今韓国ネットでは、故パク・ヨンハさんが被害に遭った事件が、ひそかに話題にのぼっているという。

俳優兼歌手として活躍していたヨンハさんは、日本でも大人気となった韓流スターの一人。

2002年にKBS2ドラマ『冬のソナタ』でぺ・ヨンジュンの恋敵役を演じると、翌年日本で“冬ソナ旋風”が巻き起こり、日本の韓流ブームを牽引した。

今も多くのファンに愛されているパク・ヨンハさん (画像出典：パク・ヨンハ 公式Instagram)

彼曰く、自身が日本に入国すると多くのファンが押しかけて事故が起きる危険が生じるため、羽田空港側から「パク・ヨンハの公開入国を禁じる」という方針を打ち出されたこともあったそう。

甘いマスクと優しい笑顔が魅力の彼は、ヨン様に負けないほどの高い人気を誇っていた。

日本では主に歌手として活動し、歌番組にも頻繁に出演。日本語が上手だった彼は、親しみやすい人柄で『冬ソナ』ファン以外にも人気を広げていった。

しかし、順調な芸能生活を送っていると思われていた彼が、2010年6月30日に突然の他界。

彼の訃報は、日本のニュース番組でも速報で伝えられ、後日複数の番組で追悼特集が放送された。

そんな彼に起きた事件が、なぜ今になって注目を集めているのかというと、2月16日にKBS2で放送された情報バラエティー番組の影響のよう。

この日番組では、BLACKPINK(ブラックピンク)のリサや、歌手兼俳優のIUらスターが被害にあった詐欺事件の事例を紹介した。

BLACKPINKのリサは、マネージャーに託したお金を全て失った‥ (写真提供：ⓒ TOPSTAR NEWS)

リサの場合は、委任した権限を利用された詐欺事例。

彼女は、デビュー当初から一緒にいたマネージャーに不動産投資を委任し、代金10億ウォン(約1億円)を預けたが、その全てを失った。

マネージャーは当時、投資代金を全て賭博の借金で使い果たしたのだという。

IUもデビュー前に詐欺の被害者に (写真提供：ⓒ TOPSTAR NEWS)

IUは、スターになりたいという夢を利用された、“デビュー詐欺”の代表的な被害者として紹介された。

デビュー前にお金を要求してきた芸能企画会社3社に、それぞれ300万ウォン(約30万円)を支払ったが、詐欺だったそう。

彼女は過去にも「ある事務所から “この金額を支払えば、トレーニングを受けさせてあげる”と言われて大金を支払ったが、後日行ったら事務所ごと消えていた」というエピソードを明かしている。

スターらがよく詐欺に遭うことについて文化評論家は「有名芸能人の場合、大衆がたくさん注目しているので、少し間違えただけでも大きな議論にされる問題がある。そのため、できれば本人が直接乗り出さないようにする。本人の代わりに知人に全てを任せるため、その過程で詐欺に遭う場合がある」と分析する。

日本では歌手をメインに活躍したヨンハさん (画像出典：パク・ヨンハ Instagram)

この番組をきっかけに、ヨンハさんが被害に遭った過去の事件にも視線が向けられている。

2013年2月19日、ソウル中央地検調査部は、ヨンハさん名義で書類を偽造し、数億ウォンに及ぶ預金を横領しようとした疑い(私文書偽造及び詐欺未遂など)で、彼の女性マネージャーA氏を在宅起訴したと明らかにした。

A氏は2010年7月、日本のある銀行で自身が管理していた彼の印鑑を利用し、約2億4000万ウォン(約2,400万円)を引き出そうとした疑いが持たれた。

調査の結果、A氏が預金請求書に彼名義の口座番号と氏名欄に「パク・ヨンハ」と記載、彼名義の印鑑を捺印して預金請求書2枚を偽造したことが明らかに。

A氏は、あたかも預金の引き出しを委任されたかのように振る舞ったが、彼が亡くなったことを知っていた銀行職員が拒否したため、結果未遂に終わっている。

ところがこれだけではなく、A氏はソウル江南区清潭洞(カンナムク チョンダムドン)の所属事務所で、ヨンハさんの写真集40冊をはじめ、時価総額2645万ウォン相当のアルバムや写真、動画、事務所の額縁や什器を持ち出すなど、窃盗の疑いもかけられた。

A氏は検察の調査で「預金は横領しようとしたのではなく、マネージャーとして使える権限があり、写真集やアルバムは遺品を整理しながら、これまでの彼との情を思って所有したかった」と犯行を否認したことが伝えられた。

この事件が報道されたのは、彼が亡くなってから2年以上が経ってからだが、実際にA氏が預金を引き出そうと試みたのは、彼が亡くなったわずか1週間後の出来事。

マネージャーA氏が関与した事件は、当時ファンに大きな衝撃を与えた。

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