日韓で話題を集めている新ドラマ、ENA(Netflix)『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』。ここに登場する主人公は、自閉症スペクトラムを持った人物だ。本作ではこの特徴を丁寧に描き、視聴者に分かりやすいように伝えている。このような表現となったのは最近のことだという。ここでは、韓国ドラマが描く発達障害について見ていこう。
最近、韓国ドラマ界では、障害者をテーマにする作品が話題をさらっている。
tvN(Netflix)『私たちのブルース』をはじめ、現在放送中のENA(Netflix)『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』と、続けざまに障害を持つ人物が登場した。
『私たちのブルース』では、イ・ヨンオク(ハン・ジミン扮)の双子の姉で、ダウン症を抱えるヨンヒ(チョン・ウネ扮)が登場し、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』では、自閉症スペクトラムを持つウ・ヨンウ(パク・ウンビン扮)が主人公となっている。

ドラマ『私たちのブルース』では、実際にダウン症を抱えている画家のチョン・ウネさんが演じている(画像出典:tvN)
特に、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』は、ハートフルなストーリー展開で日韓のドラマファンを魅了。多くの注目を浴びる話題作に浮上した。
日本のドラマファンの間では、2013年に放送されたKBS『グッド・ドクター』の女性版、法廷版であるとの声も聞かれているようだ。

ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』の主人公は、自閉症スペクトラムを持つ(画像出典:ASTORY 公式Twitter)
障害者の人生にフォーカスを当てるように
これ以前、ドラマで発達障害を描く際は、その保護者にスポットを当て、大変な人生を取り上げるか、無理やり泣かせるドラマの素材になっていた。
映画『マラソン(2005)』や『裸足のギボン(2006)』でも、自閉症スペクトラムを持つ人物の傍には、常に保護者がいた。両作品とも障害者を素材に、人物の純粋さを扱って大きな感動を伝えたが、大衆に障害者が誰かの助けを必要とするという認識を持たせてしまう一面も。
その後、各種コンテンツは時代の変化とともに、その表現方法を少しずつ変化させ、良い影響力を持つために努力した。

2013年に放送されたKBS『グッド・ドクター』では、俳優チュウォンが主人公に扮している(画像出典:KBSドラマ)
その結果、最近では、彼らの成長や自立を描き出す作品が多く見られるようになった。その代表作とも言えるのが『グッド・ドクター』だ。
このドラマは、幼い頃、自閉症とサヴァン症候群と診断された主人公が、成長し医師になる姿を描いた感動作だ。その内容から、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』は『グッド・ドクター』と通ずるものがあるとの声が届いたよう。
“サヴァン症候群”とは
『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』と『グッド・ドクター』、この2作品は共通して”サヴァン症候群”を取り上げている。
“サヴァン症候群”とは、「精神障害や知能障害を持ちながら、ごく特定の分野に突出した能力を発揮する人や症状を言う。重度の精神障害・知的障害を持つ人に見られる、ごく限られた特定の分野において突出した能力を発揮する人や、その症状のこと(出典:e-ヘルスネット)」を指す。
『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』の主人公、ウ・ヨンウを見ると、天才的な記憶力を持ち、一度読んだ本は全て記憶し、人の些細な言動や動きを見逃すことがない。つまり、ずば抜けた能力を持っていることがわかる。

