• 韓国映画『ソウルの春』が、1000万人観客動員の金字塔を打ち立てた。
  • 韓国映画界にとって2023年は“暗黒期”と称されるほど、不振が続いていた。
  • 夏場の“勝者”になると予想された『THE MOON』は、損益分岐点の10分の1という、惨憺なる成績表を渡された。

韓国映画『ソウルの春(原題/チョン・ウソン、ファン・ジョンミン主演)』が、1000万人観客動員の金字塔を打ち立てた。

同作の配給を担うプラスエムエンターテインメントによると、12月24日に累積観客数1000万人を突破したようだ。

1979年12月12日に起きた軍事クーデターをモチーフとした同作は、首都ソウルをめぐる反乱軍と正規軍の一触即発の9時間を描いている。

11月22日に封切りとなってから、33日で成し遂げた快挙に韓国映画界からは、歓喜の声が上がっている模様だ。

それもそのはず。韓国映画界にとって2023年は“暗黒期”と称されるほど、不振が続いていたため。

映画鑑賞料金の値上げやVODでの視聴機会が増えていることなどが影響したといえ、『THE FIRST SLAM DUNK』や『すずめの戸締まり』など、年頭から日本のアニメーション映画が頭角を現していたため、「原因は作品性が衰えているため」「日本アニメに惨敗を喫した」と猛省の声も聞こえていたほどだ。

しかも今年は、2020年からグローバルで巻き起こった韓国コンテンツ(自称、K-コンテンツ)のブームに後押しされ、莫大な制作費を投じた作品ばかり。

1000万人動員が大いに期待された、ヒョンビン主演の『交渉』、パク・ソジュン主演の『ドリーム』、ハ・ジョンウ主演の『非公式作戦』『1947 ボストン』、ド・ギョンス主演の『THE MOON』、ソン・ガンホ主演の『クモの巣』は、損益分岐点に半分も満たない興行成績を記録。韓国映画界を落胆させた。

特に、約250億ウォンの制作費が投じられ、最もし烈な戦いを強いられる夏場の“勝者”になると予想された『THE MOON』は、損益分岐点の10分の1という、惨憺なる成績表を渡され、韓国映画界に衝撃を走らせた。

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韓国でいう“興行保証小切手(興行成功に導く超人気俳優)”たちから、ことごとく惨敗の便りが届き、映画投資家の間では、映画館での公開が大きなリスクという雰囲気が漂っているという。

そのため、映画への投資が激減するか、制作費の補填ができるNetflixなどのVOD公開が検討される事例が急増するようだ。

このように、韓国における映画制作に“氷河期”が訪れると思われた矢先、『ソウルの春』の1000万人動員という朗報が届いたのである。

また、韓国映画の低迷の理由を、あえて「映画鑑賞料金の値上げやVODの台頭」と言い逃れてきた韓国映画関係者にも、「優れた作品は必ず成功する」という教訓を残したと評価されている。


『ソウルの春』

編集長コラム

Danmee編集長のコラムです。韓国芸能界の出来事やネットの話題を分かりやすく解説しております。日本のマスコミが滅多に取り上げない様々な韓国情報を読者の方々と共有していきたいと思います。

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