チョ・ドクジェ 強制わいせつ事件の被害者、女優Aが顔と実名を公開した。
世間を騒がせたチョ・ドクジェ強制わいせつ事件の被害者が、実名と顔を公開した。

被害者 パン・ミンジョン(左) と被告人 チョ・ドクジェ(右)(出典:enews24)
被害者のプライバシー保護のために、実名が公開されないまま「女優A」と知られていた彼女の名は「バン・ミンジョン」。
彼女は、13日ソウルの韓国大法院(最高裁判所)の前で、公式立場を表明した。
この日は、有罪判決を言い渡されたチョ・ドクジェの上告が棄却され、チョ・ドクジェの罪が確定した日でもある。
それとともに、40か月という、加害者と被害者の長い法廷での争いに終止符を打った日にもなる。
裁判が開始して以来、40か月という時間が経った今、彼女は何故メディアの前に立ち、実名と顔を公開したのか..。
「私が、チョ・ドクジェが犯した性暴力の被害者、女優Aです」と重い口を開いた彼女は「2015年4月映画撮影中にチョ・ドクジェから 無理やり性的行為を受けた。その年の5月に警察に通報した」と淡々とした口調で話した。
「それから40か月の間、彼と彼の周囲の人と戦ってきた。そして人間として、女性としてすべてを失った。しかし、チョ・ドクジェは反省どころか、法廷でもメディアの前でも嘘をつき続けてきた。私への行為は強制わいせつではなく演技だと…。そして私についてメディアやSNSに嘘の情報を流した。多くの性暴力の被害者は、加害者と戦い、ありもしない噂とも戦わざるを得ない。そんな一人で悩みを抱えている女性たちに勇気を与えることができればと思い、ここに立つ決心をした」と、理由を述べた。
性暴力で「時の人」になる、不名誉なレッテルが貼られたチョ・ドクジェ。
チョ・ドクジェは2015年4月映画撮影途中、バン・ミンジョンと合意がなされない状態で、無理やり下着のなかに手を入れ、強制わいせつの容疑で起訴された。
彼が法廷内外で無罪を主張しながら、提示した根拠は、(1)映画は私の仕事である。大勢のスタッフがいるなか、性的欲求を抑えず犯行に及ぶということが可能か?(2)バン・ミンジョンは国連事務総長を歴任した大物の姪である。そんな人に手を出すことが可能か?など。

チョ・ドクジェが公開した当時の撮影現場(出典:Facebook)
確かにチョ・ドクジェにとって、映画の撮影現場は一般のサラリーマンに例えると「会社のオフィス」のようなもの。
会社のオフィスで大勢の同僚がいるなか、躊躇うことなく性的行為をするとは、どうも簡単に納得いくようなものではない。
なお、チョ・ドクジェが言ったようにバン・ミンジョンは、韓国外務大臣を経て、第8代目国連事務総長を歴任した政治界の大物の姪。

バン・キムン(出典:abckr.net)
実はチョ・ドクジェは第1審で無罪判決を言い渡されていた。
第1審は判決文には「ベテラン俳優である被告人が演技に集中したあまり、事前合意のない演技をしてしまったと見える。現場の指揮を執る監督や被告人が積極的に謝罪をしなかったため、被害者が悔しい気持ちを誇張したとしか思えない」と記されている。
控訴審で裁判所は「いくら演技だとしても、被害者に性的な屈辱感を与えており、謝罪を要求した被害者に対して誠意ある謝罪をしていない」とし、有罪判決。
その判決にチョ・ドクジェ側が控訴したが、13日棄却され有罪が確定されのである。
演技なのか、性的な欲求を抑えられなかったベテラン俳優の脱線なのか。
俳優は長年築いてきたキャリアと俳優という職業を手放さざるを得なくなり、被害者は実名や顔の公開も敢行して女性としての最後のプライドまで捨てる羽目になった。
法の審判は「有罪」で終わった。
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