米TIME誌が選ぶ”今年のエンターテイナー”に初選定されたBTS(防弾少年団)だが、表紙のコスチュームに対して甲論乙駁が巻き起こっている。そのワケとは?
全世界に襲い掛かった新型コロナウイルスも、彼らの勢いを止めることはできなかった。
12月10日(アメリカ現地時間)、米「タイム誌(TIME)」は”今年のエンターテイナー(Entertainer of the Year)”として、世界的人気を誇るアイドルグループBTS(防弾少年団)が選定されたと発表し、カバーグラビアを公開した。
タイム誌は、1923年3月3日に米ニューヨークで創刊され、世界初のニュース雑誌として知られている由緒ある雑誌であり、今回の発表は、世界の人々を驚かせている。
タイム誌は「BTSは、音源チャートで最も大きな人気を獲得したK-POPグループではなく、世界で最も大きなボーイズグループとなった」とし「BTSは今年、数枚のアルバムをリリースして各チャートの記録を更新し、ポップ界の頂点に上り詰めた」と選定理由を明かした。
本誌にはメンバーのインタビューも紹介されている。
SUGAは「僕は、想像も付かない出来事が起きたせいで、ネガティブになる時がある。しかし、”僕たちじゃないと、誰がこれを成し遂げるのか”と自問する」と、くじけそうな時に、自分に言い聞かせる言葉を紹介している。
J-HOPEは「普段、人々にポジティブなエネルギーを与えられるアーティストになりたいと思っていた。そんな思いが、僕たちの正直な気持ちと調和して、今の姿を引き出した」と語っている。
去る9月、米・ビルボード席巻から続いている”アメリカ発”の快挙に、ファンも驚きと喜びが隠せない様子を見せている。ファンコミュニティーサイトには「ウリバンタン(我がBTS)、おめでとう! そしてありがとう!」「涙が止まらない」「コロナで会えないけど、いつも嬉しい報せを届けてくれてありがとう」など、感動に満ちたコメントが並ぶ。
しかし、思わぬところで”不満”を漏らすネットユーザーもいた。カバーを飾ったBTSの衣装の事だ。
タイム誌が公開した表紙用のグラビアには、トーンダウンカラーのスーツに身を包んだBTSのメンバーが。
ファンが怒りを覚えたのは、メンバーのジンとジミンだ。
ジンのスーツは写真でも目視できるほど、左胸部分のしわが目立つ。一方のジミンは、サイズが合っていない、大きな靴を履いているのが分かる。
これを見たBTSのファンは、スタイリストのインスタグラムに、1800を超える(11日17時現在)”不満”の声を寄せた。以下はその一部。
「なぜ、いつも衣装のことでストレスを受けないといけないのでしょうか。前はこんなことなかった。メンバーの長所を生かせないし、ズボンもフィットしていない。ぶっちゃけ自分のスタイリングに満足してますか?」
「能力がなければ、他のスタイリストに任せてよ! 他事務所と比べて能力の無さが歴然です。せめて服の管理だけでもちゃんとしてください! しわくちゃの服、本当に恥ずかしいわ!」
「アイドルのスタイリストで合ってますか? 他のアイドルの衣装を見て感じることはないでしょうか? おっさんのスーツみたいものを着せるなんて‥自分の好みにこだわらず、バンタンに似合う服を探してください」
「ジンが可哀想! 顔とフィジカルがいいから、多少の違和感は目をつぶってきたけど、これは何? 酷くない? 給料もらうことに罪悪感はないの?」
と、スタイリストの仕事に納得のいくコメントは見当たらなかった。
多忙なBTSが、今回のタイム誌のグラビア撮影時にどんなスケジュールだったのか、ファンは知る由もない。
しかし彼らが分刻みのスケジュールなのは、今に始まったことでもなく、ましてや世界的に知られている歴史的ニュース誌のカバーを飾るという大仕事の前に、この事態を、スタッフは防ぐことはできなかったのだろうか。
責められるべきはスタイリストだけではない。現場に立ち会ったすべての人間が、服の状態の把握、靴のサイズ違いに気付かない角度のグラビア採用など、できることがあったと思わずにはいられない写真なのであった。
BTS
BTS(防弾少年団)は2013年6月13日にデビューした韓国の7人組男性アーティストグループで、パン・シヒョクのプロデュースにより誕生した。
HYBE(旧Big Hitエンターテインメント)所属。
デビューアルバムは『2 COOL 4 SKOOL』、デビュー曲は『No More Dream』。グループ名の”防弾少年団”には、10代、20代に向けられる抑圧や偏見を止め、自身たちの音楽を守りぬくという意味が込められている。
ハングル表記は”방탄소년단(バンタンソニョンダン)”から”バンタン”と呼ばれることが多い。
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