国民的女優として多くの愛を届けた故チェ・ジンシルさんの息子が、テレビ番組を通じてその顔を知らせた。芸能人の息子として生きてきた彼は現在、ミュージシャンとして芸能界にデビューしている。念願のデビューと、亡き母に対する思いとは。

1990年代を代表する国民的女優であった故チェ・ジンシルさん。
彼女は生前、『約束』、『嫉妬』、『星に願いを』など数多くのドラマやCMで活躍し、爽やかな笑顔とともに大きな感動と安らぎを届けていた。しかし、根拠のない悪質なデマが広まってしまい、心理的に大きな苦痛を感じていたチェ・ジンシルさんは、2008年にこの世を後にしてしまう。

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国民的女優として多くの愛を受けた故チェ・ジンシルさん

女優、故チェ・ジンシルさんは国民的女優として多くの愛を受けていた(写真提供:©スポーツ韓国)

国民が深い悲しみに包まれてから12年の時が過ぎた2020年、ライジングスターとしてK-POP界に期待の新星が登場する。

そのスターとは、チェ・ジンシルさんの息子チェ・ファンヒだ。彼は去る13日、MBCバラエティー番組『ミステリー音楽ショー: 覆面歌王』に出演し、視聴者を驚かせた。

『ミステリー音楽ショー: 覆面歌王』とは、芸能界で活躍するあらゆるジャンルのスターたちが、自身の歌声だけで勝負する音楽バラエティー番組だ。
毎回、8人の挑戦者たちが覆面をかぶった謎のキャラクターとして登場し、自慢の歌声を披露。それを判定団と観覧者らがジャッジするのだが、負けた場合は覆面を外して顔を公開、一方、勝者は覆面のままで次の対決に進むため、その正体は最後まで分からない。音楽の実力を楽しむだけでなく、覆面の人物を推理する楽しみや正体を明かした時の驚きなど、あらゆる面白みが詰まった番組だ。

チェ・ファンヒはこの日、”ブラックホール”として出演。第1ラウンドの対決でBewhYの『Day Day』を歌唱し、重厚でカリスマ性のある声とラップが判定団の熱狂を呼んだものの、残念ながら結果は”ブラックホール”の敗北となってしまった。
敗北した”ブラックホール”はラッパー、HAON、VINXENの『バーコード』を歌いながら覆面を取り、その正体がチェ・ファンヒだと明らかになると、会場はどよめきに包まれていた。

チェ・ファンヒが『覆面歌王』に出演した

『ミステリー音楽ショー: 覆面歌王』に出演したチェ・ファンヒ(写真提供:©スポーツ韓国、画像出典:覆面歌王)

現在、Z.flat(ジーフラット)名義でミュージシャンとして活躍しているチェ・ファンヒは、「デビューして12日になった」とし、「アーティストや歌手なら1度は立ちたい舞台だが、すでに自分がこの大舞台に立ったのが不思議だ。ミスをしたらどうしようかと心配したが、大衆の前で評価を受け成長することがアーティストのもう一つの面だと思い勇気を出した」と震える声で感想を述べ、初々しい姿も見せた。

続いてチェ・ファンヒは「母は私がラッパーになるとは想像もしなかっただろう。自分がやりたいことを見つけて幸せにしている姿をお見せしたので、母はきっと褒めてくれて、応援してくれたと思う」と話した。また「母が去ってから長い時間が経ったが、その間は良い友達もできたし、幸せに本当に平凡に育ってきた。いま自分が好きなことを探して、それを職業としていることがありがたい。母には空で、私が幸せに音楽をしている姿を見守って、応援してほしい」と、亡き母チェ・ジンシルさんにビデオレターを残していた。

今後の目標について「”チェ・ジンシルの息子”という肩書をとりたい」と語るチェ・ファンヒ。母親を誇りに思う一方で、親の七光りではなく、自身の実力で音楽界で活躍を遂げたいという想いからのようだ。

女優として国民に多くの幸せを届けていた母、チェ・ジンシルさん。そしてミュージシャンとしての第1歩を踏み出した、息子のチェ・ファンヒ。別々のアプローチであるが、ともに国民を幸せにするという使命を全うする最強の親子が誕生した。







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