• SUPER JUNIORのイトゥクが自宅への侵入被害を受け、サセン問題が再び注目されている。
  • 私生ファンは芸能人の私生活に過激に干渉し、違法な情報収集や接近行為を行う存在とされる。
  • BTS Vも過去に同様の被害を受けており、SNSやファンダム文化が背景にあると指摘されている。
SUPER JUNIOR イトゥク

SUPER JUNIOR イトゥク(写真=©TOPSTAR NEWS)

SUPER JUNIORのイトゥクが、自身の自宅に“サセンファン”が侵入したことを明かし、改めてK-POP界における深刻なプライバシー侵害の実態が浮き彫りとなっている。

サセン(私生ファン)とは、好きな芸能人の私的な日常生活を追い回し、無断で個人情報を収集して接近を試みる過激なファンを指す言葉であり、自宅前での張り込みにとどまらず、航空機の座席情報を不正に入手して機内食を勝手に変更するなど、常軌を逸した行動が問題視されてきた。

イトゥクは4月10日、自身のSNSを通じて「無断侵入が発生。最近でも常軌を逸したサセンファンが存在していることに驚いた。これで2度目」と語ったうえで、「もし次があれば個人情報を公開し、警察に通報する」と警告を発した。

実はイトゥクは、これまでも何度もサセンによる被害を受けてきた経験を持つ。過去には「軍入隊前日までサセンに付きまとわれた」と吐露しており、当時は「今日くらいは静かにしてほしい」と心情を明かしたこともあった。いかにその存在が長年にわたり芸能人の日常を脅かし続けてきたかを物語るエピソードである。

そして、こうした被害はイトゥクだけの問題ではない。2023年にはBTSメンバーVも、サセンによるストーキングと住居侵入の被害に遭ったと報じられている。

当時の報道によれば、加害者とされる20代女性は、Vの自宅前で待ち伏せし、彼がエレベーターに乗ると後を追って乗り込み、声をかけるなどの行為を行った。女性は「ストーキング処罰法違反」および「住居侵入」の容疑で不拘束送致され、韓国警察は接近禁止命令や通話・メッセージ禁止といった緊急応急措置を取った。

このように、K-POPアーティストをターゲットとしたプライバシー侵害行為は後を絶たない。なぜここまで頻発してしまうのか――韓国の芸能専門メディアは、その背景に複数の要因が存在していると指摘している。

まずひとつは、SNSの発展による情報拡散の加速だ。芸能人のスケジュールや居場所、住居に関する情報が容易に共有されるようになり、一部のファンはその情報を元に、接触を試みようとする。

次に挙げられるのが、ファン心理の歪みである。一部のファンは「自分だけがその芸能人を理解し、守れる存在だ」という誤った信念にとらわれており、そこから“特別なつながり”を感じようとする。こうした思い込みが、法的・倫理的な境界を越えた行動を生む土壌になっているとされる。

また、経済的な側面も見逃せない。芸能人の個人情報が“商品”のように扱われる不正市場が存在しており、それが私生活への侵害行為を助長している。「芸能人の私生活情報を取引する異常な市場が存在し、こうした行動が経済的利益につながっている」との分析もある。

さらに、法的な対応にも限界があるという。所属事務所や司法機関は原則“無寛容”の方針で対処しているものの、オンラインや私的空間での行為において証拠を確保することが難しく、摘発・処罰に結びつかないケースが多い。制度的な穴が、加害行為を見過ごす原因のひとつになっている。

そして最後に、K-POP特有のファンダム文化も要因として挙げられる。ファンと芸能人の心理的距離が近いとされるこの文化では、直接的な接触や“リアルな関係”を求める声も強く、その境界線が曖昧になりやすい。一部のファンにとっては、こうした行動すら“応援”の延長だと認識されてしまうことがあるようだ。

芸能人とファンの関係は本来、尊重と信頼の上に成り立つべきもの。しかし、こうした境界のない“愛”が暴走を始めたとき、それは一方的な迷惑行為、あるいは犯罪へと変質してしまう。応援と侵害の境界を、今一度社会全体で見直す時が来ているのかもしれない。

編集長コラム

Danmee編集長のコラムです。韓国芸能界の出来事やネットの話題を分かりやすく解説しております。日本のマスコミが滅多に取り上げない様々な韓国情報を読者の方々と共有していきたいと思います。

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