ウ・ヨンウ役をリアリティーある演技で披露したと、女優パク・ウンビンに称賛が届いた(画像出典:ASTORY 公式Twitter)
劇中、ウ・ヨンウは、自分だけの視線で事件を眺める。特定単語に執着して、聞いた言葉をそのまま真似する反響言語などの習慣が細かく表現された。また、同じ方式の行動を好むため、朝食と夕食を同じメニューにするパターンも、ウ・ヨンウの日常に自然に溶け込んだ。
このような演出のディテールは、見る人たちに自閉症に対する理解度を高め、さらに人物に没入できるようにもしている。主人公を演じたパク・ウンビンも、姿勢と声のトーンなどを変えながらウ・ヨンウをリアルに描いた。このことで、発達障害に対する新たな気付きを提供してくれている。
このように、発達障害を題材にしたコンテンツは多くの試行錯誤を経て、より良い方向に進んでいる。だが、まだ特定のものだけに集中する話が多いのも事実だ。『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』をきっかけに、今後はさらに多様な人物の叙事が伝えられていくことを期待したい。
(構成:星野沙)
編集部おすすめ記事
-
【全76選】VODだけじゃない楽しみ方!2026年1月 CSで観られる韓国ドラマ放送スケジュール
-
【D-1】イ・ジュノ主演Netflixドラマ「CASHERO」がついに配信!同日公開「最大の難敵」とは
-
本国でお墨付き!来週(12月29日~)CSチャンネルで観られる「ロマンス」韓国ドラマ4選
-
世紀末、IMF‥1990年代を「復元」している韓国ドラマのなぜ
-
“12/24配信開始” Disney+「メイド・イン・コリア」、パク・ヨンウの初登場に注目!
-
【韓国時代劇】韓国史のハイライト!2026年最も期待される大河ドラマがAIを活用する理由
こちらも投票お願いします!
この記事と関連度が高いトピック
現在読まれています!
最新記事
-
イ・ビョンホン×ソン・イェジン主演映画「しあわせな選択」ティザービジュアル&特報映像解禁!
-
“メリー・ギュリスマス” KARA パク・ギュリ、冬の妖精のようなホリデー近況を公開!
-
ビョン・ウソク、クリスマスの近況を公開!次回作「パーフェクト・クラウン」撮影中の洗練ビジュアルに注目
-
【D-1】イ・ジュノ主演Netflixドラマ「CASHERO」がついに配信!同日公開「最大の難敵」とは
-
POWからのクリスマスプレゼント!カバー曲「君とホワイト・キス」でファンに感謝
-
i-dle ミヨン、「Last Christmas」カバー映像を公開!温もりあふれる歌声でクリスマスの夜を彩る
-
正式デビュー前に日本で先に注目されるK-POPボーイズグループ「NAZE」とは
-
16時間前
PHOTO:©TOPSTAR NEWS
IVE アン・ユジン、安定したMC力を証明!6回連続で「SBS 歌謡大典」の顔に
-
ハン・ジミン新作ドラマ「未婚男女の効率的な出会い」放送開始が1カ月以上延期となった理由とは
-
17時間前
PHOTO:©TOPSTAR NEWS
【韓国時代劇】韓国史のハイライト!2026年最も期待される大河ドラマがAIを活用する理由
-
【全76選】VODだけじゃない楽しみ方!2026年1月 CSで観られる韓国ドラマ放送スケジュール
-
来週(12月29日~)日本のテレビで観られる「鉄板時代劇」韓国ドラマ4選
-
ムン・サンミン、韓屋での近況写真を公開!やさしい眼差しで冬を彩る
-
ハン・ジミン、クリスマス写真公開!ネイビードレスで魅せた上品な冬ムード
-
CORTIS、ビルボードで快進撃!デビューアルバム「COLOR OUTSIDE THE LINES」15週連続チャートイン
-
ENHYPEN、7thミニアルバム「THE SIN : VANISH」の“No Way Back”スチール公開!
-
SAY MY NAME、新曲「UFO (ATTENT!ON)」MVティザー公開!年末カムバックの期待が加速
-
n.SSign、日本ホールツアー「n.SSign JAPAN TOUR 25/26 ~The best years of our lives~」開幕!東京公演で熱狂スタート
-
BTS ジョングク、温かな歌声で届けるクリスマス!「The Christmas Song」カバー映像公開
-
NCT テヨン、除隊後初ソロツアーが好発進!ソウル公演全席完売
-
fromis_9、リメイク曲「白い恋しさ」がチャート急上昇!Melonトップ10入り達成
-
“12/24配信開始” Disney+「メイド・イン・コリア」、パク・ヨンウの初登場に注目!
-
Genie TV「アイドルアイ」主演チェ・スヨン、初弁護士役で存在感を証明!
-
MBC「二度目の裁判」チソン・パク・ヒスン・ウォン・ジナ、キャラクターキーワード公開!
RECENT TOPICs
COMEBACK & DEBUT
-
NCT ドヨン&キム・ミンハ ‘Fallin” MVU-KISS スヒョン ‘The Soju Fairy’ choleograph movieTWICE ‘Talk that Talk’ Choreography Video (Moving Ver.)miss A出身 Min ‘Hit Me Up (ft. JMIN)’ MVWanna One出身 キム・ジェファン ‘BACK THEN’ MVONEUS ‘Same Scent’ MVDUSTIN ‘CRAZY’ MVNU’EST ベクホ ‘Savior’ MV
ご意見を自由にコメントしてください!
記事に関するご意見や情報提供はこちらのフォームをご利用ください。