2020年、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大により、他業種と同様、大きな損害が予想されたK-POP界。しかし蓋を開けてみると、SM-JYP-YG-BigHitといったビッグ4は、新たな戦略で活路を開き、むしろ自活能力を向上させている。

新型コロナウイルス(以下、コロナ19)の流行により、世界の”様相”が一変した。

人々は外出を自粛し、会社はリモートワークを推奨する。

大勢の観客が集まるコンサートやスポーツ大会の中止が相次ぎ、ファンビジネスを根幹とする芸能界やスポーツ界が、大きな打撃を受けた。

K-POPブームに中心にいるBTS

世界的なK-POP旋風を巻き起こしている代表格 BTS(防弾少年団) (写真提供:©スポーツ韓国)

近年はアジアを超えて、世界的音楽ジャンルに成長するなど、大きな躍進を遂げているK-POP界も例に漏れず、ワールドツアーが当たり前となったビッグネームたちのコンサートが中止になるなど、暗雲に覆われる一年になるだろうと予想されていたのだ。

しかし、生き残りをかけた”戦略”を立て、その健在ぶりを見せたK-POP界のビッグ4--SMエンターテインメント、JYPエンターテインメント、YGエンターテインメント、Big Hitエンターテインメント(以下、エンターテインメントは省略)。

韓国の経済専門メディア『韓経.com(https://www.hankyung.com/ 以下、韓経)』は、これらビッグ4の”生存”には、*ファンダムの”火力”が背景にあると分析するとともに、コロナ19にも屈しない戦略と行動力があると賛称している。

*ファンダムの”火力”:好きなアイドルを応援するために、アルバムや音源、グッズを組織的に買い集める行為などの総称

今回は「K-POP ビッグ4のキーワードと2021年の展望」をテーマに、vol.1として、JYP編をお送りする。

JYPネーション

JYP所属のアーティストが合同公演を行うJYPネーション(画像出典:JYPエンターテインメント)

満遍なく活躍したJYP所属アイドル

JYPにとって、2020年は既存のアイドルが”満遍なく”活躍した1年だった。

GOT7(ガッセ)、DAY6、TWICE(トゥワイス)、Stray Kids(ストレイキッズ)、ITZY(イッジ)に加え、首長であるパク・ジニョン(J.Y.Park)もカムバックしてファンを喜ばせた。

アルバム販売数の好調を牽引したのはTWICEで、上半期に発表したミニアルバム『MORE & MORE』は、累積販売数が56万枚を超え、ガールズグループ最多記録を塗り替えた。加えて今年の活躍により、日韓での総売り上げ数が1,000万枚を超えるという大記録も樹立している。

TWICEほどではないが、GOT7が『Breath of LOVE: Last Piece 』で28万枚、Stray Kidsが『GO LIVE』で33万枚と、男性アイドル陣も奮闘した一年となった。

2021年には、JYP男性アイドルの”筆頭” 2PMが、兵役による空白期を終え、完全体として戻ってくるため、男性アイドルの活躍も目が離せない。

2021年完全体となる2PM

2PM、2021年完全体として戻ってくる!(画像出典:JYPエンターテインメント)

NiziUのおかげで時価総額1兆ウォンに?

韓経は「NiziU(ニジュー)で日本人の心を鷲掴みにしたJYP」という見出しで、期待を上回った『虹プロジェクト』の反響とNiziUの人気が、JYP全体に最も大きな影響を与えたと分析している。以下、記事の一部。

「日本で”TWICEシンドローム”を巻き起こしたJYPが、”現地化戦略”を施したグループがNiziUである。メンバーは全員日本人で構成されているが、アイドル育成は”K-POPシステム”にこだわる。K-POPに対して、固い支持基盤を持つ日本音楽市場の性向を正確に把握した上で、戦略を練ったのが功を奏した。JYPは今年7月、時価総額が1兆ウォンを突破している」

2021年大きな期待が寄せられるNiziU

2020年JYPの最大プロジェクトであり、2021年大きな期待が寄せられるNiziU(画像出典:Nizi公式SNS)

2021年、JYPの上昇ムードを牽引するのもNiziUだという見方を示している韓経は、ハナ金融投資のイ・ギフン研究員の予想を引用する。

「NiziUのデビューシングルの先行注文販売数は、11月30日基準で37万枚を超えており、TWICEを上回る数字である。今後、TWICEの2倍以上の売上数が見込めるだろう」

今年デビューしたNiziUが、先輩グループを追い抜き、JYPの命運を握る存在となることは明白のようだ。

2022年に契約更新を迎えるTWICE

上述したように、これまでJYPのエースとして君臨してきたTWICEが、2022年に契約更新を迎える。

2022年JYPと契約を更新するTWICE

JYPのエース、TWICE!2021年は、彼女たちが契約を更新する最後の年である(写真提供:©スポーツ韓国)

韓国芸能界では”*7年目のジンクス”という言葉があり、2021年には、TWICE存続に関する懸念の声が一気に上がると予測されている。

*7年目のジンクス:契約年数などが原因で、所属事務所とアーティストの間で争いが頻繁に起こるようになり、韓国の公正取引委員会は、アイドルと所属事務所の最長専属契約の年数を7年と定めた。そのため、契約更新を控える直前にメンバーの不仲、脱退、熱愛説、不祥事が相次ぎ、ファンの間では”7年目のジンクス”と呼ばれるようになった。

2021年には、TWICEのメンバーとJYPとで契約更新の話し合いが進められると見られるが、もし予期せぬ事態が発生すれば、JYPを支えた大きな柱が揺るぎかねない危険性も潜んでいる。

近年、特に体調不良や過度なストレスを訴えるメンバーが増えており、不透明な先行きの不安は増している状態と言えるだろう。

NiziUというチャンスと、TWICEという不安材料を同時に抱えているJYPの2021年‥果たしてどのような展開を見せてくれるのか、ファンの関心は高まる一方だ。




TWICE

TWICE (トゥワイス / ハングル 트와이스)は、2015年に韓国の音楽専門チャンネルMnetで放送されたサバイバルオーディション番組「SIXTEEN」を通して選ばれた9人のメンバーによって結成された。
グループ名の「TWICE(トゥワイス)」には、「良い音楽で一度、素敵なパフォーマンスでもう一度感動をプレゼントする」という意味が込められている。

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