10月9日、BTS(防弾少年団)メンバー、ジョングクのファン連合は、ジョングクに対する誹謗中傷に対して”第3者の告発”を進めると発表した。韓国ファンがHYBEに許可を求め、これを積極的に進めているという”第3者告発”とは一体何だろうか。
現在、BTS(防弾少年団)の韓国ファンの間で話題となっているのが”こじ付け議論”である。
この議論の発端は、ジョングクが着用した洋服だった。
去る10月3日、複数の韓国メディアは「BTSのメンバージョングクが、実兄が経営するアパレル企業の洋服を数回に渡り着用し、これが”裏広告”に当たると、公正取引委員会に苦情が届けられた」と報道。
裏広告とは、芸能人やインフルエンサーが企業から報酬を受け取っておきながら、広告表記を出さずに製品を宣伝する行為を指す言葉だ。
この苦情に、公正取引委員会は「裏広告と判断される、最も大事な要素は”欺瞞性”であるが、ジョングクは洋服に関して、まったく言及していない」として、裏広告に当たらないという見解を示している。
(関連記事) BTS ジョングク ‘裏広告’で物議?お節介な苦情に公正取引委員会の判断とは
しかし、一連の騒動にジョングクファンが「こじ付けにもほどがある」と激怒。ついには「ジョングクに対して、組織的に難癖をつけるアンチファンがいる」と発表し、所属事務所を介さず積極的に対応すると宣言した。
ジョングクファンが主張する、アンチファンの行動パターンを見てみると、
- 主な目的はジョングクのイメージダウン
- 事実関係を確認せず、オンラインコミュニティーで出回っている噂を事実かのように拡散
- 虚偽の噂を共謀し、同時多発的に流布している
- ファンコミュニティーサイトを占拠し、悪質な書き込みを繰り返している
- 組織的且つ計画的に動く
など、多分に悪意的な行為が横行しているようだ。
ジョングクのファンは、アンチファンとの”容赦なき戦い”を宣言した後、10月1日からHYBE社屋の前で、トラック(電光掲示板)デモを実施。
電光掲示板には「悪質な噂を流布するアンチファンに強力な法的対応を取れ」「口だけの告訴は止めて、行動に移せ」などと、抗議内容が記されている。
中でも、目を引く文言は「第3者による告発を許可せよ」。
ここでいう”第3者”とは、他ならぬジョングクを応援する韓国ファンである。すなわち、ファンによる捜査機関(警察や検察)への働きかけを許可するようにと促しているのだ。
ファンがここまで踏み切るには、理由がある。
実は2019年、ジョングクのファンは日常的に中傷を行ったとして、彼のアンチファンを名誉棄損の疑いで告発する。しかし、HYBE(当時Big Hitエンターテインメント)が*処罰不願書を提出したため、ファンが望んでいた処罰は叶わなかったのだ。
*処罰不願書:被害者が、被告人や加害者への処罰は望まないと記載した文書
ファンは、HYBEの配慮や善処が、さらなるアンチ行為を呼び起こす恐れがあると懸念していたが、その矢先に”裏広告”議論が勃発。HYBE側が、より積極的に対応するよう仕向けているのだ。
結局、10月9日にジョングクのファン連合(ジョングクサポーターズとDCインサイドのジョングクギャラリー)は、第3者により告発を進めると発表。告発にかかる費用の募金を呼びかけている。
その呼びかけには多くのファンが賛同し、ファン連合は「募金開始1時間で、目標額に達成した」と報告。
ファン連合の積極的な動きは、Twitter(ツイッター)などのSNSでも連日話題となり、”#アーティスト 名誉棄損”、”#アーティスト 権利侵害”、”#法的対応”といったハッシュタグがトレンド入り。しかし一部の音楽ファンは、この”第3者の告発”が横行した場合、健全な目的での議論までもが”アンチ行為”と見なされ、制裁を受ける可能性があると危惧している。
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BTS
BTS(防弾少年団)は2013年6月13日にデビューした韓国の7人組男性アーティストグループで、パン・シヒョクのプロデュースにより誕生した。
HYBE(旧Big Hitエンターテインメント)所属。
デビューアルバムは『2 COOL 4 SKOOL』、デビュー曲は『No More Dream』。グループ名の”防弾少年団”には、10代、20代に向けられる抑圧や偏見を止め、自身たちの音楽を守りぬくという意味が込められている。
ハングル表記は”방탄소년단(バンタンソニョンダン)”から”バンタン”と呼ばれることが多い。
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