- 約1年前、BTS(防弾少年団)は、10月に釜山で行う無料コンサートに向けて準備を進めていた。
- しかし、10万人動員という最大規模のコンサート実現にあたり、会場の安全面や宿泊料金の急騰など様々な問題が浮上。
- 下手すれば、釜山コンサートがBTSの“黒歴史”になっていたかもしれないまでの事態が起きていた。
世界中のARMY(アーミー:BTSファン名称)が熱狂した、BTS(防弾少年団)の「釜山コンサート」から、もうすぐ1年が経とうとしている。
コンサート後は、メンバーのジンとJ-HOPEが入隊。3人目となるSUGAは、9月22日より社会服務要員として代替服務をスタートさせる。
昨年(2022年)から本格的に始まったソロ活動も、最後のソロランナーとして精力的に活動中のVをもって1巡目が終了。今後は、RMやジョングクが、再び何かしらの活動をしてくれることを匂わせている。
釜山コンサートは、昨年10月15日に行われたが、当時はまだ彼らの口から“入隊時期”に対する発言はなかった。
しかし、ファンの大半が「きっと入隊前最後のコンサートになる」という覚悟を持ってコンサートにのぞみ、ステージ上の7人の姿を目に焼き付けた。
コンサートの名目は「2030年の世界万博を釜山に誘致するための祈願コンサート」だったが、10年間走り続けてきたBTSにとって、まさに集大成と言える素晴らしい公演だった。
だがその一方で、当時を振り返ると、コンサートを開催するまでには様々な問題が浮上し、最悪の場合、BTSの“黒歴史”になり兼ねない状況だったことが思い出される。
まず問題視されたのは、10万人動員を想定して選ばれたコンサート会場。
BTSは過去に、英国ロンドンのウェンブリースタジアムで、約6万人を集めたコンサートを行っているが、10万人は歴代公演の中でも最大規模である。
発表された会場は、釜山の機張郡(キジャングン)・日光(イルグァン)という地域にあるガラス工場の跡地で、海に隣接していて何もない更地のような場所。
現地メディアが、そこに特設ステージを作り、5万人が座席、残り5万人がスタンディングになる予定だと報じると、ファンは大困惑。「更地に5万人分の椅子を並べる?」「10万人が利用するトイレの準備は?」など、不安要素が一気に溢れ返った。
さらに、会場の出入口が1つであることや、10万人の移動手段や会場周辺の様子、宿泊場所、道路の状況など、非現実的な環境を目の当たりにし、BTSメンバーや観客の安全面に対する懸念の声も広がった。
その後、世論の大きな反発を受けて公演規模が縮小され、会場は「釜山アジアド主競技場」へと変更。これで安全問題は一部解消されたが、さらに他の問題が山積みになっていく‥。
コンサート開催を受け、釜山市内の宿泊業者の不当な料金設定により、ホテルの宿泊料が急騰したのである。
当初、5~15万ウォン程度だった宿泊料金は、コンサートの前日と当日で最大125万ウォンにはね上がり、オンラインコミュニティーでは「予約した部屋が勝手にキャンセルされ、改めてサイトを確認したら、1泊350万ウォン(約35万円)で“予約可”となっていた」という証言も。ファンからは怒りの声が続いた。
また当時、運営側である釜山市長やその側近が、もともとの会場の周辺(機張郡)に複数の土地などの不動産を所有しているとして、不動産投機の疑惑が向けれられたりもした。
さらに、コンサートの費用問題が浮上し、開催の全権を握っている釜山市には批判が集中。
全席無料のコンサートの開催費用は、約70億ウォン(約7億円)にもなると推定され、表向きは「万博誘致のための祈願コンサート」であることから、釜山市が全額を負担するものと見られていたが、関係者らは「主催者はHYBE。ゆえに釜山市は後援の予定」と明かし、高額費用はBTS側の“自腹”になる可能性が高いことが伝えられた。
ARMYのペンライトの光が会場を包み込んだ (画像出典:BTS 公式Facebook)
また、ファンの不安材料にもなっていた、メンバーの兵役議論も再燃。
韓国国会では以前から、通称“BTS法”が度々取り上げられてきたが、国を代表するスーパースターのBTSが、釜山万博誘致の広報大使という重要な役割を担うだけに、韓国メディアが、彼らの兵役免除問題の行方に注目したのである。
そして、様々な雑音が消えぬまま、釜山コンサートの当日を迎える。
実際、当日も運営体制において何かと混乱が生じ、コンサートの演出が急遽変更になる事態も起きたが、そこはさすがのBTS。
メンバーとARMYのためのコンサートとしては大成功を収め、この日のパフォーマンスはレジェンド公演として、多くの人の脳裏に今もなお色濃く残っている。
あれからあっという間に1年。BTSとARMYは今、「2025年に再会」を目指して進んでいる。
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