『第56回百想芸術大賞』の部門別投票が終了し、あとは当日の開票を待つばかりとなった。中でもドラマ部門は、過去にないほどの熾烈な争いが繰り広げられると予想されるほど、上質な作品や俳優陣がノミネートされている。『百想芸術大賞』は、韓国の権威ある芸術総合賞であり『韓国のゴールデングラブ賞』とも称されるほど。過去にはハ・ジョンウ、イ・ビョンホン、ハ・ジウォンら錚々たる俳優が最優秀演技賞を受賞するなど、いわば“スターの登竜門”とも呼ばれているだけに、出演者だけでなく視聴者もその栄冠の行方に大きな関心を寄せている。

『第56回百想芸術大賞』が、ドラマ・ドキュメンタリー・芸能部門の投票を開始。今年度上半期は、ドラマ部門の活躍が目覚ましく、対象を飾るのが誰になるのか予想が困難だ。

TVドラマ 作品賞

椿花咲く頃

除隊後初の復帰作となったカン・ハヌルと『嫉妬の化身』以来3年ぶりのドラマ復帰となったコン・ヒョジンが出演した『椿花咲く頃』。ファン・ヨンシク(カン・ハヌル)とドンベク(コン・ヒョジン)のロマンスを主軸に置きながら、ベールに包まれた連続殺人犯の正体を追うというサスペンス要素を盛り込んで、圧倒的な視聴率(最高視聴率 19.2%)をマークして人気を得た。

“ベストカップル賞”も受賞した

“ベストカップル賞”も受賞したほどお似合いだった2人(画像出典:KBS2)

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ストーブリーク

“スポーツドラマは成功しない”というジンクスを打ち破った『ストーブリーグ』。最下位の野球チームに就任した団長ペク・スンス(ナムグン・ミン)が、特別なシーズンを準備する熱い冬のストーリーを展開した。視聴者に“野球ドラマ”という先入観を拭うことに努めた痛快なストーリーが、放送当初は低空飛行だった視聴率を上昇させ、有終の美を飾った。

ジンクスを打ち破った

ジンクスを打ち破った『ストーブリーグ』(画像出典:SBS)

愛の不時着

いまだ熱い人気を呼んでいるこの作品は、当然ノミネート。映画『ザ・ネゴシエーション』(2018)で共演後、熱愛説が浮上したヒョンビンとソン・イェジンが再びタッグを組んでラブストーリーを展開するということで注目を集めていたが、新型コロナウイルスでの外出自粛も手伝って、まさに“爆発的”に世界でメジャーとなった。

不動の人気を獲得

不動の人気を獲得した『愛の不時着』(画像出典:tvN)

キングダム シーズン2

Netflixのオリジナルシリーズ『キングダム』。ニューヨークタイムズは、シーズン1を“2019年最高のインターナショナルTVショーTOP10”に選定。そしてシーズン2も変わらぬ支持を得ている。時代劇版ゾンビ作品で、スピード感あふれるストーリーはあっという間に見終えてしまうほど。女優ペ・ドゥナがシーズン3にも言及しており、楽しみはまだまだ継続するようである。

シーズン1は『第48回国際エミー賞』に出品

シーズン1は『第48回国際エミー賞』に出品された。(画像出典:Netflix)

ハイエナ

『ストーブリーグ』の後続ドラマで、弁護士たちの“法と金”にまつわる、ハイエナのような人生を描いた作品。キム・ヘスは雑草のように生きる変わり者弁護士を、チュ・ジフンは温室育ちのエリート弁護士をそれぞれ演じた。ドラマ放映中に俳優ホン・ギジュンが飲酒運転で摘発され、急遽編集を余儀なくされたが、そんなニュースをものともせず、安定的な人気を見せた。

弁護士ドラマらしからぬポスター

弁護士ドラマらしからぬポスターが話題に。(画像出典:SBS)

TVドラマ 演出賞

梨泰院(イテウォン)クラス / キム・ソンユン

本作も日本でいまだに話題にあがるほど人気を博しているが、作品賞にはまさかの名が挙がらなかった。キム・ソンユン監督は過去に『Who Are You』『雲が描いた月明り』などを手掛け、本作では脚本にも提案を促し、原作にない躍動感を加えて成功を収めた。

日本でも話題となったドラマ

日本では有名人が観ていることでも話題に。(画像出典:Jtbc)

夫婦の世界 / モ・ワンイル

前述のキム・ソンユン監督と同期のモ・ワンイル監督。彼は2018年にドラマ『ミスティ』でキム・ナムジュを6年ぶりにドラマ界に復帰させた立役者で、本作ではキム・ヒエを4年ぶりにカムバックさせ、韓国視聴者を夢中にさせた。

韓国で圧倒的人気を獲得

韓国で圧倒的人気を獲得した『夫婦の世界』(画像出典:Jtbc)

このほかに、『椿花咲く頃』チャ・ヨンフン監督、『ストーブリーグ』チョン・ドンユン監督、『愛の不時着』イ・ジョンヒョ監督が演出賞にノミネートされている。



TVドラマ 最優秀演技賞部門

『椿花咲く頃』で未婚の母に挑戦したコン・ヒョジンは、“2019 KBS 演技大賞”でデビュー以来20年ぶりに栄冠を手にして涙した。“彼女の出演作にハズレなし”と言われており、本作もそのジンクスは続いている。ソン・イェジンは『第43回百想芸術大賞TV部門 女性最優秀演技賞』を受賞しており、今回『愛の不時着』で最優秀賞を手にすれば2冠となるため、大きな注目を集めている。また憑依型俳優として名高いキム・ヘス、破格的イメージに挑んだキム・ヒエ、昨年に続き『ホテルデルーナ』でIUがノミネートされている。

2年連続ノミネートのIU

2年連続ノミネートされたIU。(画像出典:tvN)

コンブリーを発揮した

本作でも”コンブリー”を発揮したコン・ヒョジン。(画像出典:KBS2)

2冠達成なるか?

ソン・イェジンは2冠達成なるか?(画像出典:tvN)

圧倒的貫禄を見せつけた

圧倒的演技を見せつけたキム・ヘス。(画像出典:SBS)

4年のブランクなど感じさせない演技

4年のブランクなど感じさせない破格的演技を披露したキム・ヒエ。(画像出典:Jtbc)

男性俳優陣も混戦模様だ。猪突猛進な性格の持ち主、ヨンシクにピッタリはまったカン・ハヌル、ヘアスタイルまで流行させたパク・ソジュン、表現力の幅広さでは群を抜くナムグン・ミン、この人の名前なしはあり得ないヒョンビン、そしてチュ・ジフンがノミネートされた。

はまり役だったカン・ハヌル

熱血漢あふれるヨンシクがハマり役だったカン・ハヌル。(画像出典:KBS2)

新境地開拓のパク・ソジュン

新境地開拓となったパク・ソジュン。(画像出典:Jtbc)

人間味あふれる演技を披露

『ストーブリーグ』で人間味あふれる演技を披露したナムグン・ミン。(画像出典:SBS)

愚直に生きる男を演じた

愚直に生きる男を演じ女性ファンをさらに増やしたヒョンビン。(画像出典:tvN)

俳優として円熟味が増した

俳優として円熟味が増したチュ・ジフン。(画像出典:チュ・ジフン Instagram)



今期は誰が受賞しても不思議のないラインアップなだけに、勝負の行方を見守りたいところ。『第56回百想芸術大賞』は、6月5日に京畿道一山(キョンギドイルサン)にあるKINTEX7ホールで開催される。今回は新型コロナウィルス感染拡大を考慮し、観客なしで生放送される予定だ。

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