• 今年の上半期の話題作『元敬(ウォンギョン)~欲望の王妃~』(tvN/2025)は、国王夫婦
    の関係性を赤裸々に描き、数少ない2025年の時代劇として注目を浴びた。
  • 過激な夫婦の床入りシーンでは、尚宮(サングン)が作法について指示する驚きのシーンが盛り込まれている。
  • 韓ドラ時代劇によくある光景だが、実際にこのようなことがあったのかその真相を探った。
『元敬(ウォンギョン)~欲望の王妃~』

『元敬(ウォンギョン)~欲望の王妃~』(画像出典:tvN)

現在KNTVで、『元敬(ウォンギョン)~欲望の王妃~』(tvN/2025/以下、元敬)が放送されている。

今年は例年に比べると時代劇が少なく、7月にAmazon Prime Videoを通して公開されるやいなや熱い視線を浴びた話題作。王と王妃の夫婦関係や複雑な感情を赤裸々に描いたエピソードの数々が視聴者の好奇心を刺激した。

なかでも夫婦の破格的なシーンは瞬く間に話題に。史劇には珍しい過激さで、物語の幕開けと共に観る者の度肝を抜いた。またその際には、あるポイントに着目して観たというドラマファンも。韓ドラ時代劇でよく登場する、床入りの際の作法に関するあれだ。

多くの時代劇において言えることだが、史実なのかフィクションなのか分からないその曖昧さが魅力とも言える一方で、実際にはどうだったのか気になるところ。そこで本記事では、『元敬』に登場した、朝鮮時代の床入りにまつわる真相を探ってみた。

『元敬(ウォンギョン)~欲望の王妃~』

『元敬(ウォンギョン)~欲望の王妃~』(画像出典:tvN)

当該シーンは、第1話の冒頭約6分からスタートする。朝鮮第3代国王イ・バンウォンとその妻・元敬王后の夫婦仲や関係性を短時間で凝縮して視聴者に伝える過程で描かれた一幕だ。

イ・バンウォンが王に即位し、宮廷内で初めて床入りすると思われる姿が描かれたのだが、なんと、扉一枚隔てたところに尚宮(サングン/朝鮮王朝の女官)が。

それだけでなく、あれやこれやと作法について説明しながら終始指示を出していた。韓ドラ時代劇にお馴染みの光景だ。

あまりに各作品で似たようなシーンが描かれるため、朝鮮時代はこれがデフォルトであったと認識されている傾向にあるが、実は歴史資料には記録が残っておらず、根拠はどこにもないのだとか。

今は亡き小説家イ・ウンソン作家が執筆した大ヒット小説『東医宝鑑』で描写された設定が、事実確認されることなく今日まで各ドラマで用いられたことにより、いつの間にか史実であるかのように広まったよう。

『元敬(ウォンギョン)~欲望の王妃~』

『元敬(ウォンギョン)~欲望の王妃~』(画像出典:tvN)

歴史資料によると床入りは、宮廷内における儀式の延長線上にあり、計算により導き出された吉日と婚礼の日に実施され、尚宮をはじめ宮女はその準備や片づけなどをするにとどまったそうだ。

時にドラマチックに、時に物語の世界観を盛り上げ、観る者の想像力を掻き立てることもある様々な設定。知らず知らずのうちに、史実だと思い込んでいるポイントがもしかしたら他にもあるのかもしれない。

いずれにしても明確でないからこそ、見たことのない遠い昔に思いを馳せる楽しみが。

『元敬(ウォンギョン)~欲望の王妃~』

『元敬(ウォンギョン)~欲望の王妃~』(画像出典:tvN)

“破壊王”と言われた男の妻の視線から歴史を再解釈した『元敬』。少なくとも本作では当該脚色が物語の世界観はもちろん2人の関係性をより色鮮やかにし、ストーリーを盛り上げていたといえるだろう。

西谷瀬里

韓国ドラマが大好きな西谷です。現在はK-POP関連の記事を主に投稿しておりますが、韓ドラの魅力や、俳優&女優さんの活躍も随時紹介していきたいと思います。あらゆる年代の読者の方に、楽しんでいただける記事が届けられたらなという思いです。

記事一覧を見る(1343件)




ご意見を自由にコメントしてください!

記事に関するご意見や情報提供はこちらのフォームをご利用ください。

編集部おすすめ記事blank

サイトの広告について

Danmee(ダンミ)は、収益化の一環としてオンライン広告を展開しております。広告の内容(公序良俗を害するもの)や、可読性の低下につながる広告に関するご意見はこちらのフォームをご利用ください。

この記事と関連度が高いトピック

現在読まれています!

最新記事

RECENT TOPICs