映画『イルマーレ』、『オールド・ボーイ』、『アジョシ』‥これらの共通点は、アメリカのハリウッドでリメイクされたという点だ。近年もハリウッドでは数多くの外国語映画がリメイクされており、新たに韓国映画がハリウッドで蘇ろうとしている。
米アカデミー賞で作品賞を含む4冠に輝いた大ヒット映画『パラサイト 半地下の家族』(2020)のポン・ジュノ監督が、韓国映画『海にかかる霧』(2014)ハリウッドリメイク版の制作に、参加するというニュースが飛び込んできた。
映画『海にかかる霧』は、2001年に実際に起きた”テチャン号事件”を基にした舞台劇を、ポン・ジュノ監督がプロデュースし、映画化が実現した作品だ。
これを機に、3人の主役‥ポン・ジュノ、キム・ユンソク、パク・ユチョンの思いを振り返ってみる。
『海にかかる霧』あらすじ

映画『海にかかる霧』ポスター(写真提供:©スポーツ韓国)
おんぼろ漁船”チョンジン号”の指揮を執るカン船長(キム・ユンソク)は、船員たちの生活のかかった船を守るため、乗組員たちに中国からの密航を手伝う提案をする。命をかけて海を渡ってきた朝鮮族の密航者たち、彼らと同じ船に乗ることになった6人の船員たち‥。
そしてその夜、濃い海霧がチョンジン号を襲い、彼らは思いもよらぬ事態に遭遇することになる――。
(関連動画)パク・ユチョン、キム・ユンソク主演 韓国映画 ‘海にかかる霧’ 予告編
3人の主役
映画が公開された当時、メディアや映画ファンから注目を浴びた3人の”主役”がいる。
韓国を代表する名監督の一人ポン・ジュノ氏と人気俳優キム・ユンソク、そしてアイドルとして一世を風靡し、役者としてもその可能性を評価されていたパク・ユチョンである。
ポン・ジュノ

ポン・ジュノ(写真提供:©スポーツ韓国)
興行性と作品性を併せ持った作品を手掛けることで有名な、ポン・ジュノ監督が、制作と共同脚本で参加している。
ポン監督は、当時のインタビューで「『海にかかる霧』は、満足のいく出来となった。俳優、スタッフが頑張ってくれた。良い経験をしたようだ」と述べ「今回初めて制作で参加したが、おそらく『海にかかる霧』が、私にとっては最初で最後の制作作品になるのではないかと思う」「もともとやっていた演出をしながら、脚本も書かなければならない制作はとても大変で難しい」と語っていた。初めての制作作品に自信を見せていたポン監督だったが、結果は残念ながら、二兎追って一兎も得ない結果で終わってしまった。
リメイク版でも制作を陣頭指揮するが、汚名返上はできるのか。韓国映画界の”巨匠”としての力量が問われるところだ。
キム・ユンソク

キム・ユンソク(画像出典:movie.naver)
韓国映画界で、中年男性俳優の影響力は絶対的。映画『オールド・ボーイ』(2003)、『バトル・オーシャン 海上決戦』(2014)のチェ・ミンシク、映画『殺人の追憶』(2003)、『パラサイト 半地下の家族』(2019)のソン・ガンホとともに、チケットパワーを誇るキム・ユンソクが、「このようなストーリーとキャラクターが、中心になってしっかりと調和する映画に出会うのは容易ではない。一度そんな作品に出会うと、見逃すことができない作品があるが、それが『海にかかる霧』だ。私のフィルモグラフィーになくてはならない作品だ」とまで語り、自信に満ち溢れていた。が、観客動員数1760万人を記録したチェ・ミンシク主演作『バトル・オーシャン 海上決戦』に大敗を喫す結果となる。
パク・ユチョン

パク・ユチョン(画像出典:movie.naver)
この映画で一番評価を受けたのが、パク・ユチョンだ。アイドルから俳優に変身し、ドラマでは好成績を残すが、映画出演については首をかしげる人が多かった。しかし、この映画の監督、シム・ソンボ監督は違った。パク・ユチョンが出演したドラマをすべて見るほど、彼がお気に入りの俳優で、監督自らキャスティング。そしてパク・ユチョンは、監督の期待に応えるかのように、世間の人々の不安を払拭するほど成長した演技を見せ、華麗なる銀幕デビューを飾ることとなった。
制作発表会でポン監督は、パク・ユチョンに対し「優れた映画俳優を、映画界が得ることができてうれしい」と絶賛。またキム・ユンソクは「(パク・ユチョンは)ただきれいで、可愛らしいだけだと思ったが、”男”だった」と評価した。そしてこの年『第51回 大鐘賞』新人男優賞、『第35回 青龍映画賞』新人男優賞など、新人賞だけで9冠を独占するという偉業を成し遂げた。

