- 2022年、韓国のケーブルチャンネルENAで放送されたドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』が大ヒットした。
- ENAはドラマの大成功を通じて株を上げ、韓国ドラマ業界で注目を集めている。
- しかし『ウ・ヨンウ』以降、同じ「水木ドラマ」の枠はなかなかヒットに恵まれず、苦戦を強いられている。
韓国のケーブルチャンネルENAで、新オリジナルドラマ『ボラ! デボラ~恋にはいつでも本気~』の放送がスタートした。
放送枠は、2022年に世界的な大ヒットとなったENA(Netflix)『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌(以下、ウ・ヨンウ)』と同じ「水木ドラマ」。
『ウ・ヨンウ』は放送当時、韓国の視聴者に、放送の水曜日と木曜日を“ウ曜日”と呼ばれるほど愛されていた。
ところが、新作ドラマの初回視聴率は、1%未満と残念なスタート‥。
ENAが手掛ける「水木ドラマ」は、あの『ウ・ヨンウ』の大成功以来、不振が続いているようだ。
『ウ・ヨンウ』の制作を手掛けたENAは、2022年4月にリブランディングした新しいケーブルチャンネル。KTグループの系列会社skyTVが運営しており、ドラマや娯楽、自主制作コンテンツを放送している。
もともと2003年9月にSkyHDとして開局後は、主に外国ドラマを中心に放送していたが、時代の変化に合わせて編成を変え、独自の番組などを放送し始めた。
そして約1年前にENAとして生まれ変わり、初めて手掛けたドラマが「水木ドラマ」。『ウ・ヨンウ』は、この枠の「2番目の作品」として放送を開始した。
しかし最初から大好評だった訳ではない。実は、初回放送は0.9%という低視聴率からのスタートだったのである。
ところが、ストーリーの面白さが口コミで広まり、視聴率が徐々に上昇。第4話で5%、第7話では10%を突破する勢いを見せた。
韓国ではVODでドラマを見る人が多いため、視聴率1桁のドラマが大半。視聴率2桁を達成すれば、“ヒット作”と言われている。
その中で『ウ・ヨンウ』の最終話は、最高視聴率17.5%を記録、同時間帯ドラマで1位の座についた。
前例のないケーブルテレビが手掛けたドラマとしては、大成功。この功績は業界でも話題となり、ドラマだけではなく、“ENA”自体も大きな注目を集めた。
最近の韓国ドラマの話題作は、tvNやJTBCといったケーブルチャンネルで放送されたものが増えている。
ENAは、良い作品であれば、それが有名なTV局やチャンネルでの放送でなくても大ヒット作につながる、ということを証明してみせた。
しかし、『ウ・ヨンウ』を通じて名を広めたENAは、その後の作品で苦戦を強いられている。
2022年8月に有終の美を飾った『ウ・ヨンウ』の後続として始まった『グッジョブ』は、チョン・イル&ユリ(少女時代)が出演。
前作の人気を引き継ぐかと期待されていたが、初回視聴率は2%台と残念な滑り出し、最終的に最高視聴率も3%台と振るわなかった。
続いて始まったのが、イ・ダヒ×SUPER JUNIOR(スーパージュニア)シウォン出演のラブコメ『恋愛なんていらない』。
こちらは最終回で自己最高視聴率を叩き出したが、2%台止まり。
さらにその後続ドラマは、人気ウェブ漫画が原作の『社長をロック解除』。人気急上昇中の俳優チェ・ジョンヒョプが主演を務めたが、最高視聴率は1.4%に終わった。
2023年に入っても、ENAの「水木ドラマ」は不発。『ウ・ヨンウ』の放送から半年以上過ぎても、『ウ・ヨンウ』に手が届きそうな人気作すら出ていないのが現状だ。
そして4月12日からは、新たな水木ドラマ『ボラ! デボラ~恋にはいつでも本気~』の放送が開始。
主演は、数々のロコ(ロマンティックコメディー)に出演し、日本の韓国ドラマファンにもお馴染みの人気女優ユ・インナ。彼女は、韓国最高の恋愛コーチであるデボラ役を演じる。
共演は、ユ・インナ同様、コミカルな演技に定評がある俳優ユン・ヒョンミン。彼は、出版社の企画担当イ・スヒョク役。
ストーリーは、「恋愛は戦略が必要だ」というボラと、「恋愛は真心だ」というスヒョクが一緒に恋愛書を作ることになる、没入誘発ラブコメディー。
他にも、出版社代表のハン・サンジン役に俳優チュ・サンウク、ボラの恋人であり有名なチキンフランチャイズのオーナー、ノ・ジュワン役で2PM(トゥーピーエム)のチャンソンが出演している。
豪華な俳優陣が脇を固めているが、2話まで放送を終えた今、視聴率は0.6%台となっている。
しかし、前出の通り『ウ・ヨンウ』も初回視聴率は0.9%からのスタート。そこから徐々に人気が上昇していったのだ。
『ウ・ヨンウ』で名を広め株を上げたENAは、ここ半年以上、後続作がパッとせず、低視聴率の沼から抜け出せていない状況。だからこそ、そろそろ巻き返しをはかりたいところ。
競争が激しい韓国ドラマ界で、『ボラ!デボラ~恋にはいつでも本気~』が、『ウ・ヨンウ』に続くENA代表作になれるだろうか。
本作は、アマゾンプライムビデオで配信中。
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