• 韓国人から最も愛されている国王として知られる正祖(チョンジョ)、イ・サン。
  • 正祖が出てくる韓国時代劇は多くあるが、特に有名なのは『イ・サン』と『赤い袖先』。
  • 本記事では、この2作について違いを比較して天秤にかけてみる。

朝鮮王朝時代を描いた韓国時代劇には、必ずと言っていいほど登場する歴代の国王。最も有名な人物と言えば正祖(チョンジョ)、イ・サンを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

正祖を取り上げた映像作品は多くありますが、中でも特に高い人気を誇るドラマ『イ・サン』(2007)と『赤い袖先』(2021)は、そのドラマチックな人生を知る上で外せない2作。

どちらも韓国時代劇の名家と言われる韓国MBCで放送されたフィクション時代劇です。

この2作が超人気作であることから興味はあっても、同じ人物を取り上げたドラマ作品なら似たような内容なのでは?と感じている方もいるかもしれません。

本記事では、正祖イ・サンについてのドラマを観てみたい方に向けて『イ・サン』と『赤い袖先』を天秤にかけて違いを見てみたいと思います。

 

エリート国王「正祖(チョンジョ)」とは?

まず、『イ・サン』と『赤い袖先』で共通して主人公として描かれている朝鮮時代の実在の国王、22代目の正祖(チョンジョ/1752-1800)は史実上どんな人物だったのでしょうか。

夜更かしをして本を読み漁るほど勉強好きで、幼い頃から真面目で聡明だったという正祖。現代で言うところのエリートだったりクールなイメージの人物だったと言われます。

左『イ・サン』 右『赤い袖先』(画像出典:MBC)

一方で、ロマンチストで人間味あふれる人物だったという話も。

『イ・サン』と『赤い袖先』の両方でヒロインのモデルとなった宜嬪成氏(ウィビンソンシ)に自身の側室となることを拒まれた後、15年も経ってから再び側室になるよう命じていることから一途に想い続けていたことが分かります。

また命を狙われ続けた王とも言われ、一説では夜更かしして勉強していたのは暗殺を防ぐためとも。40代前半で若くして亡くなった際の詳細は分かっておらず、毒殺説が浮上するなど韓国の大きな歴史ミステリーのひとつ。

これらのことから正祖は朝鮮王朝の歴代国王の中でも、最もドラマチックな人生を送った人物と言っても過言ではないでしょう。

韓国で最も愛されている王様であるとともに、人々が想像を巡らせたくなるような人生を送った正祖はドラマの主人公のモチーフとして最適ともいえるかもしれません。

物語の描き方

2作の大きな違いのひとつに話数が挙げられます。

2007年に放送された『イ・サン』は全77話。2021年に放送された『赤い袖先』は全17話の構成。

『イ・サン』は正祖の壮大な一代記で、大河ドラマのような長編で人生そのものがテーマ。韓国史劇の巨匠であるイ・ビョンフン監督が手掛けています。

一方『赤い袖先』は、同作を手掛けたチョン・ジイン監督によると『イ・サン』に比べ「より感情やメロの部分に集中した」とのこと。

『イ・サン』にも恋愛要素はありますが、あくまで正祖の人生の一部として描かれており、『赤い袖先』では恋愛がより深堀りして描かれています。

物語上のイ・サンの人物像

イ・ソジンが演じた『イ・サン』の正祖は文武両道で人情味のある人物。正祖の成長物語でもあり、最終的には聖君のような立派な王様となりヒーローのような印象。

一方、イ・ジュノ(2PM)が演じた『赤い袖先』の正祖は、そこにさらに人間味をプラス。はじめは気難しくて近寄りがたく、ヒロインに対しても上手く気を引くことが出来ないような可愛らしさすら感じる人物として描かれています。

 

左:イ・ジュノ、右:イ・ソジン(画像出典:MBC)

また、祖父の英祖(ヨンジョ)が正祖の父を米びつに入れて殺してしまったというエピソードについても、『イ・サン』ではその悲しみを乗り越えて成長する様子が描かれる一方、『赤い袖先』ではトラウマに苦しんでいます。

どちらも人間味に溢れた人物として描かれてはいますが、恋愛をメインとして描く『赤い袖先』ではギャップや女性が放っておけないと感じるような弱さを持った人物という要素も表現されているようです。

ヒロインの人物像

『イ・サン』のヒロイン、ソン・ソンヨンと『赤い袖先』のヒロイン、ソン・ドクイムは同じ宜嬪成氏をモデルにしています。宜嬪成氏は正祖が生涯で最も愛したとされる女性。

左:ハン・ジミン、右:イ・セヨン(画像出典:MBC)

ドラマの中ではそれぞれ違う性質を持った人物として描かれています。

ハン・ジミンが演じた『イ・サン』のヒロイン、ソン・ソンヨンは低い身分から王に見初められたシンデレラストーリーの主人公的な立ち位置。

一方、イ・セヨンが演じた『赤い袖先』のヒロイン、ソン・ドクイムは自分の人生で叶えたい夢を持っている自立心の強い女性として解釈されています。

また、宜嬪成氏が正祖の側室になることを断った史実上の理由は、正祖の正室にまだ子供がいないことに遠慮したからだとされています。

しかし『イ・サン』では、本当は思い合っているのに結ばれることが出来ない理由が他にあったというエピソードに。

『赤い袖先』では、自分の人生を自分で選びたいという思いから断ったというエピソードになっています。

***

ここまで同じ史実上の登場人物をモデルにした『イ・サン』と『赤い袖先』の違いを見てきました。

正統派な雰囲気の時代劇で、感情が揺さぶられるサクセスストーリーがお好きな方には『イ・サン』がお勧め。

歴史上の人物を一人の人間として見てみたいという方や、ロマンス史劇がお好きな方には『赤い袖先』がお勧めです。

あなたが正祖イ・サンを描いたドラマを観るとしたらどちら?

●現在日本で視聴可能な方法

【イ・サン】
・U-NEXT
・ABEMAプレミアム
・FODプレミアム

【赤い袖先】
・U-NEXT
・CS ホームドラマチャンネル(9月14日~)


イ・サン(動画出典:CNTV)

赤い袖先(動画出典:NBCユニバーサル アジア)





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