『スーパースターK』、『PRODUCE』シリーズ、『アイドル学校』‥韓国ではこれまで、数多のオーディション番組が制作され、多くのアイドルやアーティストが誕生してきた。しかし、必ずと言っていいほどそこには雑音が絶えない。これを鑑みて、誕生したオーディション番組が『青春スター』なのだが、尖った部分を削いだ結果、視聴者から背中を向けられてしまっている。

現在、韓国で人気を博しているアイドルやアーティストは、オーディション出身者が占めている。

そうそうたるメンバーが集結した『青春スター』

アーティスト界のそうそうたるメンバーが集結した『青春スター』だが‥。(画像出典:channela 公式Instagram)

ソ・イングクをはじめ、2PM、VIXX、WINNER、TWICE、MONSTA X、TREASUREなど、最近活躍しているアーティストのほとんどはそうだと言っても過言ではない。

しかし『PRODUCE』シリーズがその最たる事件となったように、番組側の操作疑惑や審査員と番組の癒着疑惑など、不穏な噂が毎回付いてまわっている。

こうして、これまでの教訓を生かして放送を開始したのが、チャンネルAのオーディション番組『青春スター』だ。

5月19日から始まった同番組は、ボーカルvsシンガーソングライターvsアイドルが激突するという、新しい試みが行われている。

そしてレギュラーメンバーには、歌手兼プロデューサーのイ・スンファン、MYSTIC STORY設立者のユン・ジョンシン、ヒットメーカーと呼ばれるキム・イナ、SISTAR出身でソロアーティストのソユ、WINNERのカン・スンユンなど、そうそうたるメンツが名を連ねた。

しかし彼・彼女たちは、審査員ではない。”エンジェルミュージシャン”と呼ばれ、オーディション参加者へ感想やアドバイスを送るという役割だ。

“エンジェルミュージシャン”は、現場判定人として参加している観客と同様に、1点のみを投票する。

これらの方式を見るに、かつてのアイドルオーディションでの公平性議論を起こさないための、予防策だろうと想像がつく。それほどまでに、一連の事件は韓国のオーディション番組に、暗い影を落とした。

その結果、初回放送の視聴率は1.2%、第2回目は1.1%、第3回目は0.8%と、ついには1%を切ってしまったのである。

ボーカル派、アイドル派、シンガーソングライター派が激突する

(左から)ボーカル派、アイドル派、シンガーソングライター派が激突する方式だ。(画像出典:チャンネルA)

ある韓国メディアはその理由を、こう報じた。

“エンジェルミュージシャン”として参加している面々を見れば、決して水準が低いわけではない。

なのに視聴率が低いのは、ひとえに”審査員”ではなくなったレギュラー出演者の立ち位置が、曖昧になったためだと。

過去のオーディション番組は、批判も多かったが審査員の的確な指摘やスタジオの緊張感、称賛の言葉が、視聴者の興味を引き出していた。

そしてカテゴリーが統一であったのは、オーディション番組の持つアイデンティティーを明確にするためであり、選抜基準を明確にする意味もあったと言える。

ゆえに『青春スター』の方式、”ボーカル”、”シンガーソングライター”、”アイドル”というカテゴリーの全く違う者たちが戦うことに、視聴者が戸惑いを覚えるのも無理はないと伝えている。

どれだけ”エンジェルミュージシャン”が、ボーカル派を主眼点として見なければならないこと、これと同様にシンガーソングライター派、アイドル派で注目しなければならなくても、その結果が現場判定人と分かれる状況は、このオーディション番組のアイデンティティーを曖昧にしている。

それを象徴するかのように、放送のたびに”エンジェルミュージシャン”は「難しい」という言葉を口にしているのだ。結局、個人の好みが反映された人気投票が基準になればなるほど、オーディションのアイデンティティーはぼやけるしかない。

プログラムの最後には、どんな青春スターが誕生するのか、そのイメージをあらかじめきちんと提示し、その期待感を明確にしなければ、3派に分かれて行われる『青春スター』は、何のためにオーディションを受けているのか分からなくなってしまうし、観ている方も指針のないものに着いていくほど、暇ではないのだ。

参加者が、せっかく侮れない実力と魅力の持ち主であるにもかかわらず、残念な結果が出るのは、実にその企画がもったいないことこの上ないのである。




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