ラジオDJであり、韓国大衆文化ジャーナリストであり、何より韓流ファンミーティングMCのパイオニアである古家正亨さん。
最近は歌手・韓国料理研究家の奥様であるミナさんとYouTubeチャンネルを開設。
そんな古家さんをDanmeeコラムコーナーにご登場いただくことになりました!
記念すべき第1回は『ファンミーティング』について。皆さんは、いつから違和感なく『ファンミーティング』というワードを受け入れられましたか?
アンニョン! 古家正亨です。今回、機会あってこちらDanmeeでコラムを書かせていただくことになりました。とはいっても、韓国の芸能ニュースは、現地から最新のニュースがリアルタイムに入ってくる時代ですから、あえて僕がそれについて触れる必要もないでしょうから、僕自身の経験談を介して、韓流について、K-POPについて違った観点から理解を深めていただければと思います。
さて、第1回目ということで、どんなお話をしようか迷いましたが、Danmee編集担当の方から、「ファンミのお話をしてくれませんか?」というお願いがありましたので、今回と次回は、“ファンミーティング”についてのお話をしていこうと思います。
それにしても、今でこそ、この“ファンミーティング”という名称が普通に使われるようになりましたが、2000年代前半、韓流が本格的に日本に上陸し、特に俳優さんたちが日本でイベントを開催する際に、タイトルにこの「ファンミーティング」という言葉が必ずと言っていいほど付けられていた当時は、相当、違和感があったものです。
その違和感というのは、日本語的に(というか和製英語的に) “ミーティング”という言葉から、“ファンの集い”あることを理解するのが難しかったから。ミーティングという言葉から連想されるのは、会議や打ち合わせですよね。そして、韓国の文化を理解している立場から言えば、ファンが集まり、基本(当時はその多くが)無料で開催されていたイベントが日本で“有料の公演・イベント”として開催されるにも関わらず、ファンミーティングと名付けられていた違和感‥どちらの観点からも、個人的にそれを拭えずにいました。
もちろん日本でも、そもそもの趣旨に近い“ファンの集い”という名のイベントは、すでに行われていましたが、2003年、韓国で開催されたペ・ヨンジュンさんの日本ファンを招いてのファンミーティングで、人生初のファンミMCの仕事をさせていただき、韓国のファンミーティングは、よりスターとファンの距離が近く感じられると言えばいいでしょうか、日本ではどうしても超えられないスターとファンとの距離が、密なんですよね。しかも、イベントの内容も、普段見せることのない素に近いその姿を、会場で直接目の当たりにできるコーナーが多く、日本人スターを応援するときには得られない、まさに“家族的カタルシス”を感じることのできるこのファンミーティングは、韓流が市民権を得られると同時に、徐々に日本にも浸透していき、今では日本人スターも当たり前のように“ファンミーティング”と名の付くイベントを開催するようになりました。
ところで韓国ではいったい誰が、最初にこのファンミーティングを開催したのかご存じですか? 以前韓国SBSテレビが放送した芸能番組のリサーチによると、遡ること1972年(!)、70年代を代表するアイドル的存在だった国民的歌手の南珍(남진)さんが、ドラマ『冬のソナタ』のロケ地として知られる江原道の南怡島で、熱狂的なファンを一緒にご飯を食べたのが、韓国のファンミーティングの歴史、その始まりなんだそうです。当時の新聞記事には、ファンミーティングという言葉は見られませんが、今の変わらずファンがスターを前に興奮している様子が克明に記録に残っていて、仕事でファンミに関わる僕としては、とても興味深い資料です。
今でも済州島や南怡島などでキャンプや運動会などのファンミーティングを行うスターたちも少なくないですが、70年代から受け継がれる歴史があったんですね。
古家正亨(ふるやまさゆき)
ラジオDJ /テレビVJ /MC /韓国大衆文化ジャーナリスト
レギュラー:
NHKラジオ第1「古家正亨のPOP★A」(毎週水曜 21:05 – 21:55 生放送)
FM northwave「Colors Of Korea」(毎週土曜 11:00 – 11:30)
CROSS FM「深発見!Korea」(毎週土曜 18:30 – 19:00)
InterFM897「TALKIN’ ON SUNDAY」(毎週日曜 朝7:00 – 8:00)
Twitter:@furuyamasayuki0
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