粛警察”たちの根底にあった過度な“不安”を取り除いたのだろう。

だが、韓国国内での感染が停滞しているからと言って、コロナウイルスの危険性が無くなったわけではない。観光や学校など団体での活動は、自粛をしなければならないという社会的な雰囲気はまだ強い。

なぜなら、“新規感染者がゼロの状態”が続き、収束宣言が出されると思った矢先に、大邱(テグ)の宗教団体で大規模な集団感染が起きたり、梨泰院のナイトクラブなどでクラスターが発生するなど、いつでも爆発的な流行が起こり得る可能性があるため、未知の感染症には、まだまだ決して油断は許されない状況であるといえる。