チャン・グンソク＆ホ・ソンテ共演作『餌＜ミッキ＞』(画像出典：coupang play)

アジアのトップスター、チャン・グンソクが約5年ぶりに主演を務めたドラマ『餌＜ミッキ＞』が、9月6日より、U-NEXTで独占先行配信される。

本作は、今年(2023年)1月、Coupang Play(クーパンプレイ)で配信後、韓国で大きな反響を呼んだ作品だけに、早くも熱い関心が寄せられている。

ひげを生やし、ワイルド感満載のチャン・グンソクが演じているのは、殺人事件を誰よりも執拗かつ情熱的に追う、元弁護士の刑事ク・ドハン。

放送前のマスコミ向け発表会で｢自分を壊したかった｣という本人の言葉通り、彼はこれまでとは異なるキャラクターを熱演し、見事なまでの変身を遂げた。

そんなチャン・グンソク扮する刑事が追うのは、殺人事件の容疑者として浮上した、巨額詐欺事件の首謀者ノ・サンチョン(ホ・ソンテ扮)。

しかし、彼はすでに死んでいる、はず‥。刑事たちは、過去の詐欺事件と現在の連続殺人事件の関係性を探り、彼の死を疑い始める。

話題のドラマ『餌＜ミッキ＞』は、先の読めない展開の果てに衝撃の結末が待ち受ける、超S級ノンストップ・クライムサスペンスとなっている。

同じ詐欺事件をモチーフにした映画『MASTER/マスター』(左)、映画『スウィンダラーズ』(画像出典：naver movie)

実はこのドラマは、韓国中を震撼させた未解決詐欺事件がモチーフで、過去には、イ・ビョンホンとカン・ドンウォン主演の映画『MASTER/マスター(2016)』や、ヒョンビン主演の映画『スウィンダラーズ(2017)』の題材にもなっている。

詐欺の被害総額は、*4～5兆ウォンとも言われており、韓国犯罪史上最大規模として知られる、巨額の詐欺事件である。

*被害者団体『正しい家庭経済実践のための市民連帯』は、被害額が8～10兆ウォンにのぼると主張している。

事件の首謀者は、チョ・ヒパルという人物。

彼が2004～2008年頃にかけて行ったのはマルチ商法による詐欺で、医療機器を購入し、ホテルやサウナなどの施設にレンタルすれば、利益を得られるというもの。

購入者が直接貸与業に関わる必要はなく、最初に医療機器代さえ準備すれば収益を上げられるとあって、当時韓国では、財テクの1つとして瞬く間に広がった。

巨額の詐欺事件の首謀者、チョ・ヒパル (画像出典：韓国オンラインコミュニティー)

チョ・ヒパルは、収益金を支給しながら信頼を積み重ねていき、全国に複数の法人と施設を作り、地域ごとに異なる会社名で活動を続ける。

しかし、実際にはレンタルでの収益金はほぼ得られず、彼は出資金の大部分を懐に入れ、一部運用した利益を出資者に還元する典型的な投資詐欺手法をとっていた。

ところが、徐々に出資者が集まらなくなり限界を感じた彼は、2008年10月にお金を持って逃亡、同年12月には、側近と共に中国に密航してそのまま消息不明に‥。

そして2012年、遺族の発表により、2011年12月に既に死亡したとのニュースが流れた。

しかし、火葬されDNA鑑定ができなかったことから、チョ・ヒパル本人かどうかは疑わしいという声が上がった。またそれ以降に、中国での目撃談が複数上がり、被害者市民団体は、いまだ彼の生存を主張している。

さらに、検察や警察関係者らがチョ・ヒパルから高額な賄賂を受け取ったことも報じられ、韓国全土に衝撃が広がった。

『餌＜ミッキ＞』で韓国で最も有名な詐欺師を演じた、俳優ホ・ソンテ (画像出典：Coupang Play 公式Facebook)

そんな韓国で最も有名な詐欺事件をモチーフにした『餌＜ミッキ＞』で、死んだはずのカリスマ詐欺師ノ・サンチョンを演じているのが、“悪役のマエストロ”と言われるホ・ソンテ。

2021年に世界的に大ヒットした『イカゲーム(Netflix)』では、激しい暴力を振るい続ける冷酷なヤクザ・ドクス役を演じ、その名を轟かせた俳優である。

しかも彼は、同じ詐欺事件がモチーフの映画『スウィンダラーズ』にも出演しており、なんと同じチョ・ヒパルをモデルにした詐欺師のチャン・ドゥチル役を務めている。

一人の俳優が、別の作品でも同じキャラクターを演じるということは、そうそうない珍しいこと。

つまりホ・ソンテは、韓国で最も有名な詐欺師役を二度も演じた、稀代の俳優なのだ。

そんな伝説の詐欺師を演じるホ・ソンテと、彼を追う正義感溢れる刑事役を務めるチャン・グンソクが出演の話題作『餌＜ミッキ＞』。

韓国史上最悪と言われる詐欺事件を扱い、多くの視聴者を魅了したドラマは、U-NEXTで、*9月6日より配信開始となる。

*『餌＜ミッキ＞』の第1回～第12回を9月6日(水)に配信開始、第13回～第24回は10月6日(金)に配信開始

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