- 多くの人に「人生ドラマ」として支持される、tvN『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』。
- この作品は、俳優イ・ソンギュンとIUの2人が共演した名作として、日本の韓ドラファンにも愛されている。
- しかし韓国では、放送前に『私のおじさん』というタイトルから内容を誤解した人が非難の声を上げる事態が起きていた。

イ・ソンギュンとIUが共演したドラマ『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』 (画像出典:tvN )
映画『パラサイト 半地下の家族』に出演した俳優イ・ソンギュンが、かつてドラマで共演した、IU(アイユー)について言及した。
4月10日に放送された、tvNバラエティー『とても私的な東南アジア』では、彼が俳優仲間と一緒にカンボジアを旅行する様子が盛り込まれた。
その中で、過去の出演作について振り返ったイ・ソンギュンは「IUのコンサートを見に行った」と話し出す。
そして「彼女は、見ると不思議と暗い、そんなキャラクターが似合うと思う。ドラマの時は、役柄と似たような感じで没頭していたので」と、ドラマで孤独な人生を歩んできた女性を演じたIUの印象を語った。

『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』は、日本の韓ドラファンにも愛されている作品 (画像出典:tvN )
2人が共演したのは、2018年に韓国で放送された、tvN『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~(以下、私のおじさん)』。
イ・ソンギュン曰く、IUはコンサートをやる度に、ドラマ『私のおじさん』チームの面々を招待してくれるのだそう。
ドラマはイ・ソンギュンが主演を務め、人生の重みに耐えながら生きていく”おじさん三兄弟”と不遇な人生を送ってきた女性(IU扮)が、お互いを通じて人生を癒すようになる物語を描いたヒューマンドラマ。
日常の風景を描いているため、派手な演出や展開はなく、静かに淡々と物語は進んでいくが、見終わると、心に大きな温もりと確かな幸せを届けてくれる、そんな良質なドラマとなっている。
日本でも根強いファンが多く、隠れた名作として長く愛されている作品でもある。
また、有名人が度々お気に入りのドラマとして紹介しており、先日亡くなった音楽家の坂本龍一さんも「切なくて泣けるいいドラマ」と評価していた。
そして女優の戸田恵梨香も、『私のおじさん』の魅力にどっぷりハマった一人。もともと気になる作品だったものの、最初の視聴ではハマらず見るのをやめてしまったそう。
しかし、人にお薦めされたことで改めて見始めたら、今度はどっぷり沼に。出演したテレビ番組ではドラマの魅力を語り、全話を「2日半で見終わった」と明かしている。
さらに彼女は、脚本や俳優陣の演技を「圧倒的!」と絶賛。ドラマで気になったIUについても細かく調べ上げ、その知識を披露した。

”アジョシ(おじさん)”を演じたイ・ソンギュンと、IUの演技が高く評価されている (画像出典:tvN )
そんな、日本の視聴者からも評判の高い『私のおじさん』だが、実は放送前から、韓国ネット上では思わぬ議論が巻き起こっていた。
理由は、ドラマタイトルと、イ・ソンギュンとIUという主演2人の年齢差とキャラクター描写。
『私のおじさん』というタイトルが、若い女性と歳の離れた中年男性とのロマンスを連想させるため問題があるとし、中年のおじさんの妄想を刺激すると一部のフェミニストたちが反発したのである。
そして、実際のドラマの内容やテーマに関係なく加わった非難側の世論の中には、「女性はこうあるべき」と女性を抑圧する男性中心主義を問う、“ラジカルフェミニズム”の勢力も強く結託していたという。
このような一部の人たちの訴えをマスコミが取り上げ拡散したため、非難は特定勢力を中心に広がっていき、ドラマは放送前にもかかわらず、過度な非難を受けることになってしまった。
この異様な状況は、ドラマの演出を務めるキム・ウォンソク監督が、記者懇談会で涙を見せるほどだった。
しかし、一方的な非難を受けた訳ではなく、それ以上に作品を支持する人が多かったよう。
ドラマの放送が中盤を過ぎてからは、ストーリーが、非難していた側が勝手に推測していた方向性ではないことを理解し、非難や議論は落ち着きを見せた。
結果、役者の演技もストーリーも演出も抜群だった『私のおじさん』は視聴者の支持を受け、今も多くの人々の「人生ドラマ」として高く評価されている。
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