• 9月15日にスタートしたばかりのSBSの新作ドラマ『7人の脱出』が、第2話が終了した時点で早くも物議を醸している。
  • あまりにも刺激的なストーリーに拒否感を抱いた一部視聴者から、放送中止を求める声が上がっている状況だ。
  • 問題視されているシーンを紹介し、過去にも似たような議論に巻き込まれたキム・スンオク作品を振り返る。
『7人の脱出』は、9月15日に放送がスタートしたSBSの新作ドラマ

9月15日に放送がスタートしたSBSの新作ドラマ『7人の脱出』(画像出典:SBS)

SBSの新作ドラマ『7人の脱出』が、9月15日にスタートした。

多くの人の嘘と欲望によって失踪した少女に関係する悪人7人の生存闘争と、彼らへの血の制裁を描いたピカレスク復讐劇だ。

社会現象を巻き起こした大ヒット作『ペントハウス』シリーズ(SBS/2020、2021)の脚本を手掛けたキム・スンオク作家の復帰作で、制作発表の段階から熱い視線を集めていた期待作。

ところが、放送開始早々不穏な空気が流れており、韓国では物議を醸している。なぜなら、第1話と第2話のストーリーがあまりにも刺激的なものだったから。

放送の公共性や公平性の確保などを目的とした機関である放送通信審議委員会に視聴者から苦情が寄せられ、放送の中止を求める声が上がっている状況で、今後審議の案件として上程するか判断される予定。

同委員会は具体的な苦情内容について公表していないが、問題視されているのはどうやら援助交際や出産、児童虐待を扱ったシーン。デリケートな問題であるだけに、議論の対象となりやすい素材ではあるが、地上波で流すには過激すぎる描写が一部視聴者に強い拒否感を抱かせてしまったようだ。

例えば第1話には、高校生のダミ(チョン・ラエル扮)が母(ファン・ジョンウム扮)から殴られる場面があった。

ある事情により母と約束した帰宅時間までに帰ることができなかったダミ。心臓に持病があり雨の日は特に症状が悪化、命に関わる場合もあるのだが、全身ずぶ濡れで息も絶え絶えになりながらなんとか家に到着し謝罪したところ、母から顔面を拳で殴られ平手打ちされた。

母親から暴力を受けるダミ

ダミが母親から暴力を受けるシーン(画像出典:YouTube SBS Drama)

またこれ以外にも、母の歪んだ欲望に巻き込まれ暴力を受ける場面が登場する。

その他、ダミに友達になろうと近づき裏で彼女を利用するモネ(イ・ユビ扮)が援助交際し妊娠、美術室で出産するシーンが。挙句の果てには、この全ての行いを自分ではなくダミだったことにしてしまう。

第2話では、ダミと養父が不適切な関係性であるという偽のニュースが拡散、モネからダイヤのブレスレットを受け取り、彼女の試験中の不正行為を見逃して秘密を守ることまで約束しモネの味方となる担任教師(チョ・ユニ扮)など、とことん追い込まれるダミの姿が描かれている。

担任教師は、モネからダイヤのブレスレットを受け取り彼女の不正に目をつぶる

モネからダイヤのブレスレットを受け取り彼女の不正に目をつぶる担任教師(画像出典:『7人の脱出』映像キャプチャー)

作家と監督は悪人の醜悪さを強調するために、見ていられないほどダミを悲惨な状況に置いたと思われるが、いくらキム・スンオク作品とはいえあまりにも過激すぎたため人によっては不快感を覚えたようだ。

しかしその一方で、「キム・スンオクの作品はそういうものだ」という声もちらほら。それこそが彼女の描き出す世界観であり、魅力だという見解を示している。

事実、冒頭で触れた『ペントハウス』シリーズのシーズン1、第2話が放送された際にも、今回同様に批判の声が上がり物議を醸したことがあったものの、視聴率の面では大成功を収めた。

『ペントハウス』は、物議を醸したものの視聴率では大成功を収めた

物議を醸したものの、視聴率では大成功を収めた『ペントハウス』(画像出典:SBS)

具体的には、中学生が家庭教師をプールに突き落としたり頬を殴ったりというものから、廃車に閉じ込めて苦しむ姿を携帯電話で撮影したシーン。また別の登場人物によって靴で踏みつけられながら罵られるという場面が問題視され、放送通信審議委員会の審議の対象になった。

その結果、刺激的かつ暴力的に描写した青少年たちによる集団でのいじめを、過激であるにもかかわらず、視聴制限の年齢を15歳にした点などが指摘され、放送の公的責任をないがしろにしたという理由で2021年に法的制裁まで受けている。

制作者側が意図していたかは不明だが、この出来事により本作は当時世間から大きな注目を浴び、自然と話題性を獲得することに。事実上、ノイズマーケティングが成功したと言っても過言ではない。

『ペントハウス』と似たような道を歩んでいる『7人の脱出』。果たして好成績を残すことができるのだろうか。

ちなみに初回放送で6.0%だった視聴率は翌回で6.1%に。そして批判の声が上がる中放送された第3話でダウンするかと思いきや6.7%に上昇し、最新話である第4話は7.7%を記録した。

苦情が寄せられている反面、好調な滑り出しをきっている。今後の行方から目が離せない。


(動画出典:YouTube SBS Drama)

西谷瀬里

韓国ドラマが大好きな西谷です。現在はK-POP関連の記事を主に投稿しておりますが、韓ドラの魅力や、俳優&女優さんの活躍も随時紹介していきたいと思います。あらゆる年代の読者の方に、楽しんでいただける記事が届けられたらなという思いです。

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