- “暴露系”Youtuberとして知られるキム・ヨンホさんの訃報が伝えられた。
- 元芸能記者のキムさんは、これまで多くの韓国芸能人の根拠のない疑惑を提起し、度々訴訟を起こされていた。
- かねてより関係がよくなかったYoutuberは、彼の死を嘲弄するような投稿を上げ、物議を醸している。

故キム・ヨンホさん (画像出典:YouTube『芸能部長 キム・ヨンホ』動画キャプチャー)
10月12日、韓国の有名Youtuberであるキム・ヨンホさんが亡くなったと報じられた。
キムさんは、釜山のホテルで倒れているところを発見されたが、警察はキムさんが自ら命を絶ったとみて詳しい経緯を調べている。
故キム・ヨンホさんは、“暴露系”Youtuberとして知られており、芸能人に関するゴシップネタや数多くのイシューを取り上げ、彼らのプライベートを暴露していた。
特に女優ハン・イェスルへの攻撃は有名で、彼女をはじめ、多くの芸能人から名誉毀損などで訴えられてきた。
キムさんの訃報が伝えられると、SNSなどでは彼に言及する様々な投稿が上がり、物議を醸し始めた。
そのうちの一つが、「イ・グン大尉」として知られるYouTuberのイ・グン氏の投稿である。
イ・グン氏は、YouTubeチャンネル『ROKSEAL』のコミュニティー掲示板に「全ての*サイバーレッカーはこのように終わるもの」とし「勝利のために。CHEERS(乾杯、そしてさようなら)」とキムさんを嘲弄するようなコメントを残した。
*サイバーレッカー:有名人の話題にいち早く食いつき、SNSやYouTubeに悪質なデマや噂を投稿して誹謗中傷を煽り、炎上系のネタで再生回数を稼ぐ人たちを指して呼ぶ

イ・グン大尉として知られているYoutuberのイ・グン氏 (画像出典:イ・グン大尉 公式Instagram)
韓国メディアの中央日報(www.joongang.co.kr)によると、2人の悪縁は根深かったという。
2020年、キムさんが自身のYouTubeチャンネルで、イ・グン氏の経歴が虚偽でありセクハラ前科があるという疑惑を提起。イ・グン氏は、キムさんを名誉毀損の疑いで告訴した。
また昨年3月にも、イ・グン氏にまつわる疑惑を掲げて攻撃したたため、彼はキムさんに対する反感を表わにし警告した。
2人の関係を知るネットユーザーたちは、今回のイ・グン氏の投稿に対し「罪は憎んでも人は憎むなとは言う」「心の中では考えても、それを公に上げるのはやり過ぎ」など批判的な反応を示す一方で、「キム氏の死に哀悼の意を表したくない」「自業自得」などイ・グン氏を擁護するコメントも見られる。
キムさんは、YouTubeチャンネル『カロセロ研究所』や『芸能部長 キム・ヨンホ』を運営していた。
これまでに、ユ・ジェソク、BIGBANG(ビッグバン)、イ・ビョンホン、カン・ダニエル、チョン・ジヒョン、チェ・ジウなど被害を受けたスターは数知れない。
そのため、“悪名高きYoutuber”としても知られていた。

2018年には、BTSが分裂すると主張したキム・ヨンホさん (画像出典:Youtube『カロセロ研究所』 動画キャプチャー)
2011年には、歌手兼俳優のRAIN(ピ)が、虚偽報道をされたとキムさんを告訴。1審で3,000万ウォンの賠償判決が下されたが、その後RAINが告訴を取り下げたことで騒動は終わった。
また、かつてはBTS(防弾少年団)をターゲットにし、世界中のARMY(アーミー:BTSファン名称)を敵にまわしたことも。
2018年10月、キムさんは、BTSと所属事務所との再契約について「チーム内分裂が起きるかもしれない」と大胆な予想を展開。「再契約せずに脱退するメンバーがいる」とグループの解散疑惑を提起し、ファンの不安を煽った。
事務所は相手にせず、そのわずか4日後に、BTS全員が再契約に合意したことを発表。キムさんはARMYから「口から出まかせを言わず、しっかり調べてから話せ!」と猛反撃を受けた。
キムさんは、韓国芸能人のファンにとって、根も葉もない噂を広める憎き相手だったのである。
それはスターたちにとっても同じ。実際に彼を相手に訴訟を起こした人もいたことから、彼を敵として見る人も多かった。
しかし、敵にまわしたくないと、あえて積極的に戦わず争いを避けてきた人もいる。
実はキムさんには、“元芸能記者”という肩書があった。つまり、芸能人側からすれば、できれば関わりたくない人だったのである。
彼は、33歳という若さでスポーツ紙の最年少芸能部長になっている。そのことからもわかるように、手強い相手だったのはたしかだ。
しかし黙っていれば、さらに言いたい放題となり、攻撃は強さを増していく。
根拠のない疑惑を数え切れないほど提起し、スキャンダルにつながるような話題や、芸能人にとっては不都合な内容ばかりを暴露し続けた。
韓国芸能界において、まさに彼は「怪物」のような恐ろしい存在だったのである。
そんなキムさんは、自ら「怪物になっていたようだ」と認め、涙を見せながらYoutuberとしての活動中断を宣言したことも。しかし結局1カ月ほどで復帰し、その後も“炎上系”Youtuberとして活動を続けた。
キムさんは、亡くなる前日の10月11日、2019年7月26日未明に釜山海雲台にある飲食店で酒を飲んで女性を強制わいせつした疑いで、有罪宣告を受けている。
同月16日には、芸能人を脅迫して数億ウォンを受け取った恐喝容疑で拘束令状が請求され、拘束前被疑者尋問(令状実質審査)を受ける予定だった。
多くのスターたちを常に警戒させてきたキムさんの訃報は、韓国芸能界に衝撃を与えている。
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