ドラマや映画で主人公とともにストーリーを盛り上げている敵役。悪役専門とまではいかないが、この俳優が出演すればややこしい展開になると予想されやすい役者も存在する。なかでも日本でも馴染みのある、大御所”こじらせ系”悪役を紹介しよう。

韓国ドラマの最大の魅力は、複雑な人間模様や心理描写を巧みに描き上げ、視聴者の没入感を高める秀逸なストーリーだろう。

主人公の清らかな心、屈しない情熱、燃えるような熱い愛。思わず応援したくなる彼らとともに、頻度高めで登場してくるのが憎まれ役だ。あらゆる手段を駆使して主人公の行く手を阻み、してやったりの憎たらしい顔を見せ‥。この対極な2人の出現により、ストーリーは盛り上がっていくのだ。

憎まれ役、悪役というのは予想外の残酷さを見せることもあり、視聴者に強いインパクトを残す。それがそのまま演じた俳優のイメージとして定着してしまい、これ以降も同じような憎まれ役を演じる俳優も多くいる。

気さくな素顔を持つ俳優のキム・イル

俳優キム・イル。素顔は気さくなおじさまだ(画像出典:DAY Entertainment公式Instagram)

そんな敵役のなかでも、特に日本で知られているのは大御所俳優のキム・イルだろう。彼は2004年に放送されたSBS『バリでの出来事』をきっかけに、”憎たらしいお兄ちゃん”というニックネームを得てしまう。

劇中、キム・イルはチョ・インソン扮するチョン・ジェミンの兄、チョン・イルミン役に扮し、裏表のある嫌味で卑劣なキャラクターを演じていた。

財閥グループの御曹司であるチョン兄弟は、特に兄のイルミンが跡継ぎの座を狙っていた。自分より能力の落ちる弟のジェミンが会社の経営に関心がないことは知っていたが、父親が自分の牽制用にジェミンを利用しようと目論んでいることを見抜き、イルミンはジェミンを助けるふりをしながらも自分の立場を狙える存在とみなしていた。

イルミンは表向きではいつも大らかで思いやりのある人柄で、部下や貧しい人々に対しても理解のある様子を見せている。だが、これはあくまでも”ふり”だけで、つまりは偽善だった。たまに部下に対して本性を現わすことがあるが、その様子を見ると卑しさと小心さが感じられる。

キム・イルは視聴者をヤキモキさせてしまうような嫌味な企業トップ役を多く任される

視聴者をヤキモキさせてしまうような嫌味な企業トップ役を多く任されるキム・イル(画像出典:MBC)

ドラマのヒットとともに主演陣だけでなく憎まれ役もスポットを浴びてしまい、このような役柄のイメージが定着したキム・イルは、これ以降も”憎たらしい” 上司や重役、社長などに扮することになる。

主だった作品では、SHINHWA(シンファ)のエリックが主演を務めたMBC『新入社員(2005)』で、ドラマの舞台となる大企業”LKグループ社”のソン理事役に扮し、権力を振りかざす嫌味なキャラクターを演じた。

また、SBS『ファッション王(2012)』ではユ・アイン扮するカン・ヨンゴルと対立するチョン・ジェヒョクの父、チョン・マノ役に扮した。ファッション企業の社長である彼は慈愛に満ちたふりをするが、気に入らないことがあれば容赦なくぶち壊すタイプだ。

MBC『キルミー・ヒールミー(2015)』では、チソン扮する財閥の御曹司チャ・ドヒョンを敵対視するチャ・ギジュンの父、チャ・ヨンピョ役を担当し、財閥のトップという自身の叶わなかった夢を息子に託し、成し遂げるためなら手段を選ばないといった役どころを演じている。

キム・イルはきれい好きで"掃除王"の異名を持つ

きれい好きで”掃除王”の異名を持つキム・イル(画像出典:DAY Entertainment公式Instagram)

このような数々の”憎たらしい”キャラクターを演じてきたキム・イルだが、その素顔は”掃除王”の異名を持つ清潔感のある紳士。

来る23日に放送される芸能バラエティー番組『家事をする男たち シーズン2』では、そんなキム・イルが新春大掃除のコツを披露する。
重いベッドマットの掃除から油汚れを落とすのが手間取るフードの掃除まで、キム・イルならではの斬新な掃除方法が公開され、視聴者をスッキリとした気持ちにさせる予定だ。










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