- aespaカリナのファッションが「政治的」と批判され、SNS投稿が波紋を呼んだ。
- 一方で、過去に性的侮辱を受けた被害者としての立場から擁護の声も上がっている。
- 芸能人の発信をどう受け止めるべきか、社会の姿勢が試されているのかもしれない。

aespaカリナのファンションが波紋を呼んだ(画像出典:インスタグラム スクリーンショット)
大統領選挙(6月3日)を目前とする韓国で、人気ガールズグループaespaのメンバーカリナのファッションが思わぬ波紋を呼んでいる。
発端は、彼女が5月17日にSNSに投稿した日本旅行中の写真。全体的に赤色のウィンドブレーカーには、目を引くように「2」の数字があしらわれており、それが特定の政党の象徴色や候補者番号と重なるとして、一部のネットユーザーから政治的意図を疑う声が上がった。
タイミングが選挙直前であったこともあり「選挙運動の暗示ではないか」との推測が拡散されたようだ。
韓国では、選挙期間中に有名人がSNSで特定の色や数字を投稿することは、時に間接的な支持表明とみなされ、社会的議論を招く傾向がある。そのため、今回のカリナの投稿も「軽率だった」とする批判が少なからず見られた。
一方で、所属事務所SMエンターテインメントは即座に反応を示し、「カリナは日常の写真を掲載しただけで、政治的意図は一切なかった」と説明。誤解を招く可能性を認識した後、該当の投稿はすぐに削除されたという。SM側は「ご心配をおかけし申し訳ない」と謝罪し、再発防止にも努める意向を表明した。
こうした説明にもかかわらず、議論はファッションの領域を超え、過去の出来事にも波及している。
特に注目されたのが、大統領候補であるイ・ジェミョン(李在明)氏の長男による過去の性的侮辱疑惑である。複数の韓国メディアによれば、カリナはかつてこの人物から公然と卑猥なコメントを受けたことがあるとされ、女性芸能人としての尊厳が傷つけられた出来事だったようだ。
京畿南部警察庁の発表によると、イ氏の長男は2019年から2021年にかけて、インターネット上でわいせつな言葉を複数回にわたり投稿し、カリナやDJ SODAなどのSNSにも直接的に書き込んだとされる。また、オンラインポーカーサイトにおいて700回以上の送金履歴が確認され、常習賭博の疑いももたれている。これらの行為について、すでに検察への送致が行われたという。
こうした背景から、ファンの間では「性的侮辱を受けた被害者に過度な配慮を求めるのは筋違いではないか」との声も少なくない。「ファッションの一部をもって政治的意図を断定するよりも、まずは過去の被害に向き合うべきではないか」「カリナは被害者、仮にこういう行動に出てもおかしくない」との意見が続いた。
今回の件は、アイドルの発信がいかに敏感な領域と隣り合わせであるかを浮き彫りにした一方で、アイドルという立場を超えて、過去に受けた被害がどう扱われてきたのか、社会の記憶や姿勢そのものが改めて問われているようだ。
ジャケットそのものは話題性によって品切れ状態となり、「ノイズマーケティングの成功例」とする評価すら存在する。しかし、その背後には、軽視されがちな倫理問題と、芸能人の自由と尊厳にまつわる複雑な現実が横たわっているのかもしれない。
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