第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門において、韓国人俳優初の最優秀男優賞を受賞したソン・ガンホ。『パラサイト 半地下の家族(2019)』に続き再びカンヌで高評価を得たソン・ガンホとは、一体何者なのか。『ベイビー・ブローカー』の日本公開に先駆け、彼のキャリアに迫ってみたい。
第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門において、是枝裕和監督の最新作『ベイビー・ブローカー』の主演、ソン・ガンホが韓国人俳優として、史上初の最優秀男優賞受賞の快挙を成し遂げた。
ソン・ガンホといえば、3年前同じくカンヌ国際映画祭(第72回)において主演作『パラサイト 半地下の家族(2019)』が最高賞パルムドールを受賞し、世界中から注目を集めた俳優だ。再びカンヌで高評価を得たソン・ガンホは、世界中の映画関係者からますます熱視線を集めるだろう。果たしてソン・ガンホとは、一体何者なのか。『ベイビー・ブローカー』の日本公開に先駆け、彼のキャリアに迫ってみたい。
名優が多い韓国映画界において、ソン・ガンホは稀有な存在だ。シリアスからコミカルまで幅広いジャンルに出演し、二枚目も三枚目も、正義も悪も見事に演じる高い演技力を持つ。
さらには『JSA(2000)』『殺人の追憶(2003)』『グエムル 漢江の怪物(2006)』『弁護人(2013)』『タクシー運転手 約束は海を越えて(2017)』など、多くの代表作で興業的成功を収め、映画祭での受賞歴も多数。
まさに「ソン・ガンホ出演作にハズレ無し!」と言っても過言ではない、韓国映画界の“顔”とも呼べる人物だ。
1967年、韓国慶尚南道生まれのソン・ガンホは、兵役を経て1991年に劇団に入団、本格的に俳優としてのキャリアをスタートさせる。数年間舞台で経験を積んだ後、1997年に、『ペパーミント・キャンディ(1999)』『オアシス(2001)』で知られる名匠イ・チャンドンの記念すべき監督第一作『グリーン・フィッシュ(1997)』の出演機会を得る。
当時のトップ俳優ハン・ソッキュの主演作だったにもかかわらず、脇役だったソン・ガンホ演じる野蛮なギャングの個性的な演技に注目が集まり、たちまち話題の人物となる。
“映画上の演出”に過ぎなかったギャングを、無名だったソン・ガンホがリアルに演じ「本物のギャングを登場させたのではないか」という口コミが飛び交うほどに。
そんな一般人のような、素朴さと親しみを感じさせる一方で、力強さとコミカルさを巧みに表現するソン・ガンホの持ち味は、たちまち人気に。
これを機に、『シュリ(1999)』『JSA(2000)』といった、その後の韓国映画隆盛のきっかけとなる金字塔的作品へ、立て続けに出演。映画俳優として、確実に知名度を上げていく。
そして、ポン・ジュノ監督の代表作『殺人の追憶(2003)』では、ついに主演俳優としても評価を高めることに成功。本作で連続殺人事件の犯人を追う田舎町の刑事を演じ、「粗野な中年男役で主演をさせたら、右に出る者はいない」という、パブリックイメージを定着させた。
2010年代以降は、『弁護人(2013)』『タクシー運転手 約束は海を越えて(2017)』『パラサイト 半地下の家族(2019)』といった、見応えある重厚な人間ドラマでより卓越した演技を披露。
メッセージ性の高い作品に意欲的に出演し、海外からも高い評価を得ているのは周知の通りだ。
市井の人の困窮や苦悩といった、リアリティーを体現し続けるソン・ガンホの高い表現力は、見る者の心を揺さぶると定評がある。
そんな彼の最新主演作が、是枝裕和監督の最新作『ベイビー・ブローカー(原題:ブローカー/2022)』だ。本作は、<赤ちゃんポスト>に預けられた1人の赤ちゃんを巡り、人々の善意と悪意という思惑が絡まり合う様子を描いた人間ドラマである。
本作でソン・ガンホは、借金に追われベイビー・ブローカーという裏稼業に手を染める主人公サン・ヒョン役を熱演。善と悪の狭間で揺れる難役をどう演じ切るか、ぜひその目で確かめて欲しい。
共演は、日本でも人気の高いカン・ドンウォン、ペ・ドゥナ、歌手としても活躍するイ・ジウン(IU)など豪華な顔ぶれが集結し、見逃せない一作となっている。
韓国映画界の顔として走り続け、世界に認められたソン・ガンホの到達点をぜひ堪能して欲しい。
第75回カンヌ国際映画祭で注目を集めた『ベイビー・ブローカー』は、6月24日より全国公開予定。
(投稿:島田元)
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