VOD・OTT市場で韓国ドラマに積極的に投資する姿勢が目立つサービスといえば、Netflix(ネットフリックス)とDisney+(ディズニープラス)。

しかし昨年から、両者に比べるとこれまで韓国ドラマにそこまで前のめりではないように見えたAmazon Primeビデオの動きに変化が。

アメリカやインド、日本などのオリジナル作品は制作していたものの、韓国ドラマは一度も手掛けたことがなく、むしろ力を入れていないようにさえ見受けられた同サービスが今変わりつつある。

韓国コンテンツなしでは伸び悩んだのだろうか、2023年から投資をしはじめた模様で、すでに世界中で話題を集めた、もしくは今まさに注目を集めている作品が。

そこで本記事では、不毛の地と思われたAmazon Primeビデオが、好成績を打ち出した韓国ドラマを5作紹介する。

私の夫と結婚して (tvN/2024)

『私の夫と結婚して』は、今最もホットな作品で、理不尽な死を遂げた主人公が、2度目の人生で自身を死に追いやった人たちに復讐し、運命を変えるべく奮闘するロマンス復讐劇。

世界中で高い支持を得ている本作は、なんと57カ国でAmazon PrimeビデオTVショー部門グローバル日刊ランキング1位を獲得した。(2024年1月31日時点)

また、アメリカでは2位に、フランスでは3位、イギリスで4位にランクインするなど上位に入った。

主演のパク・ミニョンをはじめ、ナ・イヌやイ・イギョン、ソン・ハユンらの熱演と、爽快感抜群のストーリー展開が高い評価を得ている。

庭のある家 (GENIE TV/2023)

『庭のある家』は、完璧に見える豪邸の庭から漂う悪臭をきかっけにはじまるサスペンススリラー。

キム・テヒにとって約3年ぶりとなるドラマ復帰作で、『ザ・グローリー ～輝かしき復讐～』シリーズ(Netflix)をきかっけに一躍脚光を浴びたイム・ジヨンとの共演作だ。

Amazon PrimeビデオTOP TVショー部門で、インドネシア、フィリピン、シンガポール、ベトナム、ミャンマーで1位を記録、東南アジア9カ国ではTOP10入りしてKスリラーの底力を見せつけた。

秘密が明らかになる過程や、サスペンスとスリラーが交錯する目の離せないストーリー構成は多くの韓ドラファンを虜にしたようだ。

もうすぐ死にます (TVING/2023)

『もうすぐに死にます』は、生きることに疲れた主人公が自殺をすることからはじまる転生もの。死を軽視したという理由から、まったくの別人として12回の生と死を繰り返す。

Amazon Primeビデオでの公開直後には、韓国ドラマで初めて世界2位を獲得、その後の平均順位は6位～7位を維持した。

Netflixに比べKコンテンツの認知度がそこまで高いとはいえないAmazon Primeビデオにおいて、ランキング上位圏に達するという快挙を成し遂げた作品だ。

人生とはなにか深く考えさせられるストーリーで、主人公のソ・イングクとパク・ソダムはもちろん、各話主演級の役者が登場するのも視聴ポイントの1つとなっている。

アイランド (tvN/2023)

『アイランド』は、悪霊がはびこる島を舞台に、世界を滅ぼそうとする悪に立ち向かう者たちを描いたファンタジーアクション。

ドラマとは思えないスペクタクルで描かれ、チャウヌ(ASTRO)やキム・ナムギルなど役者陣のキレのあるアクションと、爆発的なカタルシスをプレゼントする物語によって高い支持を得た作品だ。

Amazon PrimeビデオグローバルTVショー TOP10部門では9位に登場し(2023年1月8日時点)、配信スタート直後には、インドネシア、フィリピン、タイなどで1位に輝いたことも。

また、日本、香港、シンガポールを含む24カ国では上位圏にランクインするなど、初回配信直後に2週連続でランキング入りした初めての韓国コンテンツだ。

九尾狐伝1938 (tvN/2023)

『九尾狐伝1938』は、混迷の時代1938年に不時着した九尾狐(クミホ)が、現代に戻るべく奮闘するイ・ドンウク主演のファンタジーアクション。

人気作『九尾狐＜クミホ＞伝～不滅の愛～』(tvN/2020)のシーズン2であることから、高い支持を得ることが予想されていた作品だ。

その期待どおり、Amazon Primeビデオで配信がスタートして2週間後には、Amazon PrimeビデオTVショー部門において19カ国でTOP10入りを果たすことに成功、世界中の韓ドラファンの熱い視線を集めた。

その中の、インドネシア、フィリピン、ベトナム、タイ、台湾、カンボジアでは1位を記録し、マレーシアでは2位、シンガポールと香港では3位につくなど、特に東南アジアで人気を得た。

これまで、韓国コンテンツにはそこまで注力してこなかった印象のAmazon Primeビデオサービス。

Amazon Primeのメンバーシップ顧客サービスの一環である点において、NetflixやDisney+とは体制が多少異なり、Amazon Primeビデオの利用の有無に関係なくすでに一定のユーザー数を誇る。

韓国ドラマへの積極的な投資によってNetflixやDisney+を抜き去り、番狂わせを起こすことはできるだろうか。

各サービスのし烈な戦いは、韓国コンテンツ制作会社のさらなる成長につながることが期待される。

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