- 韓国時代劇では『正統派 (大河ドラマ)』の他にも新たなジャンルが確立されてきた。
- 今の二大主流ジャンルは『ファクション』と『フュージョン』。
- 本記事では二つの特徴の違いや代表作をご紹介。
韓国時代劇の中にも、いくつかのジャンルがあることをご存じでしょうか。
史実を描いた『正統派史劇(大河ドラマ)』と呼ばれる作品も根強い人気があるものの、近年の韓ドラ界では少し影が薄め。
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現在は『ファクション時代劇』と『フュージョン時代劇』の2つが主流となっています。
『ファクション』とはファクト(事実)とフィクション(創作)を組み合わせた造語。『フュージョン』は融合を示す言葉です。
言葉では耳にすることがあっても、正直どう違うのかピンと来ていないという方も多いのでは。
そこで本記事では『ファクション時代劇』と『フュージョン時代劇』の2つについて、特徴や代表作をご紹介。
より自分好みの韓国時代劇を探すためのヒントになるかもしれません。
それぞれの起点
新しいジャンルが生まれる時には、その起点となる大きなヒット作が存在。
『正統派史劇』の次に確立したのが『ファクション時代劇』。
『ファクション時代劇』の起点とされている作品が『ホジュン-宮廷医官への道』(1999/MBC)。韓ドラ時代劇の巨匠と呼ばれるイ・ビョンフン監督の作品で、63.7%という韓国時代劇上最高の視聴率を記録しました。
その後、同じくイ・ビョンフン監督作品である『宮廷女官チャングムの誓い』(2003/MBC)が大ヒットすると一大ジャンルとして定着。
一方『フュージョン時代劇』の起点とされているのは『チェオクの剣(原題:茶母)』(2003/MBC)。アクションやロマンスなどの要素を入れた新鮮な時代劇として人気を博し、“茶母廃人(タモペイン)”と呼ばれる熱狂的なファンを生み出しました。
『快刀ホン・ギルドン』(2008/KBS)が放送されると徐々に主流になり始め、『太陽を抱く月』(2012/MBC)のヒットによりジャンルとして定着。2010年代後半以降、大幅に作品数を増やしました。
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特徴と違い
では、それぞれの作品の特徴にはどんな違いがあるのでしょうか。
『ファクション時代劇』は事実と創作の融合。登場人物は実在の人物が中心で時代背景は史実に基づきますが、歴史資料から逸脱しない程度に人間味あるエピソードや新たな解釈をプラス。より共感しやすい物語に仕立てられています。
『フュージョン時代劇』は、より創作の部分が多くなり架空の人物が主人公となることも。国や時代ごと創作してしまう場合もあり、韓国の史実に基づいているというよりはファンタジーに近い世界観になっています。現代劇と変わらない楽しみ方が出来ることも特徴のひとつ。
ファクションでは時代劇特有の硬い言葉づかいをしますが、フュージョンでは政治的なシーン以外では現代劇と変わらない話し方をすることも。
これらの特徴のため時代劇を観慣れない若年層にも人気があるのはフュージョン時代劇。ロマンスを物語の主軸に置く作品も多く、女性がメインターゲット。
一方ファクション時代劇は、歴史や政治ものが好きな男性視聴者やミドル世代もターゲットとしています。
代表作品例
では、それぞれの代表作を紹介します。
【ファクション時代劇】
- ホジュン-宮廷医官への道(1999/MBC)
- 宮廷女官チャングムの誓い(2003/MBC)
- 朱蒙〈チュモン〉(2006/MBC)
- ファン・ジニ(2006/KBS)
- イ・サン(2007/MBC)
- 善徳女王(2009/MBC)
- トンイ(2010/MBC)
- 帝王の娘 スベクヒャン(2013/MBC)
- 奇皇后(2013/MBC)
- 赤い袖先(2021/MBC) ほか
【フュージョン時代劇】
- チェオクの剣(2003/MBC)
- 快刀ホン・ギルドン(2008/KBS)
- トキメキ☆成均館スキャンダル(2010/KBS2)
- 太陽を抱く月(2012/MBC)
- 雲が描いた月明り(2016/KBS2)
- 花郎〈ファラン〉(2016/KBS2)
- 100日の郎君様(2018/tvN)
- 恋慕(2021/KBS)
- シュルプ(2022/tvN)
- 還魂(2022/tvN) ほか
今やグローバルな人気を獲得している韓国時代劇。
その人気の秘訣は、時代に合わせて大衆に受け入れられやすいよう柔軟に変化してきたことかもしれません。
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