BTSが2030年開催の万博誘致のため、広報大使に就任した。万博の候補地は釜山(プサン)、メンバーのジミンとジョングクの出身地だ。韓国メディアの中央日報は、今回のBTS大使就任にはメンバーのお父さんの援助があったと驚きのエピソードを報じている。

BTS(防弾少年団)が、2030年開催の世界博覧会(万博)を釜山(プサン)に誘致するため、広報大使に就任した。

広報大使に就任したBTS

広報大使に就任したBTS (画像出典:BTS 公式Twitter)

ある韓国メディアは、このBTSの広報大使就任を巡っては、関係者の隠れた努力があったと報じている。

6月16日、釜山市が「BTSに広報大使を要請した」という報道がされると、大きな注目が集まった。なぜなら、その数日前にBTSは「今後はソロ活動を本格的にスタートさせる」と発表したばかりだったからだ。

一時は「活動休止」という誤った情報が広まり、ファンは騒然となったが、「広報大使になれば、7人での活動が見られる」と期待を膨らませた。

そして7月19日、BTSの所属事務所HYBEの本社にて『2030釜山世界博覧会 広報大使委嘱式』が行われ、BTSらが出席した。

委嘱式には、久しぶりの7人の姿を見ようと多くの視線が注目していたが、政府関係者が見せたBTSへの無礼な対応が一部ファンの批判を呼んでしまう。

BTSの広報大使就任を通じて、万博誘致を大々的にアピールする絶好の機会だったにも関わらず、関係者の予想とは異なり、残念な部分に注目が集まってしまった。

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釜山出身のジミンはハートポーズで記念撮影

釜山出身のジミンはハートポーズで記念撮影 (画像出典:YouTubeキャプチャー)

そもそも、この「BTSの広報大使就任」という一大プロジェクトは、HYBEの回答を受けるまで、1年を超える時間がかかったという。

韓国メディアの中央日報が、その舞台裏を単独報道している。

中央日報によると、2021年の補欠選挙でパク・ヒョンジュン釜山市長が当選した後、市長を中心に釜山万博の”BTS広報大使委嘱プロジェクト”が発足、本格的な説得が始まったそうだ。

中でも、釜山市がBTSを委嘱する過程で最も力を入れたのは、釜山出身のメンバー2人、”ジミンとジョングク”の両親だったという。

当時の事情をよく知っている与党関係者は「2人のメンバーの両親から大きな助けを受けたと聞いている」と明かしている。

広報大使には、Netflix(ネットフリックス)オリジナルシリーズ『イカゲーム』で世界中の注目を集めた俳優イ・ジョンジェがすでに選定されていたが、BTSの大使就任も諦めず、HYBEを説得し続けた。

その時のことを関係者は「釜山万博が国家の最優先事業であることを何回も強調した」「HYBEも、BTSメンバーに意見を聞き、同意してくれた」と話している。

胸にバッジをつけてもらっているジョングク

胸にバッジをつけてもらっているジョングク (画像出典:YouTubeキャプチャー)

また、驚くべきエピソードも明らかにされた。

それは、当時釜山市経済副市長だったパク・ソンフン秘書官が、ジミンのお父さんのもとを訪ね、一緒にワインまで飲みながら説得をしたというのだ。

ジミンのお父さんは、釜山の大淵洞(テヨンドン)で大型カフェを運営しており、現在も多くのファンが訪れる人気のカフェとなっている。

そして、ジミンのお父さんを通じて、知らせを聞いたジョングクのお父さんも「努力してみる」という趣旨の答えをしたそうだ。

BTSを広報大使に就任させるため、メンバーのお父さんにも協力を仰いだというのは衝撃だ。そして、万博誘致のためには、関係者が水面下でそこまで動くということにも驚く。

先日行われた委嘱式の後、ジミンのお父さんは「釜山人としてうれしく思う。ジミンも本当に喜んでいた」と話したことが伝えられた。

市長も、万博誘致にあたり、BTSという大きな援軍を得たことを喜んでいる。

先日の委嘱式で一部出席者が見せた残念な姿には、「関係者の隠れた努力に水を差したのでは?」と憂慮の声も上がったようだが、委嘱式がある意味、大きな注目を浴びたことはたしかだろう。

広報大使に就任したBTSは、誘致活動の一環として、来る10月にグローバルコンサートを行う予定だ。

釜山万博の誘致活動は、BTSそして、メンバーの父親をも巻き込んだ(?)、国を挙げた大型プロジェクトである。

血・汗・涙までを流したかはわからないが、多くの誘致関係者の努力は、果たして報われるだろうか。

(構成:酒井知亜)





BTS

BTS(防弾少年団)は2013年6月13日にデビューした韓国の7人組男性アーティストグループで、パン・シヒョクのプロデュースにより誕生した。

HYBE(旧Big Hitエンターテインメント)所属。

デビューアルバムは『2 COOL 4 SKOOL』、デビュー曲は『No More Dream』。グループ名の”防弾少年団”には、10代、20代に向けられる抑圧や偏見を止め、自身たちの音楽を守りぬくという意味が込められている。

ハングル表記は”방탄소년단(バンタンソニョンダン)”から”バンタン”と呼ばれることが多い。

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