最近の韓国ドラマによく登場する”サイコパス”なるキャラクター。彼らの持つ不可解な性質は同じように見えるが、作品によってそれぞれのパターンは異なっている。不気味な動きを見せる”サイコパス”がなぜ多く見られるのか? 制作サイドの意図が見えてきた。

以前より、韓国ドラマの題材によく使われていた”サイコパス”なるキャラクター。最近のジャンルドラマはサイコパスを除いては話が進まないと言われ、多くの作品に登場している。

韓国メディアの大田日報では、「ドラマの中のサイコパスは簡単に人を殺したり、もっと巨大な悪に変身して神のような力を持とうとしたり、世の中を滅ぼそうとすることもある」とし、それぞれのキャラクターや、サイコパスを登場させる狙いを分析。各作品を通じてサイコパスのタイプも紹介している。

“ためらうことなく殺人を犯す”サイコパスの典型

サイコパスには様々なタイプが存在するが、ドラマの中で最も多く見られているのがサイコパスの典型をいくキャラクターだ。

オム・ギジュンはSBS『ペントハウス』に登場するサイコパス、チュ・ダンテ役に扮した

SBS『ペントハウス』に登場するサイコパス、チュ・ダンテ役に扮したオム・ギジュン(画像出典:SBS)

シーズン1、シーズン2ともに最高視聴率30%をはじき出したドラマ、SBS『ペントハウス』。
ここに登場するチュ・ダンテ(オム・ギジュン)は、他人だけでなく家族にもためらわずに暴力を振るい、自分の計画に反すれば、あっという間に殺人を犯す。罪悪感を感じるどころか、むしろ快感を感じている。

サイコパスの脳を移植されたイ・スンギ演じるチョン・バルム

イ・スンギ演じるチョン・バルムはサイコパスの脳を移植され‥(画像出典:tvN)

サイコパスをテーマに選んだ、現在、放送中のtvN『マウス』。
サイコパスの脳を移植された警察官のチョン・バルム(イ・スンギ)は、抑えきれない暴力的な衝動をコントロールできず、殺人鬼として覚醒する。サイコパスの記憶と自分の記憶が衝突する過程は、人間の先天性と後天性について考えさせる。

バベルグループの会長だったチャン・ジュヌ

インターン弁護士かと思いきや‥バベルグループの会長だったチャン・ジュヌ(テギョン)(画像出典:tvN)

日本でもNetflix(ネットフリックス)で同日配信されている、tvN『ヴィンチェンツォ』。

ウサン法律事務所のインターン弁護士になりすました、バベルグループの会長チャン・ジュヌ(テギョン)もサイコパスだ。正体を隠して経営する理由を「ゲームのようにスリルがある」とし「まるで神になったようだ」と答える彼からは真の悪を伺うことができる。

“世界を征服したい”破壊力を増したサイコパス

典型的なサイコパスに”世界征服の欲求”が加わると、その破壊力は計り知れないパワーを放つ。

チン・ギョンは『L.U.C.A.: The Beginning』で教団のトップ、ファン・ジョンアを演じる

『L.U.C.A.: The Beginning』で教団のトップ、ファン・ジョンアを演じるチン・ギョン(画像出典:tvN DRAMA YouTube動画キャプチャー)

tvN『L.U.C.A.: The Beginning』のファン・ジョンア(チン・ギョン)は代々伝わる教団のトップだ。神の力を借りるよりも自らが神のような力を持つことを望んで”ルカプロジェクト”を企てた。超越的な力を持つ子供たちをコピーし、富と名誉を得ようとした彼は、平然と人を殺す狂気を見せている。

キム・ビョンチョル扮するシグマ冷酷なまでに罪を‥。JTBC『シーシュポス: The Myth』

JTBC『シーシュポス: The Myth』では、キム・ビョンチョル扮するシグマが冷酷なまでに罪を‥(画像出典:JTBC)

Netflix(ネットフリックス)で配信され、日本でもじわじわと人気を集めているJTBC『シーシュポス: The Myth』。
緻密に世界を滅ぼす計画を実行するシグマ(キム・ビョンチョル)は、原子力発電所に核爆弾を落として国を滅ぼそうとする。サイコパス特有の徹底した大規模殺人計画で主人公を絶えず死地に追い込んだ。

サイコパスがジャンルドラマの常連になった理由

このように、サイコパスなるキャラクターがジャンルドラマの常連になった理由を、大田日報は「現実とも無関係ではない」とし、過去に起きた残忍な事件を例に挙げている。

続いて「ドラマはその時代の社会像を反映するが、実際のサイコパスと社会の中の二極化した感情などがドラマの中のサイコパスというテーマに反映されるようだ」と分析。

さらに「サイコパスは、その性格を隠さなければならないキャラクターのため、どんでん返しの醍醐味を生かすことができる。極端な話の展開が可能であり、それにより視聴者をドラマに引き込めることから、制作サイドからも好まれる題材」であると報じている。

また、同紙は、この背景に「最近ジャンル劇のレベルが高まり目の肥えた視聴者がさらなる刺激を求めていることにより、サイコパスを多く登場させるしかない」との見方をし、「こうした作品が増えすぎると視聴者としては疲れるが、作品のメッセージに必ず必要なら容認できるだろう」と説明している。









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