- 韓国のドラマ界は、作品数の減少によりオファーのない現状に悲鳴を上げる役者が増えている。
- 一部トップスターのギャラの急騰が制作費を圧迫しているとされてきたが、実はテレビ離れにより視聴率を獲得できないのも深刻な問題のようだ。
- 韓国のテレビ局が置かれている状況に触れ、かつては主演を務めていたスターたちの声を紹介する。
今、韓国のドラマ界では、「オファーがない」と悲鳴を上げる役者が続出している。
OTTやVODで世界に配信されるタイプの作品ではなく、主に本国のお茶の間を楽しませてきた演技者たちの声だ。オーディションもオファーも激減、もしくは全くなくなってしまった役者もいるという。
OTT・VOD市場で活躍する一部トップスターのギャラの急騰により制作費がアップ、テレビ局側が費用の面から取り扱う作品本数を減らしたことが理由だと言われてきた。しかしどうやら作品数の減少はそれだけが原因ではないようで、近年加速する“テレビ離れ”も大きな理由の1つになっているという。
OTT・VODに人が流れテレビを見る全体数が減少している昨今。いくら面白い作品を作っても視聴率を獲得できないテレビ局側としては本数を減らすしかないよう。それに伴って一部演技者の活躍の場が失われつつあるというわけだ
このような状況のなか最近、これまでドラマの人気をけん引し各テレビ局に貢献するほどの実績を残してきたお茶の間のスターたちが「脇役でもOK」と発言するなど、韓ドラ界には新たな風潮が見られはじめている。
例えば、元RAINBOW(レインボー)で現在女優のコ・ウリは3月3日、かつてのメンバーチョ・ヒョニョンのYouTube(ユーチューブ)チャンネルに出演して「仕事がない」と悩みを打ち明けた。
自分と似たような境遇に置かれた役者が多いなか、他の人はどうやって生活をしているのか画面越しに呼び掛けたほど。「オーディションもない」と語った。
事実、2022年の『ガウス電子~僕らの社内恋愛マニュアル~』(ENA)を最後に、テレビドラマには出演しておらず、次期作のニュースもない。
その前日3月2日には、JTBCバラエティ『俳優町内会』に『椿の花咲く頃』(KBS2/2019)にも出演していたキム・ジソクが登場し、マネージャーに仕事がないことへの不安を伝えるシーンが。
「俳優としてうまくいかなくなったらどうしよう」と心の内を明かし、2024年を迎えた際に最初に頭をよぎったのは、今年1年の意気込みではなく心配だったと語った。
主演として長らく活躍し約20年のキャリアを持つ彼が「主演、脇役、超脇役なんでもいい。いい作品なら絶対にやりたい」と、多作俳優になることへの意思も示した。
また、“KBS泥沼劇のプリンス”と言われていたイ・ジャンウは自身のYouTubeチャンネルでドラマ界が低迷しているとし、カメラマンやスタッフに仕事がなく遊んでいる状態であると語った。
そして、テレビ局の資金が十分でないことを示唆し、自身が活躍してきた週末ドラマ枠の視聴率が最近は獲得できないと残念な気持ちを吐露したことが。
日本でも人気を得た『ファンタスティック・カップル』(MBC/2006)で主演を務めるなど、美しいビジュアルを持つことで知られるハン・イェスルも、最近自身のYouTubeチャンネルで、ドラマに出演したいと思っているがその機会がないことを明かした。
昨年、『ソウルに女王が住む(仮題)』で約3年ぶりにドラマ復帰するのではないかと注目を集めた彼女だが、結局制作が途中で白紙に。第4話まで台本は完成していたそうだが、投資と編成が叶わなかった。
世界中で親しまれるようになった韓国ドラマ。さぞかし、制作者側も出演者側も潤っているかと思いきや、意外にも困難に直面しているようだ。
テレビ離れが進むなか、各テレビ局が今後どのような対策を講じるのか注目される。
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