2026年1月、韓国映画界は新たな一年のスタートにふさわしい多彩なラインナップで幕を開ける。

ラブコメディやクライムサスペンスといったジャンル作品も並ぶ一方、今月は特に人間関係や心の機微を丁寧に描いたヒューマンドラマが目立つ構成となっている。

キム・ミンジョン主演作をはじめ、クォン・サンウ×ムン・チェウォン、ハン・ソヒ×チョン・ジョンソといった豪華キャストの共演作が続々と公開予定だ。

さらに、ソ・イングクやチェ・ジウら実力派俳優の出演作も控えており、2026年最初の韓国映画界を大いに盛り上げることが期待されている。

そこで本記事では、26年1月に本国の劇場で公開される注目の韓国映画6選をご紹介する。(2025年12月18日現在)

『フィレンツェ』(2026/102分)

1作目『フィレンツェ』(原題：피렌체)は、キム・ミンジョンとイェ・ジウォンが主演を務めるヒューマンドラマ。

今年10月4日にアメリカ・ロサンゼルスで開催された『グローバル・ステージ・ハリウッド映画祭』(Global Stage Hollywood Film Festival 2025)にて、作品賞・監督賞・脚本賞の3冠を達成し、公開前から高い評価を受けた話題作だ。

本作は、キム・ミンジョンにとって映画『愛の傷』以来、約20年ぶりとなる主演映画復帰作としても注目を集めている。特別出演ではなく、物語の軸を担う主役としてスクリーンに戻ってくる点は、長年のファンにとっても大きな見どころとなる。

物語の舞台はイタリア・フィレンツェ。退職勧告を受け、無気力の中で人生の方向を見失ったソギンが、再会と過去に向き合うことで、少しずつ自分自身を取り戻していく姿を描く。美しい街並みを背景に、人生の再生と小さな勇気を静かに紡ぎ出す一作である。

●韓国公開予定日：2026年1月7日

『ハートマン』(2026)

2作目は、クォン・サンウとムン・チェウォンが主演を務めるラブコメディ映画『ハートマン』(原題：하트맨)をご紹介する。

実力と人気を兼ね備えた二人の共演が実現したことで、制作段階から注目を集めてきた。

物語は、戻ってきた男スンミンが、再会した初恋の女性を二度と手放すまいと奮闘するところから始まる。しかしその過程で、彼女には決して打ち明けることのできない“ある秘密”を抱えることになり、恋は思わぬ方向へと転がっていく。切なさとユーモアが交錯する展開が、本作ならではの魅力だ。

去る12月11日には制作報告会が行われ、キャスト陣が作品への思いや撮影秘話を語り、公開への期待感はさらに高まっている。

成熟した大人の恋模様を軽快なテンポで描く一作として、2026年の幕開けを彩る注目作だ。

●韓国公開予定日：2026年1月14日

『PROJECT Y』(2026/109分)

3作目にご紹介する『PROJECT Y』は、ハン・ソヒとチョン・ジョンソが主演を務めるクライム・サスペンス映画。

強烈な個性と演技力を持つ二人がタッグを組むことで、公開前から国内外で高い関心を集めている。

舞台はソウル・江南の歓楽街。互いだけを頼りに生きてきたミソンとドギュンは、抜け出すことのできない底辺の現実から解放されるため、80億ウォン相当の金塊を盗むという危険な選択に踏み出す。欲望と友情、裏切りが交錯する中で、二人の関係性と運命が大きく揺さぶられていく。

本作は韓国で来年1月21日に公開予定で、日本ではその2日後となる1月23日より劇場公開される。緊張感あふれる展開と俳優陣の化学反応が、2026年の韓国映画界を象徴する一本として注目されている。

●韓国公開予定日：2026年1月21日
●日本公開日：2026年1月23日

『私は更年期だ』(2026/92分)

4作目は、『私は更年期だ』(原題：나는 갱년기다)をご紹介。

三人の女性が“第二の思春期”とも言われる更年期に直面し、心身の変化に戸惑いながらも、仕事や愛、そして失いかけていた友情を取り戻していく姿を描いたヒューマンドラマ。

年齢を重ねたからこそ生まれる不安や葛藤を真正面から描きつつ、人生をもう一度立て直そうとする女性たちの姿が丁寧に紡がれていく。

主演を務めるのはキム・ヨンソン。Netflix映画『バッドランド・ハンターズ』や『マリオネット 私が殺された日』、ドラマ『イカゲーム』、チャンネルA『チェックイン漢陽』など、ジャンルを問わず存在感を放ってきた彼女が、本作ではより現実味のある大人の女性像に挑む。

●韓国公開予定：2026年1月

『Boy』(2026)

5作目にご紹介する作品は、『Boy』(原題：보이)。

本作は、架空の都市・ポグ市を舞台に、ロマンスとクライムが交錯する異色のエンターテインメント映画である。

ロハンと兄ギョハン、そして帽子職人が運営するテキサス温泉という閉ざされた空間に、新たにジェインが加わることで、物語は静かに、しかし確実に歪み始めていく。

主演にはチョ・ビョンギュ、ユ・インス、ソ・イングクと、個性と実力を兼ね備えた俳優陣が集結。

チョ・ビョンギュは、ポグ市で犯罪を日常のように繰り返しながら、兄ギョハンとともにテキサス温泉に住む不法労働者たちを管理するロハン役を演じる。一方、ソ・イングクはテキサス温泉を支配する“絶対悪”とも言える帽子職人役として、物語の緊張感を一気に高める存在だ。

愛と欲望、暴力が入り混じる独特の世界観の中で、人間関係が予測不能な方向へと転がっていく『Boy』は、2026年初頭の韓国映画界に強烈な印象を残す一作となりそうだ。

●韓国公開予定：2026年1月

『シュガー』(2026/105分)

最後は『シュガー』(原題：슈가)をご紹介する。

1型糖尿病と診断された幼い息子ドンミョンのために、母ミラが立ち上がり、やがて家族の枠を超えて社会そのものを動かしていく姿を描いたヒューマンドラマ。

チェ・ジウ、ミン・ジヌン、コ・ドンハが出演し、静かでありながらも強い余韻を残す物語を紡ぎ出す。

本作は、韓国1型糖尿病患者会のキム・ミヨン代表と、3歳で1型糖尿病と診断された息子チョン・ソミョン君の実話をモチーフに制作された作品であり、メガホンを取ったチェ・シンチュン監督自身も、小学6年生の時に1型糖尿病と診断された当事者である点が大きな特徴だ。

病と向き合う子ども、そしてそのすべてを受け止め支え続ける親の姿を通して、『シュガー』は「親であること」の覚悟と愛情を真正面から問いかける。

2026年の幕開けにふさわしい、深い共感と考える時間を与えてくれる一作と言えるだろう。

●韓国公開予定：2026年1月

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