『第51回大鐘賞』で新人男優賞を受賞した際のパク・ユチョン(画像出典:YouTube動画キャプチャー)
当時パク・ユチョンは「アイドル出身という周りの視線が辛かった」「パク・ユチョンが演技することに対して、大衆が必要性を感じなかったら悲しい。そんなプレッシャーがあった」と告白。さらに「アイドル出身なので、良い点は僕が好きなスタイルの音楽が、演技に役立つということだ。演技をしながら、むしろ音楽を色々聴くようになった。感情も和やかで、落ち着いた雰囲気を引き出すために、音楽は必要なもの」と話している。
今後は歌手活動とともに、映画にも出演していきたいと語っていたが、その後の相次ぐ不祥事(賛否はあるが‥)がなかったら、彼の役者人生はどう変わっていたのだろうか。キム・ユンソクも「基本的に演技に対する姿勢や、共同作業に対する姿勢が本当にしっかりしている」「兵役を終えて戻ってきたら、もっとうまくやれるだろう」と激励の言葉を述べていただけに、兵役後、彼が演技する姿を見られていないことが残念でならない。
ハリウッド版『海にかかる霧』は、ポン・ジュノ監督とシム・ソンボ監督が共同で脚本を執筆し、制作にも参加。そして英国映画『最悪の選択』のマット・パーマー監督が、演出と脚本を手掛ける予定だ。
編集部おすすめ記事
こちらも投票お願いします!
この記事と関連度が高いトピック
現在読まれています!
最新記事
-
2時間前
PHOTO:©TOPSTAR NEWS
【5月新作】気になる滑り出しは?平日ドラマの復活を掲げた韓ドラ4作の成績表
-
パク・ボゴム×キム・ソヒョン主演!“正義の再起”を描くドラマ「グッドボーイ」のポスター解禁
-
Netflix「野ネズミ」でソル・ギョング×リュ・ジュンヨルが初共演!追跡と謎が交錯する心理サスペンス
-
グループ名を守ったfromis_9、6月カムバック決定!再スタートからの第一歩へ
-
“甘くてスパイシー”なUNISの魅力炸裂!「2025年春版 K-POP新人女性グループ人気決定戦」の1位に
-
【沼る VS 微妙】時代劇アイドルを堪能!ベールを脱いだNetflix韓国ドラマ「タングム」
-
4時間前
PHOTO:©TOPSTAR NEWS
BLACKPINK ジェニーが“女王の座”をキープ!「25年5月ガールズグループ個人ブランド評判」ベスト5
-
4時間前
PHOTO:©TOPSTAR NEWS
少女時代 ユナが誕生日ライブ開催!「YOONA’s MINI ROOM」でファンと特別なひとときを
-
5時間前
PHOTO:©TOPSTAR NEWS
X:IN イシャ & ハンナ & アリア、SBSパワーFM「ウェンディのヤングストリート」の収録に参加!(PHOTO8枚)
-
5時間前
PHOTO:©TOPSTAR NEWS
i-dle、8thミニアルバム「We are」の発売記念記者懇談会に出席!(PHOTO35枚)
-
7時間前
PHOTO:©TOPSTAR NEWS
G-DRAGONが“3連覇”達成!25年5月 ボーイズグループ個人ブランド評判ランキング ベスト5
-
今週末(5月23日~)日本のテレビで放送「激動の時代」を描いた韓国映画4選
-
三作三色!来週(5月26日~) 放送終了「極上ロマンス」韓国ドラマ3選&見逃しVOD
-
6月はBSが熱い!ジャンル別に楽しむ韓国ドラマ9本を先取りチェック
-
「鬼宮」が初の2桁突破!25年5月第3週 最新韓国ドラマ視聴率ランキング1位~12位
-
春の主役はTWICE ミナ!「25年4月版 K-POP女性アイドル人気決定戦」の1位に輝く
-
チョン・ギョンホ主演のMBCドラマ「労務士のノ・ムジン」、5月30日放送スタート
-
クォン・ユルが結婚発表!「一生をともにしたい人と」今月24日に非公開挙式へ
-
スンロク役に抜擢!”2001年生まれ” キム・ジェウォン「ユミの細胞たち3」でキム・ゴウンと共演
-
ジェジュン、新EPアルバム「Beauty in Chaos」カムバック記者懇談会に出席!(PHOTO9枚)
-
RIIZE、1stフルアルバム「ODYSSEY」カムバックショーケースに出席!(PHOTO20枚)
-
キム・ジェジュン、ロックの本能全開!新EP「Beauty in Chaos」で大胆変身
-
BTS ジン×シン・セギョン、切なくも静かな感情の波──無言の名演が胸を打つ
-
イ・ミンジョンら、KBSバラエティ「行く情来る情イ・ミンジョン」の制作発表会に出席!(PHOTO5枚)
RECENT TOPICs
COMEBACK & DEBUT
-
BTS JIN ‘The Astronaut’ MVALICE ‘DANCE ON’ MVATBO ‘ATTITUDE’ MVEPEX ‘恋歌’ MVグループ名がT1419からTFNに! ‘AMAZON’ MVNCTテン ‘Birthday’ MVCLASS:y ‘ZEALOUS’ MVCLASS:y ‘Tick Tick Boom’ MV
ご意見を自由にコメントしてください!
記事に関するご意見や情報提供はこちらのフォームをご利用ください。