BTS(防弾少年団)のV LIVE放送『走れバンタン』内で、メンバーのジョングクが発した“大韓独立、万歳”という言葉が韓国で物議を醸している。果たしてその理由とは..

BTS(防弾少年団)の自主制作ウェブバラエティー『走れバンタン』のV LIVE放送が、日本語の字幕と関連して物議を醸している。

7月14日、V LIVEチャンネルBTSでは『走れバンタン』第108回が放送された。公開された映像には、格闘ゲーム“ギャングビースト(갱비스트)”などを楽しむBTSのメンバーたちの様子が映し出されている。

日本語字幕で物議となった『走れバンタン』

日本語字幕で物議となった『走れバンタン』(画像出典:V LIVE 『走れバンタン』キャプチャー)

熱心にゲームをしていたメンバーだが、激闘を勝ち抜いた勝者はSUGAだった。続けてメンバーたちはもう一度試合をすることに。その際、ジョングクはバンザイをするキャラクターのモーションを見ながら「大韓独立、万歳!」と叫んでゲームを進めた。

問題は、この時の日本語字幕だった。ジョングクの「大韓独立、万歳!」は、各国の字幕でも翻訳され、英語では「Hurray for the independence of Korea!」、中国語でも「大韩独立、万岁!」と翻訳されたが、日本語では「大韓民国、万歳!」と翻訳されたのだ。

「大韓独立、万歳!」は、日本の植民地から脱し、自主国家としての独立を祈って叫んだ三・一運動(1919年3月1日に日本統治時代の朝鮮で発生した大日本帝国からの独立運動)を意味するもので、「大韓民国、万歳!」に訳すと意味合いが変わってしまうと、韓国のユーザーから苦情が殺到した。

日本語字幕で物議となった『走れバンタン』

日本語字幕で物議となった『走れバンタン』(画像出典:V LIVE 『走れバンタン』キャプチャー)

英語や中国語、インドネシア、スペイン語などの翻訳では全て「大韓独立、万歳!」と翻訳されている中、特に日本語字幕ではこのような誤りは許されないという指摘と、日本語字幕だけをこのように修正した理由を置いて、日本人の使用者を意識した行動だという推測も相次いだ。

論議となった字幕は、BTS側の問題ではない。これは、NAVERのVapp側が提供したものであり、ファンの抗議によって現在は「大韓独立、万歳!」に修正された状態だ。

今回ジョングクが発した「大韓独立、万歳!」。韓国人の中ではよく発せられる言葉でもあり、どのような意味を込めて発したのかはジョングクにしか分からないことだが、ゲームの中に登場するキャラクターが両手を上げて”バンザイ”をしながら動き回っていたことを見ると、政治的な意味合いを含んだ“万歳”ではなく、ゲームで士気を高めるための“万歳”、もしくはゲームをするメンバーを盛り上げるために発したウィットに富んだワードチョイスだったようにも思える。

日本と韓国、それぞれのカルチャーがお互いの国に浸透し、“歴史・政治と文化は別”という声もよく聞かれるが、BTSのように世界的に活躍するK-POPアーティストならば、今回のような議論は日本だけでなく、今後、他国間でも付いて回ることなのかもしれない。



BTS

BTS(防弾少年団)は2013年6月13日にデビューした韓国の7人組男性アーティストグループで、パン・シヒョクのプロデュースにより誕生した。

HYBE(旧Big Hitエンターテインメント)所属。

デビューアルバムは『2 COOL 4 SKOOL』、デビュー曲は『No More Dream』。グループ名の”防弾少年団”には、10代、20代に向けられる抑圧や偏見を止め、自身たちの音楽を守りぬくという意味が込められている。

ハングル表記は”방탄소년단(バンタンソニョンダン)”から”バンタン”と呼ばれることが多い。

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