- TXTの新作アルバム『名前の章:TEMPTATION』が、約218万枚で初動販売記録を更新した。
- “初動”とは、K-POP業界では「発売1週目の販売高」を指す。
- なぜK-POP業界では、発売開始1週間の売上を重視するようになったのか。その意味と背景を考察する。
TOMORROW X TOGETHER(以下、TXT)の5枚目のミニアルバム『名前の章:TEMPTATION』が、初動販売記録を更新した。
2月2日、アルバム販売量を集計して発表する専門サイトなどによると、同アルバムの販売高は約218万枚。
これでTXTは、K-POPアーティストの初動販売歴代4位にランクイン。前作『minisode 2: Thursday’s Child』の約124万枚をはるかに上回る記録を達成した。
日本のファンには、馴染みの薄い“初動”は一体どういう意味なのか。
初動の意味とは
今回はその意味と、歴代トップ5を紹介する。
“初動”とは、そのまま翻訳すると、“最初の動き”という意味だが、K-POP業界では「発売1週目の販売高」を指す。
実は、“初動セールス”、“初動売上”など、日本でも普通に使われる漢字語であるが、K-POPアイドルの活躍を伝えるメディアの表現として頻繁に目にするようになった。
では、なぜK-POP業界では、発売開始1週間の売上を重視するようになったのか。
この期間中に購入する人は、アルバム発表前に購入予約をするか、発売直後に購入したファンであるため、“初動=ファンダムの大きさ”という見方が一般的である。
韓国ネットスラングで言うと“火力測定機”である。
“火力”とは、ファンの総数や団結力を指す言葉で、いわば“ファンの力”なのである。
すなわち、初動販売記録で、そのアイドルが持つファンダムの大きさが格付けされるのだ。
歴代4位、ファンダムの大きさで2位
TXTは、アルバム販売高では4位だが、アーティスト順位では2位となる。
なぜなら、1~3位までをBTS(防弾少年団)が総なめしているためだ。
では、初動記録ベスト5を紹介する。
1位:BTS /『MAP OF THE SOUL:7』約337万枚
2位:BTS /『Proof』 約275万枚
3位:BTS /『BE』約227万枚
4位:TXT /『名前の章:TEMPTATION』約218万枚
5位:Stray Kis /『MAXIDENT』約216万枚
次が、重複したアーティストを除いたベスト5。
1位:BTS /『MAP OF THE SOUL:7』約337万枚
2位:TXT /『名前の章:TEMPTATION』約218万枚
3位:Stray Kids /『MAXIDENT』約216万枚
4位:SEVENTEEN /『Face the Sun』約206万枚
5位:NCT DREAM /『Candy』約159万枚
ちなみに、女性アイドルトップは、BLACKPINK(ブラックピンク)の約154枚。全体順位では、11位である。
TXT、最後の追い込みが凄まじい
今回の発表により、K-POP界では人気規模“NO.2”となったTXT。
では、どうやって前回の数字(『minisode 2: Thursday’s Child』/約124万枚)から飛躍的な成長を遂げたのだろうか。
まずは、TXTの世界観に魅了されたファンの増加が挙げられる。
『THE STAR SEEKERS(星を追う少年たち)』という定義されるTXT世界観は、アルバムが増えるとともに、そのストーリーに魅了されるファンも爆発的に増加した。
もう1つの理由は、ファンの“総攻”にある。
“総攻”とは、アイドルを応援するための“総力戦”という意味。
それが垣間見える数字が、日別の販売高にある。
1月27日に発売された『名前の章:TEMPTATION』の販売推移を見てみると、
1/27:約186万枚
1/28:約28万枚
1/29:約25万枚
1/30:約46万枚
1/31:約12万枚
2/1:約44万枚
2/2:約153万枚
と、発売初日と、初動集計が完了する最終日の販売量が多いことがわかる。
実は、しのぎを削る第4世代アイドルの競争でTXTは、Stray KidsやNCT DREAMにリードを許していた。
TXTファンは、TXTを同世代アイドルのリーダーにのし上げるために、『名前の章:TEMPTATION』で総力を挙げていたのと見られる。
韓国のアイドルファンの間では、SNSを使い“初動記録係”というアカウントを作成、運営するケースが多い。
“初動記録係”は、アイドルの初動販売高を、ファンに速報で伝えながら、購入を促す。
今回、TXTの“初動記録係”アカウントにも「頑張ろう!」「5位まで行きましょう!」「6位達成!あと一歩」などの呟きが多く見られた。
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